*

『王と鳥』パクリじゃなくてインスパイア

公開日: : 最終更新日:2019/06/14 アニメ, 映画:ア行, 映画:ヤ行

 

先日テレビで放送された
『ルパン三世・カリオストロの城』(以下『カリ城』)、
いまだに人気があって、放送するたび高視聴率。

実はこの『カリ城』、
1952年のフランスアニメ映画
『やぶにらみの暴君』から大いに影響を受けている。

いや、影響を受けているというより、
殆ど城のデザインなんかや
大まかな雰囲気は同じ。

『やぶにらみの暴君』はのちに
『王と鳥』と改題され、
再編集もされている。
今は後者のタイトルの方が通じやすい。

ただフランスのこの映画、
悪役の王にものすごく感情移入しているの。

イヤなヤツにしか興味がない視点がイイ。
城の中を逃げ惑う善人の少年少女なんて
どーでもいいといったところ。

邪悪な雰囲気が全篇にあふれ、
子どもが観るには怖すぎる映画。

このエッセンスは宮崎駿監督の
『カリ城』や『ラピュタ』に色濃く反映している。

日本の作品の多くが、
まったくのゼロからのオリジナル作から
出来ていると思ったら大間違い。

名作を作った作品には、必ずと言っていい程、
ルーツとなる作品や監督が存在する。

『王と鳥』の悪夢的な部分を、
日本アニメ向けに料理したことで、
『カリ城』はパクリではなくなるのです。

エッセンスは借りても、
視点を変えれば新作となる。

『カリ城』は『ルパン三世』シリーズの劇場版第二弾。
宮崎駿監督の映画監督デビュー作でもある。

ただ当初この企画はなく、
『ルパン三世』第一作『ルパンvs複製人間』の
脚本の初稿が難航しているとき、
代案の企画として、
宮崎監督へ以来がきて出てきた企画が
『カリ城』らしい。

代案なので、宮崎監督も大急ぎで
考えたアイディアでしょう。
自分の大好きな『王と鳥』から
アイディアを捻出したのでしょう。

で、代案にしては面白いということで、
第一作がヒットしたら二作目に
『カリ城』やりましょうとなったわけらしいです。
(でもヒットしなかったみたいですが)

名作なんて、そんな些細なきっかけで
生まれるらしいです。
人生どう転ぶかわからないものです。

関連記事

no image

『この世界の片隅に』逆境でも笑って生きていく勇気

小学生の頃、社会の日本近代史の授業で学校の先生が教えてくれた。「第二次大戦中は、今と教育が違っていて

記事を読む

no image

ホントは奇跡の企画『となりのトトロ』

  先日『となりのトトロ』がまたテレビで放映してました。 ウチの子ども達も一瞬にし

記事を読む

『斉木楠雄のΨ難』生きづらさと早口と

ネット広告でやたらと『斉木楠雄のΨ難』というアニメを推してくる。Netflix独占で新シーズ

記事を読む

no image

『ヒックとドラゴン』真の勇気とは?

  ウチの2歳の息子も『ひっくとどらぽん』と 怖がりながらも大好きな 米ドリーム

記事を読む

no image

『団地ともお』で戦争を考える

  小さなウチの子ども達も大好きな『団地ともお』。夏休み真っ最中の8月14日にNHK

記事を読む

no image

『東京ゴッドファーザーズ』地味な題材のウェルメイドアニメ

  クリスマスも近いので、 ちなんだ映画をセレクト。 なんでもこの『東京ゴッ

記事を読む

no image

何が来たってへっちゃらさ!『怪盗グルーのミニオン危機一発』

  世界のアニメ作品はほぼCGが全盛。 ピクサー作品に始まり、 母体であるディズ

記事を読む

no image

『ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団 』 若手女流監督が人生の機微で原作を補完

  言わずもがな子ども達に人気の『ドラえもん』映画作品。 『ドラえもん 新・のび太

記事を読む

no image

『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』アメコミみたいなアイツ

トム・クルーズが好きだ! 自分が映画を観るときに、監督で選ぶことはあっても、役者で決めることはほとん

記事を読む

no image

『赤毛のアン』アーティストの弊害

  アニメ監督の高畑勲監督が先日亡くなられた。紹介されるフィルモグラフィは、スタジオ

記事を読む

『パラサイト 半地下の家族』国境を越えた多様性韓流エンタメ

ここのところの韓流エンターテイメントのパワーがすごい。音楽では

『ターミネーター/ニュー・フェイト』老人も闘わなければならない時代

『ターミネーター』シリーズ最新作の『ニュー・フェイト』。なんで

『家族を想うとき』頑張り屋につけ込む罠

  引退宣言をすっかり撤回して、新作をつくり続

『もののけ姫』女性が創る社会、マッドマックスとアシタカの選択

先日、『マッドマックス/怒りのデスロード』が、地上波テレビ放送

『ジョジョ・ラビット』長いものに巻かれてばかりいると…

「この映画好き!」と、開口一番発してしまう映画『ジョジョ・ラビ

→もっと見る

PAGE TOP ↑