自然が美しい場所ほど、過去に激戦地だったりする。
とこく今ではリゾート地となっている
美しく常夏のような場所こそ、
過去に多くの血が流れた場所が多い。
ハワイや沖縄などもそう。

人の殺し合いなど、自然からみれば
無意味なものだと言われているようだ。

この『シン・レッド・ライン』は
第二次大戦のガダルカナル島の戦いを描いている。

監督はテレンス・マリック。
一本映画を撮るとなかなか
新作を発表しない監督さん。

夕焼けの黄昏時である
マジック・アワーを好んで使い、
映像美溢れる画面作りで定評高い。

彼の描く美しい血みどろの戦争映画。

人々が殺し合う中、風は静かに漂い、
木漏れ日が大地を照らす。

映画での兵士は、
たいていマッチョに描かれるのだが、
この作品に登場する兵士は内省的で、
全編にモノローグ(独白)が多い。
兵士が故郷を思い出す心象風景は美しい。

この映画が公開されている当時、
自分は英会話教室に通っていた。

そこでオーストラリア人の教師とこの映画の話をした。
「君はあの映画を観て不快にならなかったか?」と聞かれた。
その意図は、日本人が大勢殺される場面で、
日本人として不愉快にならなかったのかという事だった。

そういった解釈では自分は観ていなかった。

殺し殺されるのが戦争。

日本人だとかアメリカ人だとかは関係ない。
人が殺される場面は、どこの誰であろうと不快。

時代が異なれば、
このオーストラリア人教師とも
殺し合っていたかもしれない。

友達になれるかもしれない人と
殺し合うのが戦争なのだと、
ものすごく実感した瞬間でした。