*

儀式は人生に大切なもの『ディア・ハンター』

公開日: : 最終更新日:2019/06/14 映画:タ行

 

マイケル・チミノ監督の
ベトナム戦争を扱った名作『ディア・ハンター』。

三時間の長尺な上映時間の
一時間丸々使って、
これから出征する登場人物の
結婚式の様子を綴っている。

戦争映画のはずなのに、
なかなか戦場へ行かない。
正直退屈なくらい結婚式の場面が続く。

自分は20代前半まで、
儀式というものを軽んじてきました。
学校の卒業式なども無意味にとらえていたので、
当然成人式も欠席しました。
今となっては後悔してます。

儀式というのは
形式だけのものではないと痛感します。
自分も結婚する頃には心を入れ替え、
結婚式は重要だときちんと挙げました。

結婚式をきちんと挙げたカップルは
離婚率が低くなるらしいですね。
昔からみんながやっていることは
それなりに意味があることみたいです。

誕生・結婚・葬式。
シャガールの題材はこれらに絞られている。
人生にとって儀式は大切。
その儀式で噛み締めるものが、
その後の人生に大きく影響を与える。

先日、娘の卒園式があって、
親が心配するくらい娘が号泣していた。
それをみて親の自分も泣けてくるのだけれど、
彼女はこの「卒園式」という儀式の中で、
自分の人生の一区切りを
じっくり噛み締めているのだと思う。
自分が同じ年齢の頃のスキルを
とうに越えてしまっている。

親を越えてくれていいんです。
親はその儀式を大切にしなかったがゆえに、
人生の出発に遅れをとってしまったのだから、
おなじ轍を踏まないで欲しい。

マイケル・チミノは儀式好き。
『ディア・ハンター』の
延々と続く結婚式の場面は、
その後に続く戦場の地獄絵図を伝えるのに
ものすごい効果的な演出上の計算だったことを、
後になって思い知らされるのです。

 

関連記事

no image

『ドラゴンボール』元気玉の行方

  実は自分は最近まで『ドラゴンボール』をちゃんと観たことがなかった。 鳥山明

記事を読む

no image

『電車男』オタクだって素直に恋愛したかったはず

  草食男子って、 もう悪い意味でしか使われてないですね。 自分も草食系なんで…

記事を読む

no image

『トロールズ』これって文化的鎖国の始まり?

  配信チャンネルの目玉コーナーから、うちの子どもたちが『トロールズ』を選んできた。

記事を読む

no image

『帝都物語』混沌とした世にヤツは来る!!

  9月1日といえば防災の日。1923年の同日に関東大震災で、東京でもたいへんな被害

記事を読む

no image

『ドラえもん のび太の宇宙英雄記』映画監督がロボットになる日

やっとこさ子ども達と今年の映画『ドラえもん』を観た。毎年春になると、映画の『ドラえもん』が公開される

記事を読む

no image

作者を逆感化させた『ドラゴンボールZ 復活の「F」』

  正直に言ってしまうと自分は 『ドラゴンボール』はよく知らない。 鳥山明氏の作

記事を読む

no image

『茶の味』かつてオタクが優しかった頃

もうすぐ桜の季節。桜が出てくる作品で名作はたくさんある。でも桜ってどうしても死のメタファーとして使わ

記事を読む

no image

メジャーだって悪くない!!『ターミネーター2』

  今年の映画業界はビッグネームの続編やリメイク・リブート作で目白押し。離れてしまっ

記事を読む

no image

『ドクター・ストレンジ』アメコミとユダヤ人

流転の民族ユダヤ人は、どこの社会に行っても成功していくらしい。商売上手だったり、仕事ができるのはもち

記事を読む

no image

『ダンサー・イン・ザ・ダーク』顛落の悲劇。自業自得か殉教者か?

  問題作すぎて新作『ニンフォマニアック』の 日本公開も危ぶまれながらもうじき公開

記事を読む

『名探偵ピカチュウ』日本サブカル、これからどうなる?

日本のメディアミックス作品『ポケットモンスター』を原作に、ハリ

『グッド・ドクター』明るい未来は、多様性を受け入れること

コロナ禍において、あらゆる産業がストップした。エンターテイメン

『アナと雪の女王2』百聞は一見にしかずの旅

コロナ禍で映画館は閉鎖され、映画ファンはストレスを抱えているこ

『斉木楠雄のΨ難』生きづらさと早口と

ネット広告でやたらと『斉木楠雄のΨ難』というアニメを推してくる

『コンテイジョン』映画は世界を救えるか?

知らないうちに引退宣言をしていて、いつの間に再び監督業に復帰し

→もっと見る

PAGE TOP ↑