*

『ゴーストバスターズ(2016)』クリス・ヘムズワースに学ぶ明るい生き方

公開日: : 最終更新日:2019/06/11 映画:カ行, 映画館

アイヴァン・ライトマン監督作品『ゴーストバスターズ』は80年代を代表するブロックバスタームービー。自分も子どもの頃、夢中になって何度も観た。パート2もできたけど、そっちはなんとなく今まで観ずにいた。パート3を作る作らないと言ってるうちに、ゴーストバスターズのメンバーのひとりハロルド・ライミスが亡くなってしまった。なのでメンバーを全員女性に入れ替えて、リブート企画が始まった。

このリブート映画を観た人からは、口を揃えて「面白かった」との声が聞こえてきた。でもアメリカではバッシングの嵐。ウチも子どもたちが観たがっていたので、どうしようか考えているうちに、早々に上映が終わってしまった。客入りはイマイチだったのか。

ブルーレイになったのでやっと観たら、やっぱり面白かった! ウチの子たちも、きゃあきゃあ怖がりながら喜んでた。このリブート『ゴーストバスターズ』も、続編もつくる気マンマンの展開。旧メンバーのカメオ出演もあったけど、前作知らなくたって大丈夫。ビル・マーレーの出番が意外と多かったのにビックリ。吹替版で観たら、声優さんが一緒だった。細かい配慮。作品の敷居はいたって低い。それが旧来のファンには受け入れられなかったのかしら?

ゴーストバスターズのメンバーで、白人女性はみな科学者だけど、唯一の黒人メンバーだけが地下鉄員からの転職だった。それが差別だと感じた人がいたらしい。白人のゴーストバスターズメンバーは、リケジョでオタク。イケてないけど、やっぱり才女。黒人女性だけなぜ?ってルサンチマンな感覚だけど、高学歴を得られるのはやはり裕福な家庭環境あってのこと。差別というよりは、残酷な現実。経済力でその人の可能性に制限がかかってしまうのは社会問題としてとらえられる。

この新ゴーストバスターズでいちばん気になる登場人物は、クリス・ヘムズワースが演じる事務受付担当のケヴィン。この人、仕事なんにもできないの。電話応対すらできない。「ウェブかじってたからコーポレートロゴ考えてきた」なんて、どんなロクでもないデザイン見せられるのかと、期待に胸膨らませられちゃう。じゃあなんでこんな使えない人が採用されたかというと、ルックスがサイコーにイケメンだったから。

仕事ができない男なんて、普通だったら嫌われちゃう。でも人は見た目が9割。見た目だけで採用しちゃうゴーストバスターズの彼女たちも、やっぱりダメダメってこと。

ダメダメな女ゴーストバスターズに、歯がゆさを感じる男性観客も多いことだろう。でもこれ、男女逆転して考えればまったく平生普段の社会の縮図と変わらない。美人というだけで、仕事がなにもできないのに成り上がる人なんてざら。同性からは嫌われてるけど、異性からは異常にウケが良い。そういうタイプの人の努力は、仕事のスキルアップはなく、見栄えを磨くこと。それはそれで努力して頑張っている。

ダメダメなケヴィンは、ゴーストバスターズの足をひっぱってばかり。でもケヴィン、それほど悪いヤツじゃない。だからこそ女ゴーストバスターズは、ケヴィンを守ろうとゴーストたちと戦うのだ!

ケヴィン演じるクリス・ヘムズワースは、キラッキラ輝いてる! 彼の代表作『マイティ・ソー』もしのぐくらいのインパクト。ダメ男だって、明るい性格ならたくさん味方ができる。ケヴィンはそうやって今まで世渡りしてきたのだろう。

そういえば『マイティ・ソー』は、一作目では自分の王国を追放されて、地球に島流しされる。ボロボロで身寄りもないのに「俺は王だ!」と威厳を失わない。頭のおかしな男にしかみえないんだけど、明るく堂々としている彼に、自然と仲間ができてくる。ガールフレンドもすぐできちゃう。ボロを着てても、「これオシャレなんじゃないか?」と感じさせてしまう。追放された王なんて、アジアの作品だったらきっとメソメソしちゃうだろうな。

楽観的な人は、ものごとを暗く考えない。悲観的な考えも、所詮妄想にすぎないから。考えてもしょうがないことは、最初から考えない。悲観的妄想を、潜在的にシャットアウトしてしまうのも才能だ。パラノイアに陥るどころか、鬱にもなりそうもない。人からバカにされようと笑われようと、自分が楽しく生きられるならささいなことだ。明るく楽しく生きている人は魅力的にみえる。自ずと人生が好転してくるのは当たり前。

ケヴィンに乗り移ったゴーストが、「この鍛え抜かれた身体は、なんてラクなんだ!」と語る。あの厚い胸板や六つに割れた腹筋は、1日では成らず。体も軽くなれば、考え方だって軽くなる。こりゃあ本気で身体を鍛えるところから始めた方が良さそうだ。

関連記事

『鬼滅の刃』親公認!道徳的な残虐マンガ‼︎

いま、巷の小学生の間で流行っているメディアミックス作品『鬼滅の刃』。我が家では年頃の子どもが

記事を読む

no image

『嫌われ松子の一生』道から逸れると人生終わり?

  中島哲也監督の名作である。映画公開当時、とかく中島監督と主演の中谷美紀さんとが喧

記事を読む

『カメラを止めるな!』虚構と現実、貧しさと豊かさ

春先に日テレ『金曜ロードSHOW!』枠で放送された『カメラを止めるな!』をやっと観た。ずいぶ

記事を読む

no image

『Shall we ダンス?』まじめなだけじゃダメですか?

  1996年の周防正行監督の名作コメディ『Shall we ダンス?』。これなら子

記事を読む

no image

『グレムリン』30周年。洋画デビューの思い出深い作品。

  妻がギズモのTシャツを買ってきた。 小さなウチの子どもたちは 「カワイイ!

記事を読む

no image

『がんばっていきまっしょい』青春映画は半ドキュメンタリーがいい

  今年はウチの子どもたちが相次いで進学した。 新学年の入学式というのは 期待と

記事を読む

no image

『async/坂本龍一』アートもカジュアルに

  人の趣味嗜好はそうそう変わらない。 どんなに年月を経ても、若い頃に影響を受

記事を読む

no image

『聲の形』頭の悪いフリをして生きるということ

自分は萌えアニメが苦手。萌えアニメはソフトポルノだという偏見はなかなか拭えない。最近の日本のアニメや

記事を読む

no image

『クラッシャージョウ』ガラパゴス前夜にて

  アニメ映画『クラッシャージョウ』。1983年の作品で、公開当時は自分は小学生だっ

記事を読む

no image

『幸せへのキセキ』過去と対峙し未来へ生きる

  外国映画の日本での宣伝のされ方の間違ったニュアンスで、見逃してしまった名作はたく

記事を読む

『ハンナ・アーレント』考える人考えない人

ブラック企業という悪い言葉も、すっかり世の中に浸透してきた。致

『鬼滅の刃』親公認!道徳的な残虐マンガ‼︎

いま、巷の小学生の間で流行っているメディアミックス作品『鬼滅の

『名探偵ピカチュウ』日本サブカル、これからどうなる?

日本のメディアミックス作品『ポケットモンスター』を原作に、ハリ

『グッド・ドクター』明るい未来は、多様性を受け入れること

コロナ禍において、あらゆる産業がストップした。エンターテイメン

『アナと雪の女王2』百聞は一見にしかずの旅

コロナ禍で映画館は閉鎖され、映画ファンはストレスを抱えているこ

→もっと見る

PAGE TOP ↑