『すーちゃん』女性の社会進出、それは良かったのだけれど……。
益田ミリさん作の4コママンガ
『すーちゃん』シリーズ。
益田ミリさんとも自分は同年代。
身の回りをみても、
自分と同じ40代になって
結婚しない人が多いし、
もちろん子持ちはなおさら少ない。
こうなると社会問題。
男性の場合の多くは、
行動してないだけの場合が多いので、
壁はそんなに大きくないように思えるが、
女性にとっては深刻な問題。
男女雇用均等法が成立して、
女性がどんどん社会進出して行くのは
とても良いこと。
しかしその弊害で、仕事が急がし過ぎて、
プライベートにパワーをさく
余裕がなくなってしまう。
まだまだ日本は男性優位の社会。
女性が男性並の仕事に就くなら、
男性の倍以上のパワーが必要。
すーちゃんは別にそこまで上昇思考ではないけれど、
日常はやはり職場と家の往復だけで終わってしまう。
頑張って生きているのにうまくいかない。
男性が恋愛に踏み出せないのは、
自分自身の責任のような気がするけど、
女性の場合はもっと根深い問題がありそう。
マンガは独身女性の気持ちを
細やかにに伝えている。
笑えそうでいて笑えない。
共感できてしまう女性が多いのも
それはそれで問題かも。
このマンガは映画化もされました。
柴咲コウさんがすーちゃんを演じているので、
ちょっと美人すぎやしないか?
もっと普通っぽい人の方が
感情移入しやすいんじゃないか?
と思いましたが、美人が独り身というのが
余計問題の深刻さを感じさせました。
エッセイマンガは、深刻な状況を
オブラートにくるむ作用があります。
それで同じ問題を抱えている人にも
共感を得るのだと思います。
これをまた実際の役者さんで映像化すると、
またまた深刻な話に戻ってしまいます。
劇中ではクライマックスで矢野顕子さんと
パット・メセニーさん共作の曲、
『Prayer』がかかったりします。
そうなると、もう救われない感じまでしてしまいます。
女性の話なのに男性が演出したのも
問題だったのかもしれません。
せめて映画版ではもっと救いが欲しかったな。
関連記事
-
-
高田純次さんに学ぶ処世術『適当教典』
日本人は「きまじめ」だけど「ふまじめ」。 決められたことや、過酷な仕事でも
-
-
『ゲゲゲの娘、レレレの娘、らららの娘』天才と呼ばれた普通の父親たち
なんともうまいタイトルの本。本屋さんをブラブラしていたら、水木しげるさんの追悼コ
-
-
発信者がウソをついてたら?『告白』
中島哲也監督作品、湊かなえ著原作『告白』。この映画の演出のセンスの良さにシビレま
-
-
『父と暮らせば』生きている限り、幸せをめざさなければならない
今日、2014年8月6日は69回目の原爆の日。 毎年、この頃くらいは戦争と
-
-
『サクリファイス』日本に傾倒した核戦争の世界
旧ソ連出身のアンドレイ・タルコフスキー監督が、亡命して各国を流転しながら映画をつくっていた遺作となる
-
-
『シン・エヴァンゲリオン劇場版』 自分のことだけ考えてちゃダメですね
※このブログはネタバレを含みます。 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズの四作目で完結
-
-
『レディ・プレイヤー1』やり残しの多い賢者
御歳71歳になるスティーブン・スピルバーグ監督の最新作『レディ・プレイヤー1』は、日本公開時
-
-
『ワンダー・ウーマンとマーストン教授の秘密』賢者が道を踏み外すとき
日本では劇場未公開の『ワンダー・ウーマンとマーストン教授の秘密』。DVDのジャケ
-
-
『好きにならずにいられない』 自己演出の必要性
日本では珍しいアイスランド映画『好きにならずにいられない』。エルビス・プレスリーの曲のような
-
-
『今日から俺は‼︎』子どもっぽい正統派
テレビドラマ『今日から俺は‼︎』が面白かった。 最近自分はすっかり日本のエンターテイメ