NHKの視聴率稼ぎの看板番組といえば
『大河ドラマ』と『朝の連続テレビ小説』。

『大河ドラマ』は相変わらず低迷気味だけれど、
『朝ドラ』はこの『あまちゃん』から
ずっと高視聴率を稼ぎ、人気返り咲きしてる。

『あまちゃん』の作者は宮藤官九郎さん。
サブカルの代表と言った感じの彼の作風が
果たして『朝ドラ』でどう開花するのか、
期待と不安の中、すっかり国民的な番組となった。

震災の後から日本はずっと自粛ブームで、
笑いが足りなさ過ぎた。
そんな日本人の欲求を満たしてくれる、
良質なコメディ作品となった。

『朝ドラ』は女一代記の物語で、
女性の一生を描く作品が多いのだけれど、
この『あまちゃん』は3年くらいの出来事を綴ってる。

よくみると、主人公の少女・アキちゃん、
海女さんからアイドルになったりと
職業こそは変化しているのだけれど、
実は彼女自身はなにもしてないのね。

本当に物語を動かしているのは、
主人公の少女の周りにいるオジサン、オバサンたち。

アイドルが題材になって、
可愛い女の子が出ているから、
普段『朝ドラ』を観ない層も引き込んだのだけれど、
いちばん活躍してるのはジジババ。

クドカンも若い女の子には
あんまり興味がなかったんでしょうね。
それが普段『朝ドラ』を観てる
おじいちゃん、おばあちゃんたちにも
認められた理由でしょう。

前半は岩手での海女さん編、
後半は東京でアイドル編。
そして最終章は震災編。

ずっとほのぼのとしたコメディだったのが、
日本人の多くが経験した「あの日」を
クライマックスに向かえます。

明るいコメディで、視聴者みんなが
登場人物達を好きになっていたころ、
このたいへんな災害をどう描いていくのか?

クドカンのセンスが活きました。
見事な演出でした。
「あの日」の映像を一切使わずに
「あの日」の記憶を追体験させました。

クドカンの作風を
マネしようとする人は大勢います。
でもみんなマネできないんですね。

実は彼の作品は、ふざけているようでいて、
とっても真面目なのです。

真面目で覚悟があった上でのコメディなので、
悲惨な事件が起こっても、作風がブレたりしない。

いやむしろたいへんな事態の時こそ
笑いをみつけるユーモアが必要なのです。
これは豊かな人生を送るための
重要な秘訣だったりもします。

覚悟を決めて生きていれば
多少の悲惨な事象が起こったとしても
ちょっとやそっとじゃブレないものです。