*

『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』 ヒーローは妻子持ちNG?

公開日: : 最終更新日:2021/05/11 アニメ, 映画:カ行

今年は『機動戦士ガンダム』の35周年。
富野由悠季監督による新作
『ガンダム Gのレコンギスタ』も準備中。
来年は『The ORIGINE』と未だ新作が目白押し。

この『逆襲のシャア』では、
主人公アムロと宿敵シャアの恋物語に
終止符を打つ完結編となっている。

当初の企画ではアムロには前シリーズからの
恋人・ベルトーチカと続いており、
二人の子どもを妊娠中という設定だった。

ヒーローが父親になるのは
イヤだとスタッフの声があがり、
アムロは女性を転々としていることとなった。

ライバルのシャアも作品ごとに
違うパートナーがいる。

当時反対したスタッフも皆若かったのでしょう。
独身貴族(死後)がカッコいいと思っていたのでしょうね。

アムロは妻子持ち、シャアは独身貴族となっていれば、
男の人生のあり方も様々となり、ライバルとして対照的な
演出効果になったと思います。

富野監督はどうしても納得がいかなかったのでしょう。
『ベルトーチカ・チルドレン』という
アムロが妻子持ちになるパラレルストーリーの
小説版を発表しています。

彼らはヒーローなので、
女性にモテてくれなくてはいけません。

自分はこれをみた10代半ばのとき、
男の人生は独身貴族で
女性を転々とするものと信じてしまいました。

アムロとシャアは本質的には女性に興味がなく、
男同士のホモソーシャルに没入している感がするのは、
決まった相手を選べないところにも表れています。

今生涯未婚率がどんどん上がったのも、
こういった刷り込みが影響しているかと
思うのはちと言い過ぎか?

ちょっと前までは、
人はある程度の年齢に達したら
結婚をするものでした。
それが現代は変わりつつあります。

生涯未婚率アップ。少子化。
ちっともいいことではありません。

もしかしてアムロが妻子持ちだったら、
今の日本も違った状態だったのかしら?

妻子持ちになることは
カッコわるい選択ではないと思うんですけどね。

関連記事

『赤毛のアン』アーティストの弊害

アニメ監督の高畑勲監督が先日亡くなられた。紹介されるフィルモグラフィは、スタジオジブリのもの

記事を読む

『きみの色』 それぞれの神さま

山田尚子監督の新作アニメ映画『きみの色』。自分は山田尚子監督の前作にあたるアニメシリーズ『平

記事を読む

『リアリティのダンス』ホドロフスキーとトラウマ

アレハンドロ・ホドロフスキーの23年ぶりの新作『リアリティのダンス』。ホドロフスキーと言えば

記事を読む

no image

『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』集え、 哀しい目をしたオヤジたち!!

  『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』はマーベル・ユニバースの最新作。『アベン

記事を読む

『もののけ姫』女性が創る社会、マッドマックスとアシタカの選択

先日、『マッドマックス/怒りのデスロード』が、地上波テレビ放送された。地上波放送用に、絶妙な

記事を読む

『ソウルフル・ワールド』 今そこにある幸福

ディズニープラスを利用し始めた。小学生の息子は、毎日のように自分で作品を選んで楽しんでいる。

記事を読む

『チェンソーマン』 サブカル永劫回帰で見えたもの

マンガ『チェンソーマン』は、映画好きにはグッとくる内容だとは以前から聞いていた。絵柄からして

記事を読む

『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー volume 3』 創造キャラクターの人権は?

ハリウッド映画のスーパーヒーロー疲れが語られ始めて久しい。マーベルのヒーロー映画シリーズMC

記事を読む

『攻殻機動隊 GHOST IN THE SHELL』 25年経っても続く近未来

何でも今年は『攻殻機動隊』の25周年記念だそうです。 この1995年発表の押井守監督作

記事を読む

no image

『カールじいさんの空飛ぶ家』憐憫の情を脱せなければ、ドラマは始まらない。

  ディズニーアニメの最新作『ベイマックス』が 予告編とあまりに内容が違うと話題に

記事を読む

『ウェンズデー』  モノトーンの10代

気になっていたNetflixのドラマシリーズ『ウェンズデー』を

『坂の上の雲』 明治時代から昭和を読み解く

NHKドラマ『坂の上の雲』の再放送が始まった。海外のドラマだと

『ビートルジュース』 ゴシック少女リーパー(R(L)eaper)!

『ビートルジュース』の続編新作が36年ぶりに制作された。正直自

『ボーはおそれている』 被害者意識の加害者

なんじゃこりゃ、と鑑賞後になるトンデモ映画。前作『ミッドサマー

『夜明けのすべて』 嫌な奴の理由

三宅唱監督の『夜明けのすべて』が、自分のSNSのTLでよく話題

→もっと見る

PAGE TOP ↑