「欲しがりません勝つまでは」
戦後70年たった今となっては、こんな我慢ばかりを要求する言葉が行き交うということは、戦争に負けている証拠だと冷静にとらえることができます。もちろん当時の日本人だってまったく気づいていなかった訳ではないと思います。戦に負けている時などはとかく精神論に人はすがり始めます。「誇り」とか「名誉」とか軽々しく口から出てくるようならば、かなり追いつめられている状態といっていい。

当時の日本での我慢を要求する状況というのは、自分も学校の教科書にも載っていたのでよく知っているのだが、このドイツ映画の『ヒトラー 〜最期の12日間〜』でも、終戦間際の地下要塞に追いつめられたヒトラーとその家臣たちの姿はまさにそれで、精神論ばかりがヒステリックに飛び交っている。どこの国も最期は同じなのだなと感じた。

この映画はパロディも多く、追いつめられて必死な人間の姿は、客観的には笑いを誘うものである。
今回の大阪都構想の選挙についてのパロディも登場していたくらい。今回もパロディ動画が拡散された。映像と言葉はオリジナルの映画のままで、字幕だけが変更されている。その字幕がなぜかヒトラーが大阪都構想にからんでいたという展開。あまりに映像や言葉とシンクロしているので、大爆笑必至。

よくブラック会社と言われるところや、本当に辛い仕事をしている職場では耐えず「自分の仕事に誇りを持て」とか「もう少しの我慢だ」などのセリフが呪文のように登場する。自分の仕事に誇りを持つという概念は自分には理解できない。それなら「仕事が楽しいか」という言葉の方がしっくりくる。本来仕事というのは生活の糧を得るためのもの。それでも自分の特技で報酬を得たり、自分が面白いと思ったことを突き詰めることで商売になればと、少しでも楽しめる道を模索するもの。いの一番に「仕事に誇り」を意識することはない。

周囲を見渡して、目に見えないものを妄信し始めたり、精神論ばかりを言い出す人が多い職場なら、もしかしたらその船(会社)は沈みかけているのかもしれない。荷物をまとめて逃げる準備もしておいた方が良さそうだ。ネズミみたいにね。