*

桜をみると思い出す『四月物語』

公開日: : 最終更新日:2019/06/14 映画:サ行

 

4月、桜の季節ということと、
主演の松たか子さんが
第一子誕生ということで、
岩井俊二監督の『四月物語』。

桜の季節、大学に進学のため上京してきた
松たか子さん演じる女学生の
事件が全く起こらない日常を描いた作品。

事件が起こらない、
これといった大きなエピソードがないのに
なんとなくみせてしまうのは岩井監督の妙。
もしかしたら『けいおん!』のような
『日常系』のハシリだったのかも知れない。

岩井俊二監督が出てくるまでは、
アイドル映画は泥臭くてダサいものだった。
(今も同じか?)
それがハイテク映像で、
ヨーロッパのアート映画のような
淡々としたオシャレな演出なのが新鮮だった。

今の若い子向け映画のスタイルは
だいたいこの頃の岩井俊二監督の
スタイルに決まってしまったように思える。

本作は完全に自主映画で、
松たか子さんの『I STAND ALONE』のPV撮影と
同時進行で行われ、
発表当時は「制作快調。上映館募集」なんて
テロップがでていたくらい。

この頃、松さんはトレンディドラマでも人気で、
この映画ではドラマとは違った演技をみせてくれて、
役者さんてやっぱりスゴいな~と感じておりました。

ロケ地は桜の名所の国立とかがメインで、
自分は吉祥寺で生まれ、
この映画の公開されてた頃は立川に住んでいたので、
とてもゆかりのある地で撮影されていました。

そんなこんなで、桜をみると、
この映画の桜吹雪の映像をすぐ思い出してしまう。

この頃女学生役だった松たか子さんも
ママになるのだから、
時の流れは感慨深いものです。

子どもの頃みていた桜と
子どもをもってからの桜は、
感じるものが変わってくるものです。

 

関連記事

no image

『一九八四年』大事なことはおばちゃんに聞け!

『一九八四年』はジョージ・オーウェルの1949年に発表された、近未来の完全管理社会を描いたディストピ

記事を読む

no image

『シン・レッド・ライン』美しい場所ほど悲惨な戦場だったりする

    自然が美しい場所ほど、過去に激戦地だったりする。 とこく今

記事を読む

『シンドラーのリスト』極端な選択の理由

テレビでナチスのホロコースト虐殺の特集を放送していた。なんでも相模原の養護施設で大量殺人をし

記事を読む

『ショーイング・アップ』 誰もが考えて生きている

アメリカ映画の「インディーズ映画の至宝」と言われているケリー・ライカート監督の『ショーイング

記事を読む

『下妻物語』 若者向け日本映画の分岐点

台風18号は茨城を始め多くの地に甚大なる被害を与えました。被害に遭われた方々には心よりお見舞

記事を読む

no image

『ソーシャル・ネットワーク』ガキのケンカにカネが絡むと

  ご存知、巨大SNS・Facebookの創始者マーク・ザッカーバーグの自伝映画。

記事を読む

『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』ディズニー帝国の逆襲

自分は『スター・ウォーズ』が大好きだ。小学1年のとき、アメリカで『スター・ウォーズ』という得

記事を読む

『斉木楠雄のΨ難』生きづらさと早口と

ネット広告でやたらと『斉木楠雄のΨ難』というアニメを推してくる。Netflix独占で新シーズ

記事を読む

『呪術廻戦』 邪悪で悪いか⁉︎

アニメ映画『呪術廻戦0』のアマプラ独占配信の予告を観て、『呪術廻戦』をぜんぶ観たくなった。実

記事を読む

no image

『ジュラシック・ワールド』スピルバーグの原点回帰へ

  映画『ジュラシック・ワールド』は、とても楽しいアトラクションムービーだった。大ヒ

記事を読む

『ツイスター』 エンタメが愛した数式

2024年の夏、前作から18年経ってシリーズ最新作『ツイスターズ』

『オオカミの家』考察ブームの追い風に乗って

話題になっていたチリの人形アニメ『オオカミの家』をやっと観た。

『マッシュル-MASHLE-』 無欲という最強兵器

音楽ユニットCreepy Nutsの存在を知ったのは家族に教え

『太陽を盗んだ男』 追い詰められたインテリ

長谷川和彦監督、沢田研二さん主演の『太陽を盗んだ男』を観た。自

『ルックバック』 荒ぶるクリエーター職

自分はアニメの『チェンソーマン』が好きだ。ホラー映画がダメな自

→もっと見る

PAGE TOP ↑