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ハリウッド映画風日本映画『るろうに剣心 京都大火編』

公開日: : 最終更新日:2019/06/15 アニメ, 映画:ラ行,

 

今話題で好評の
実写版『るろうに剣心』第2弾『京都大火編』。

本作公開後一ヶ月で第3弾にあたる
『伝説の最期編』も公開されたこともあって、
大急ぎで観に行きました。

ワーナーブラザーズ映画社制作もあり、
アジアを中心とした世界配給から、
全編ハリウッドのアクション映画の手法が
ふんだんに取り込まれている。
和製『パイレーツ・オブ・カリビアン』
といってもいい展開だろうか。

アクションシーンがとにかく素晴らしく、
役者さん達の身体能力の高さもさながら、
撮影・編集が本当にアクションシーンを
盛り上げる為に計算され尽くされています。

昨今の日本映画の流行でもある
マンガ・アニメ原作の実写化作品で、
珍しく面白い作品に仕上がっています。

自分はマンガやアニメの
『るろうに剣心』は観ておりません。
こういった「にわかいちげんさん」の
自分ですら興味を惹かせ、夢中にさせるというのは、
良い意味で原作を越えているのでしょう。

実は自分は原作が連載されていた
『少年ジャンプ』のマンガが苦手なのです。

確かに面白い作品が多いのですが、
評判がいいと、延長延長で、
作者の当初の構想を明らかに無視して
物語が継続されているのがわかるので、
大抵途中で挫折してしまいます。

アニメ化された作品はもってのほかで、
原作連載にアニメ放送が追いつきそうになると、
ストーリーが進まずに、
時間稼ぎの間延びした展開になって行くので、
つき合っていられません。

商業作品というものは、
エピソードをふんだんに詰め込んでいって
はじめて物語として成立して行くのです。
そういったドラマツルギーの基本から
ズレて行く作品というのは
観ていて気持ちの良いものではありません。

あと『ジャンプ』にありがちなのは、
登場人物が「全員男」ということです。

確かに女性キャラクターもいるのですが、
容姿が女性なだけで中身は男のような気がします。
だから同じ志を持って集まった男女にも関わらず、
恋愛関係にもならないし、結婚もしない。
(逆に恋愛妄想ばかりの作品もありますが)

恋愛対象ではなく「仲間」なのである。
ざっくりしすぎ。
女性としてのアイデンティティーが無視され続ける。
なんともマッチョな体育会系人間関係。
ちょっと乱暴に感じてしまうんですね。

この映画では主人公剣心とヒロイン薫との関係が、
ラブシーンを一切描かずに表現できている。
お互いがお互いを尊重し、伴侶として必要としている。
それは画面を通して観客に伝わればよい。
人間関係を省略しながら、さらりと描いている。

恋愛感情もなく、男女が共に行動する方が不自然。
メインはアクションなので、
程よく踏み込みすぎずに描かれていると感じました。

しかし思うのは、いつの世も、
とんでもないサイコパスな人間が
力を持ってしまうということ。

末端の人間は軽く切り捨てられ、
苦悩に満ちた世界になってしまうのだな~と。
現在では直接的な殺傷ごとにはならずとも、
世の中、視点をずらせばどこもかしこもきな臭い。
怖いな~と、この映画を観ながら、
つくづく感じておりました。

これはきっと制作者の意図や観客の視点には
まったく関係のないことなんでしょうけれどね。

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