マイケル・チミノ監督の
ベトナム戦争を扱った名作『ディア・ハンター』。

三時間の長尺な上映時間の
一時間丸々使って、
これから出征する登場人物の
結婚式の様子を綴っている。

戦争映画のはずなのに、
なかなか戦場へ行かない。
正直退屈なくらい結婚式の場面が続く。

自分は20代前半まで、
儀式というものを軽んじてきました。
学校の卒業式なども無意味にとらえていたので、
当然成人式も欠席しました。
今となっては後悔してます。

儀式というのは
形式だけのものではないと痛感します。
自分も結婚する頃には心を入れ替え、
結婚式は重要だときちんと挙げました。

結婚式をきちんと挙げたカップルは
離婚率が低くなるらしいですね。
昔からみんながやっていることは
それなりに意味があることみたいです。

誕生・結婚・葬式。
シャガールの題材はこれらに絞られている。
人生にとって儀式は大切。
その儀式で噛み締めるものが、
その後の人生に大きく影響を与える。

先日、娘の卒園式があって、
親が心配するくらい娘が号泣していた。
それをみて親の自分も泣けてくるのだけれど、
彼女はこの「卒園式」という儀式の中で、
自分の人生の一区切りを
じっくり噛み締めているのだと思う。
自分が同じ年齢の頃のスキルを
とうに越えてしまっている。

親を越えてくれていいんです。
親はその儀式を大切にしなかったがゆえに、
人生の出発に遅れをとってしまったのだから、
おなじ轍を踏まないで欲しい。

マイケル・チミノは儀式好き。
『ディア・ハンター』の
延々と続く結婚式の場面は、
その後に続く戦場の地獄絵図を伝えるのに
ものすごい効果的な演出上の計算だったことを、
後になって思い知らされるのです。