*

Someone to watch over me!!『LIFE!』

公開日: : 最終更新日:2019/06/14 映画:ラ行

 

自分が20代のはじめの頃、
正社員で勤めた時の会社の上司に
こう言われました。

「人が直接指摘してこなくとも、
みんなお前の行動を見ている。
10人いたら10人の視点でお前を評価している」

これは40代になった今でも
ずっと心に留まっている言葉。

人に評価されずとも、
自分自身を恥ずかしい人間にしないよう、
客観的に見ても自分が嫌いにならないように
しなければいけない。

この映画『LIFE!』はベン・ステラーが
監督兼主役で作った映画。

主人公は16年間LIFE誌の
ネガ係の仕事を黙々としていた。
突然の会社の合併吸収で、雑誌は廃刊。
仕事を失う危機に至ってしまう。

無くしたネガを探す為に、
妄想ばかりでずっと動かなかった主人公が
旅へと動き出す。

行動しないで現状に甘んじてしまう主人公の姿は、
日本人のほとんどの人にあてはまる。

そんな行動しない人間が、
やっとの思いで動き出し、
今まで納得いかなかったものを
もの凄いスピードでで取り返していく!!

やっとこさ旅に出た主人公も、
動き出しても、何度も
留まるべきか動くべきかの
二つの道を選ぶ岐路に出会います。
でももう動き出した人間は、
留まることは選ばないのです!!

主人公の唯一の特技はスケボー。
ほのかに思いをよせる同僚の息子に
スケボーテクニックをレクチャーするのだが、
カッコ良く決まった瞬間に限って、
同僚の女性はみていない!!

こうして評価されるチャンスを
逃してしまう人っているんですね。
これではどんどん自信がなくなっちゃう。

でも、どんなに冒険をしても、
本当の自分の姿は、必ず誰かがみていて、
誰かの心の中で評価されているものです。

権威を得るとか誉められるとか
そんなカタチにとらわれることには
あまり意味がないことを、この映画は語っています。
その場限りの評価よりももっと大切なこと。

メーテルリンクの『青い鳥』ではないけれど、
大切なことは旅先にあるのではなく、
この今いる足下にすでに存在していたということ。

冒険をしたからこそ気づくことがあります。
等身大ありのままの自分をもっと愛しましょう!

関連記事

no image

『ラストサムライ』渡辺謙の作品選び

  トム・クルーズ主演の日本を舞台にした時代物ハリウッド映画『ラストサムライ』。渡辺

記事を読む

no image

『るろうに剣心』マンガ原作というより、大河ドラマの続編

  自分は実は『るろうに剣心』の マンガもアニメも未見。 でもこの映画を観たいと

記事を読む

『RAW 少女のめざめ』それは有害か無害か? 抑圧の行方

映画鑑賞中に失神者がでたと、煽るキャッチコピーのホラー映画『RAW』。なんだか怖いけど興味を

記事を読む

no image

愛すべき頑固ジジイ『ロボジー』

  2015年のゴールデンウィーク映画で『龍三と7人の子分たち』という映画があって、

記事を読む

no image

『リング』呪いのフォーマットは変われども

『リング』や『呪怨』を作った映画制作会社オズが破産したそうです。 そういえば幼稚園頃の娘が「さ

記事を読む

『リリイ・シュシュのすべて』 きれいな地獄

川崎の中学生殺害事件で、 真っ先に連想したのがこの映画、 岩井俊二監督の2001年作品

記事を読む

no image

『ルパン三世 カリオストロの城』これって番外編だよね?

  『ルパン三世』が30年ぶりに テレビシリーズになるとのことで。 数年前か

記事を読む

no image

『ラ・ラ・ランド』夢をみること、叶えること

ミュージカル映画『ラ・ラ・ランド』の評判は昨年末から日本にも届いていた。たまたま自分は日本公開初日の

記事を読む

『ラストエンペラー オリジナル全長版」 渡る世間はカネ次第

『ラストエンペラー』の長尺版が配信されていた。この映画は坂本龍一さんの有名なテーマ曲の方が先

記事を読む

no image

『ローレライ』今なら右傾エンタメかな?

  今年の夏『進撃の巨人』の実写版のメガホンもとっている特撮畑出身の樋口真嗣監督の長

記事を読む

『アバウト・タイム 愛おしい時間について』 普通に生きるという特殊能力

リチャード・カーティス監督の『アバウト・タイム』は、ときどき話

『ヒックとドラゴン(2025年)』 自分の居場所をつくる方法

アメリカのアニメスタジオ・ドリームワークス制作の『ヒックとドラ

『世にも怪奇な物語』 怪奇現象と幻覚

『世にも怪奇な物語』と聞くと、フジテレビで不定期に放送している

『大長編 タローマン 万博大爆発』 脳がバグる本気の厨二病悪夢

『タローマン』の映画を観に行ってしまった。そもそも『タローマン

『cocoon』 くだらなくてかわいくてきれいなもの

自分は電子音楽が好き。最近では牛尾憲輔さんの音楽をよく聴いてい

→もっと見る

PAGE TOP ↑