*

『ルパン三世 カリオストロの城』これって番外編だよね?

公開日: : 最終更新日:2019/06/13 アニメ, 映画:ラ行

 

『ルパン三世』が30年ぶりに
テレビシリーズになるとのことで。

数年前からイタリアのフィアット社が
『ルパン三世』の新作を作りたいと
名乗りをあげているウワサは耳にしていましたが、
当時は実写版にしたいとのことで頓挫。
ここで結実したのかも知れません。

テレビで放送するたび高視聴率がでる
『ルパン三世 カリオストロの城』。
自分も子どもの頃、さんざっぱら観てきた。
なんだかテレビ版と絵が違うな~
とは思いながらも、
子どもなのでそれほど気にしていなかった。
ウチの小さな子ども達が
「観たい」というので再鑑賞。
ちょっとウチでは『ルパン三世』は
避けてきたところがある。

子どもたちの目的は、
ジブリでおなじみのお姫様がでてくるから。

とにかくこの作品は『ルパン三世』ではなく、
スタジオジブリ作品といっていいだろう。

キャラクターデザインも宮崎アニメだし、
登場人物達が異様に優しい。
不二子は完全に脇役だし、
エロスよりも清純である
クラリスがヒロインなのをみると、
宮崎駿監督は峰不二子が嫌いなんだな~と感じる。

結局この作品は、モンキーパンチ氏の描く
『ルパン三世』ではなく、
同じキャラクターは出てくるものの、
性格は全く別物の
パラレルワールドの番外編なのだろう。

『ルパン三世』の原作ファンからはよく聞く声。
「『カリ城』は確かに面白いけれど、
宮崎作品として面白い。ルパンとはちと違う」

要は『ルパン三世』が人気があるというより、
宮崎アニメをみんな好きといったところ。

悪役以外は登場人物はみんないい人
それがみんなが観たいものなんだとすると、
観客がいかに疲れていて弱っているかと感じる。

ルパン三世は大泥棒で悪いヤツ。
不二子は金の亡者でしたたか。
どうやらみんな
このドライさには耐えられないみたいね。

このドライな関係が『ルパン三世』の
本来の世界観で魅力。
『ルパン三世』の新作を作る時は
この『カリオストロの城』は作風として
踏襲してしまうと残念ながら
『ルパン三世』らしさがなくなってしまう。

さて新シリーズはどうなることやら?

 

関連記事

『犬ヶ島』オシャレという煙に巻かれて

ウェス・アンダーソン監督の作品は、必ず興味を惹くのだけれど、鑑賞後は必ず疲労と倦怠感がのしか

記事を読む

『花束みたいな恋をした』 恋愛映画と思っていたら社会派だった件

菅田将暉さんと有村架純さん主演の恋愛映画『花束みたいな恋をした』。普段なら自分は絶対観ないよ

記事を読む

『火垂るの墓』 戦時中の市井の人々の生活とは

昨日、集団的自衛権の行使が容認されたとのこと。 これから日本がどうなっていくのか見当も

記事を読む

『ルックバック』 荒ぶるクリエーター職

自分はアニメの『チェンソーマン』が好きだ。ホラー映画がダメな自分ではあるが、たまたまSNSで

記事を読む

no image

『ジャングル大帝』受け継がれる精神 〜冨田勲さんを偲んで

  作曲家の冨田勲さんが亡くなられた。今年は音楽関係の大御所が立て続けに亡くなってい

記事を読む

no image

『東のエデン』事実は小説よりも奇なりか?

  『東のエデン』というテレビアニメ作品は 2009年に発表され、舞台は2011年

記事を読む

no image

何が来たってへっちゃらさ!『怪盗グルーのミニオン危機一発』

  世界のアニメ作品はほぼCGが全盛。 ピクサー作品に始まり、 母体であるディズ

記事を読む

no image

『カーズ/クロスロード』もしかしてこれもナショナリズム?

昨年2017年に公開されたピクサーアニメ『カーズ/クロスロード』。原題はシンプルに『Cars 3』。

記事を読む

no image

『ピーターパン』子どもばかりの世界。これって今の日本?

  1953年に制作されたディズニーの アニメ映画『ピーターパン』。 世代を

記事を読む

『ゴーストバスターズ』ファミリー向け映画求む!

ずっと頓挫し続けてた『ゴーストバスターズ』の新作が、今年の夏公開される。ものごとって決まった

記事を読む

『たかが世界の終わり』 さらに新しい恐るべき子ども

グザヴィエ・ドラン監督の名前は、よくクリエーターの中で名前が出

『動くな、死ね、甦れ!』 過去の自分と旅をする

ずっと知り合いから勧められていたロシア映画『動くな、死ね、甦れ

『チェンソーマン レゼ編』 いつしかマトモに惹かされて

〈本ブログはネタバレを含みます〉 アニメ版の『チ

『アバウト・タイム 愛おしい時間について』 普通に生きるという特殊能力

リチャード・カーティス監督の『アバウト・タイム』は、ときどき話

『ヒックとドラゴン(2025年)』 自分の居場所をつくる方法

アメリカのアニメスタジオ・ドリームワークス制作の『ヒックとドラ

→もっと見る

PAGE TOP ↑