映画『そして父になる』は気になる作品。
自分も父親だから。

6年間育てていた自分の息子は
実は他人の子だったというお話。

是枝裕和監督の作品は疲れる。
どのシーンにも緊張感がはしり、流し観ができない。
冒頭のお受験にシーンから、ぐったりする。

それが好きか嫌いか分かれるところでしょう。

福山雅治演じる良多は、エリートサラリーマン。
本人もスノビッシュで、正直いい人とは言いがたい。

自分の息子が、
よその家の子のとりちがいだとわかり、
良多は半ば強引に、ある決断をします。

「自分ならどうする?」、
「この家族はどうなっちゃうんだろう?」と、
たえず考えながらの鑑賞です。

演出が丁寧に描かれているので、
観る方は納得しながら、物語についていけます。

物語が進むにつれ、
良多が少しずつ変わっていくのです。
もちろん最後は号泣必至!!

良多は間違った選択をしたように見えるけど、
実は必要な経験だったというお話です。
どんな選択をするのかは、ネタバレなので書きませんね。

是枝監督の話によると、
実際に子どものとり違い事件では、
良多と同じ選択をして、
そのまま進んでしまうケースの方が圧倒的に多いそうです。
映画を観た後では意外に感じます。

映画に出てくる子ども達がホントにかわいい!!
この映画の是枝監督の作品は、
どの作品でもいつも子ども達が良い!!

なんでも子ども達には台本は渡さなかったらしいです。
その場で、大人達の演技をみての素直なリアクション。
それでも映画になっちゃうんだから凄い!!

大人の役者からは、
子どもがどう返してくるかわからないので、
演技プランもあまりできないだろうし、
ちょっとしたエチュードといったところでしょう。

そして子どもにとっては、
お題が分からずに状況に合わせていくので、
ドキュメンタリーといったところ。

こういった実験的な演出が、
是枝組では当然となっているのだから、
不思議空間です。

子どもを持つ身としては、
子役の子どもが良い演技をする場面ではいつも
「演技」と言う名の「虐待」を想像してしまいます。

子どもの演技にストレスを感じさせない
是枝演出の見事な手法です。

カンヌで評判が良かったのも納得です。