『ワールド・ウォーZ』ゾンビものとディザスターもののイノベーション
ブラッド・ピットが自ら製作も手がけた
映画『ワールド・ウォーZ』。
ゾンビものとディザスターものを
ミックスさせた映画。
突如として疫病のごとく
ゾンビが世界中に蔓延し、
逃げ、闘い、退治方法をみつける。
新ジャンルを築こうと意欲を感じる。
ただ残念ながら、まだ完全に方向性が
煮詰まりきっていない感がしました。
ゾンビものにしては怖くない。
ディザスターものにしては臨場感がない。
アイディアはとてもいいので残念。
良質な作品は、いたって元ネタがあって、
元ネタエッセンスのパッチワークが絶妙だと
名作となって語り継がれる。
そもそも映画のアイディアで、
誰も観たことがないものが実現することはない。
映画製作には多くの人とお金が絡んできます。
それらの関わる人全員が、
まだ観ぬ世界観の作品へ向かう事はできません。
前例の作品のあの部分とこの部分とと、
指定していくのがいちばん効率的。
発明と言うよりは、
既存のアイディアを繋ぎ合わせて
新しいものにイノベーションしていく。
本作は結果として、
イノベーションに成功したとは言いがたいけど、
この布石で新たな作品が生まれる可能性が
高まった気がします。
どうやら原作とは別物らいしいこの映画版。
制作者たちは、大冒険はしているのでしょう。
この冒険が今後のハリウッド映画に
どう影響を与えるか期待します。
関連記事
-
-
『おやすみなさいダース・ヴェイダー』SWファンもすっかりパパさ
ジェフリー・ブラウン著『おやすみなさいダース・ヴェイダー』。 スターウォーズの
-
-
『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』 特殊能力と脳障害
いま中年に差し掛かる年代の男性なら、小学生時代ほとんどが触れていた『機動戦士ガンダム』。いま
-
-
『復活の日』 日本が世界をみていたころ
コロナ禍になってから、ウィルス災害を描いた作品が注目され始めた。小松左京さん原作の映画『復活
-
-
『真田丸』 歴史の隙間にある笑い
NHK大河ドラマは近年不評で、視聴率も低迷と言われていた。自分も日曜の夜は大河ドラマを観ると
-
-
『THE FIRST SLAM DUNK』 人と協調し合える自立
話題のアニメ映画『THE FIRST SLAM DUNK』をやっと観た。久しぶりに映画館での
-
-
『勝手にふるえてろ』平成最後の腐女子のすゝめ
自分はすっかり今の日本映画を観なくなってしまった。べつに洋画でなければ映画ではないとスカして
-
-
『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』 言わぬが花というもので
大好きな映画『この世界の片隅に』の長尺版『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』。オリジナル
-
-
『猿の惑星:新世紀』破滅への未来予測とユーモア
2011年から始まった『猿の惑星』のリブートシリーズ第二弾にあたる『猿の惑星:新
-
-
『マッシュル-MASHLE-』 無欲という最強兵器
音楽ユニットCreepy Nutsの存在を知ったのは家族に教えてもらってから。メンバーのDJ
-
-
『斉木楠雄のΨ難』生きづらさと早口と
ネット広告でやたらと『斉木楠雄のΨ難』というアニメを推してくる。Netflix独占で新シーズ