*

『猿の惑星: 創世記』淘汰されるべきは人間

公開日: : 最終更新日:2015/11/08 ドラマ, 映画:サ行,

t02200147_0382025513070565900

『猿の惑星:創世記』。
もうじき日本でも本作の続編にあたる
『猿の惑星:新世紀』が公開される。

果たして70年代に作られた『猿の惑星』シリーズの
続編にあたるのかリブート作にあたるのか、
公開当時は作品の位置づけがよくわからなかったが、
続編が作られると言う事は、
リブート作と解釈してよさそう。

久しぶりにメッセージ性の強い
SF娯楽映画で、とても面白かった。
SF作品はこういった社会風刺性がないと物足りない。

若い科学者が父親のアルツハイマーを
治そうとして新薬を猿に実験台にする。
この新薬発明には成功をみるが、
実験台にされた猿は、
人間よりも高い知能を身につけていくという
前シリーズからの説得力のある新解釈。

もうそれだけでSFとして面白い。

知性を身につけていく猿のシーザーの姿は
ダニエルキイスの『アルジャーノンに花束を』の
白痴の青年を彷彿とさせる。

猿のシーザーの知性ある表情の
CG演技にはうならされます。

そしてここで描かれているのは差別問題。

人間は新猿類(?)よりも無知にみえ、
彼らを低レベルに迫害します。
本当に人間が憎らしく見え、
猿たちが反乱を起こす様は爽快感さえある。

人間は他の生き物や地球に対して横暴すぎた。

ここ最近、未曾有の災害が
世界のあちこちで発生しているのは、
もしかしたら地球規模の意思が、
人間を粛正しようとしているのでは
と脅威すら感じてしまう。

人間は私利私欲のために何をしていたのか、
本気で見返らなければいけないのかもしれません。

地球や宇宙規模からすると、
人間はただのバクテリアにすぎず、
もっとも淘汰されるべき存在なのかも知れません。

今だからこそのテーマ性。
制作者のセンスを感じます。


関連記事

『村上さんのところ』村上春樹の人間力

人気小説家の村上春樹さんと 読者の交流サイト『村上さんのところ』が 話題になっている。

記事を読む

『コウノドリ』で子どもへの目が優しくなれば…… その1

自分はすっかりテレビドラマを観ることがなくなってしまった。というか結婚して子どもができてから、ろ

記事を読む

『サウルの息子』みせないことでみえてくるもの

(C) 2015 Laokoon Filmgroup[/caption] カンヌ映画祭やアカ

記事を読む

『坂本龍一×東京新聞』目先の利益を優先しない工夫

「二つの意見があったら、 人は信じたい方を選ぶ」 これは本書の中で坂本龍一さん (

記事を読む

『あしたのジョー』は死んだのか?

先日『あしたのジョー』の主人公矢吹丈の ライバル・力石徹役の仲村秀生氏が亡くなりました。

記事を読む

『ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない』ブラックって?

ネット上の電子掲示板『2ちゃんねる』に たてられたスレッドを書籍化した 『ブラック会社に

記事を読む

『バンカー・パレス・ホテル』フランス人と日本人の文化的嗜好は似てる

ダメよ~、ダメダメ。 日本エレキテル連合という 女性二人の芸人さんがいます。 白塗

記事を読む

自国の暗部もエンタメにする『ゼロ・ダーク・サーティ』

アメリカのビン・ラディン暗殺の様子を スリリングに描いたリアリスティック作品。 冒頭

記事を読む

『君たちはどう生きるか』誇り高く生きるには

今、吉野源三郎著作の児童文学『君たちはどう生きるか』が話題になっている。 引退撤回宣言

記事を読む

『モモ』知恵の力はディストピアも越えていく

https://ja.wikipedia.org[/caption] ドイツの児童作家ミヒャ

記事を読む

『風と共に去りぬ』時代を凌駕した人生観

小学生の娘が突然、映画『風と共に去りぬ』が観たいと言い出した。

『光とともに…』誰もが生きやすい世の中になるために

©戸部けいこ・秋田書店[/caption] 小学生の娘が、学校

『ゲゲゲの女房』本当に怖いマンガとは?

水木しげるさんの奥さんである武良布枝さんの自伝エッセイ『ゲゲゲ

『チャーリーとチョコレート工場』歪んだ愛情とその傷

映画が公開されてから時間が経って、その時の宣伝や熱狂が冷めたあ

『ドラゴンボール』元気玉の行方

http://www.maniado.jp/community/ne

→もっと見る

PAGE TOP ↑