*

911。アメリカの為の救済映画『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い 』

公開日: : 最終更新日:2019/06/15 映画:マ行

 

9.11。アメリカ同時多発テロの日。

このテロのワールドトレードセンターで
父親を亡くした少年の話。

ある日突然父親を亡くしてしまった悲しみは深い。
映画作品でここまで亡くなった人の悲しみだけを
延々描いている作品は珍しいでしょう。

同時多発テロは実際に起こった事件。

人の悲しみのイデアは万国共通なので、
この家族の悲しみは理解できる。

ただ海の向こうの出来事であるが故、
日本人の自分たちからは、
あの9月11日がどんなものだったのかを
知りたいのですね。

アメリカ人はあの日の様子は、
実際に体験している出来事なので、
言わずもがな共通の理解がある。
なのでそこのところは端よって描かれているんです。

このテロに関しては、外国人である自分には
やはり「アメリカ政府が悪いからな~」などと
まったく温度の違う観点でとらえてしまう。

むしろ「津波で父を亡くしました」と
言われてしまった方が涙が出てしまうだろう。

この映画はアメリカ人の為の映画だなと。

この映画の特長は、カタルシスがないこと。
悲しい気持ちは、映画が始まったときから、
見終わった後まで変わらない。

突然家族を失う悲しみは
本当にこんなものだろう。
そう簡単に癒されるものではない。

映画自体にはこれといった救いはないのだけれど、
もしかしたらこれを観たアメリカ人達は、
この映画に救われているのかも知れません。

関連記事

no image

『モアナと伝説の海』ディズニーは民族も性別も超えて

ここ数年のディズニーアニメはノリに乗っている。公開する新作がどれも傑作で、興行的にも世界中で成功して

記事を読む

no image

『マンチェスター・バイ・ザ・シー』物語みたいに割り切れないこと

映画『マンチェスター・バイ・ザ・シー』の評判は、劇場公開時からよく耳にしていた。ただ、どの感想を聞い

記事を読む

no image

『みんなのいえ』家づくりも命がけ

  念願のマイホームを手に入れる。自分の土地を得て城を持つことを夢に描くのは、日本人

記事を読む

『めぐり逢えたら』男脳女脳ってあるの?

1993年のアメリカ映画『めぐり逢えたら』。実は自分は今まで観たことがなかった。うちの奥さん

記事を読む

no image

トップアイドルだからこそこの生活感!!『もらとりあむタマ子』

  ダメ男というのは笑えるが、ダメ女というのはなかなか笑えない。それは世間一般の潜在

記事を読む

『マグノリアの花たち』芝居カボチャとかしましく

年末テレビの健康番組で、糖尿病の特集をしていた。糖尿病といえば、糖分の摂取を制限される病気だ

記事を読む

『万引き家族』親がなければ子は育たず

カンヌ国際映画祭でグランプリにあたるパルムドールを受賞した『万引き家族』。是枝裕和監督の作品

記事を読む

no image

『マイティ・ソー バトルロイヤル』儲け主義時代を楽しむには?

ポップコーン・ムービーの王道、今ノリにノってるディズニー・マーベルの人気キャラクター・ソーの最新作『

記事を読む

no image

デジタルデトックスのススメ『めがね』

  荻上直子監督の前作『かもめ食堂』のヒットを受け継いで、ほとんどキャストも同じのこ

記事を読む

『まだ結婚できない男』おひとりさまエンジョイライフ!

今期のテレビドラマは、10年以上前の作品の続編が多い。この『結婚できない男』や『時効警察』な

記事を読む

『ハンナ・アーレント』考える人考えない人

ブラック企業という悪い言葉も、すっかり世の中に浸透してきた。致

『鬼滅の刃』親公認!道徳的な残虐マンガ‼︎

いま、巷の小学生の間で流行っているメディアミックス作品『鬼滅の

『名探偵ピカチュウ』日本サブカル、これからどうなる?

日本のメディアミックス作品『ポケットモンスター』を原作に、ハリ

『グッド・ドクター』明るい未来は、多様性を受け入れること

コロナ禍において、あらゆる産業がストップした。エンターテイメン

『アナと雪の女王2』百聞は一見にしかずの旅

コロナ禍で映画館は閉鎖され、映画ファンはストレスを抱えているこ

→もっと見る

PAGE TOP ↑