『サマーウォーズ』 ひとりぼっちにならないこと
昨日15時頃、Facebookが一時的にダウンした。
なんでもハッカー集団によるものだったらしい。
SNSなんてあってもなくても
人間的生活にはあまり関係がないはずなのに、
いつの間にかヒマがあればスマホを
のぞいたりする習慣がついてしまった。
でもこの行動にあまり意味はない。
だからFacebookがつながらないのなら、
他の事しようとすぐ気持ちが変わる。
SNS上の溢れんばかりの情報に溺れると、
なんとなく人とコミュニケーションを
とったように錯覚するが、
結局ひとりぼっちで画面に向かっているだけ。
ネットの交流と、実際に人と会って話すのとでは
自分の体に異なった影響を与えているのを感じる。
ネットの交流は、ただただ疲れて、
イライラも募りだすのに対し、
人と実際に話をすると、
それはそれで疲れるのだが、
なにか清々しい疲労だったりする。
悩み事がある場合、
誰かに聞いてもらうだけで
意見をもらわずとも殆ど解決してしまう
なんて経験もよくある。
人と人とが会話をすることで、
なにかお互いの脳にプラスになるものが
無意識のうちに発生しているのかも知れません。
『サマーウォーズ』は、
いま新作を発表すれば、
どれも話題作になる細田守監督作品。
昨今の日本作品にしては珍しく、
原作なしのオリジナルストーリー。
細田監督の名匠ぶりを確定づけた作品。
案外自分の周りの女性から評判が悪かった。
主人公の女の子が、自分がモテてるのをわかっていて
男の子たちを利用している姿が不快だったのか?
この映画、小津安二郎映画と
ハリウッド映画『マトリックス』が
足して二で割ったような作品。
相反するハイテクとアナログ両者の
魅力について大いに考えさせられる。
それこそ名前が『OZ』というバーチャル空間に
その人のすべての情報が入力されて、
それがハッキングされれば、
その人のアイデンティティーが
すべて盗まれてしまうという、
実際に起こりかねない話。
主人公の家は名家の大所帯。
アニメとは思えないくらい、
いち画面の中に大勢が配置される。
良い映画の条件に、
同年代の人ばかりが出てこないこと
というのがあげられる。
この作品はあらゆる年代が登場する
アニメとてはホントに珍しい作品。
この作品のテーマは
「ひとりぼっちにならないこと」。
人間、ひとりになるとロクなこと
考えないものです。
誰かと話す事で、ネガティブな思考も
ポジティブに変換される。
どんなに科学やITが進化しても、
こんなものは生き物の歴史の中に
そもそもなかったもの。
本来なくても良いものなのかもしれない。
むしろそんなもの長時間触れる事による
悪い副作用が、これから見えてくるでしょう。
人と人とが会話をする事に
よって生まれる治癒効果。
自分はこれを信じたい。
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