*

人を幸せにしたいなら、まず自分から『アメリ』

公開日: : 最終更新日:2015/11/08 映画:ア行

t02200124_0680038213263734951

ジャン=ピエール・ジュネ監督の代表作『アメリ』。

ジュネ監督の今までの作風といえば
ウィットに富んだダークファンタジーや
SF作品が多かったにもかかわらず、
『アメリ』は女性から多く人気を得た。

オシャレな作風というのもある。
ハイテクのカメラワークを駆使した
魅力的な映像もある。
でもそれだけでは万人に受け入れられない。

そこにはそのハイテク映像にも
負けないくらいの魅力的な登場人物がいるからだ。

主人公アメリはカフェで働く女の子。
ふとした事から、他人の人生にちょっとした
イタズラを仕掛けて幸せにしてあげる。

「幸せにしてあげる」という
なんとも上から目線。

その冒険の途中、難病で家に閉じこもり
絵ばかり描いているおじいさんと知り合う。
おじいさんはアメリに言います。
「自分の人生を生きなさい。
私みたいになってはいけない」
アメリは次の瞬間、
自分の恋愛と本気で向き合います。

おじいさんがアメリに忠告するのは
彼女がみんなから愛される人物だったから。

よくボランティア活動に夢中になる人がいます。
世のため人のためとなることなので
善行と言っていいのでしょうが、
とかくそういった人たちは
不幸な人生をむかえていく。

ボランティアに入る時の動機が、
失恋やら事業の失敗やら、自分探しなど、
ネガティブなところから
スタートしているのが気になる。

自分の人生の困難にぶつかったとき、
その苦しみからすぐ他者へ
向かってしまうのが問題なのかも。

今の自分より不幸な人をみつけて
その人を幸せにすることで、
自分の価値を見いだしていく。
そう言ってしまうと、とても残酷。

幸せとは、人からもらうものではない。
人に与えられるものでもない。
自分自身から見いだしていくもの。

思うんです。
人を幸せにしたいなら、
先ず自分が幸せになることが大事だと。
自分の人生にキチンと向き合うこと。

そうして自分が少しずつ
幸せになっていく姿を見た誰かが、
共感してくれればいい。
幸せは他人から押し付けられるものじゃない。

自分自身を幸せにすることが
どんなに大変な仕事だろうか。
一生かかっても出来るかどうか分からない。
人生かけた一大仕事です。

アメリは「幸せ配達人ごっこ」に興じて
不幸な人生をむかえるすんでのところで、
おじいさんに救われたわけです。

関連記事

『WOOD JOB!』そして人生は続いていく

矢口史靖監督といえば、『ウォーターボーイズ』のような部活ものの作品や、『ハッピーフライト』み

記事を読む

『あの頃ペニー・レインと』実は女性の方がおっかけにハマりやすい

名匠キャメロン・クロウ監督の『あの頃ペニー・レインと』。この映画は監督自身が15歳で音楽ライ

記事を読む

『エリン・ブロコビッチ』シングルマザーに将来はないのか?

日本の6人に1人が貧困家庭の子どもだそうです。 先日テレビで特集が再放送されていました。

記事を読む

さよならロビン・ウィリアムズ = ジーニー『アラジン』

ロビン・ウィリアムズが 8月11日に亡くなったそうです。 彼の作品には名作が多く、

記事を読む

女子が怒りだす草食系男子映画『イノセンス』

押井守監督のアニメーション映画。 今も尚シリーズが続く『攻殻機動隊』の 続編にも関わらず

記事を読む

『ウルトラマン』社会性と同人性

今年はウルトラマンシリーズ誕生の50周年記念とのこと。先日、テレビで特集番組が放送されていた

記事を読む

『海街diary』男性向け女性映画?

日本映画で人気の若い女優さんを4人も主役に揃えた作品。全然似てないキャスティングの4人姉妹の話を

記事を読む

オカルト? カルト?『オーメン』

6月6日はダミアンの誕生日だ!! と最近言わなくなった。もう『オーメン』の話をしても誰も分か

記事を読む

日本映画の時代を先行し、追い抜かれた『踊る大走査線』

『踊る大走査線』はとても流行ったドラマ。 ドラマが映画化されて、国民的作品となった。 観

記事を読む

『エイリアン』とブラック企業

去る4月26日はなんでもエイリアンの日だったそうで。どうしてエイリアンの日だったかと調べてみ

記事を読む

『Ryuichi Sakamoto : CODA』やるべきことは冷静さの向こう側にある

http://ryuichisakamoto-coda.com/[/

『マイティ・ソー バトルロイヤル』儲け主義時代を楽しむには?

http://marvel.disney.co.jp/movie/t

『わたしを離さないで』自分だけ良ければいいの犠牲

今年のノーベル文学賞を受賞したカズオ・イシグロ原作の映画『わたしを

『ブレードランナー2049』映画への接し方の分岐点

http://www.bladerunner2049.jp/[/ca

『トロールズ』これって文化的鎖国の始まり?

配信チャンネルの目玉コーナーから、うちの子どもたちが『トロール

→もっと見る

PAGE TOP ↑