*

『塔の上のラプンツェル』 深刻な問題を明るいエンタメに

公開日: : 最終更新日:2021/08/17 アニメ, 映画:タ行

大ヒット作『アナと雪の女王』もこの
『塔の上のラプンツェル』の成功なしでは
企画すら通らなかったと思います。

ディズニーは自社の制作アニメは
最近までパッとせず、以前クビにした
ジョン・ラセターのピクサースタジオを買収し、
彼をスーパーバイザーにして、
なんとかして起死回生を狙っていた。

明るくて可愛い女の子が
冒険していくプリンセスもの。

ディズニーの定番を踏襲しながらも、
プリンセスを迎えにくる若い男は泥棒だったりして、
チョイワルなところが現代的。

グリム童話を原作とした本作。
グリムの話なので、基本はドロドロした
心情が見え隠れしている。

本作ではラプンツェルと継母の関係。
継母はラプンツェルを幼少時にさらって育てた魔女。

継母は下界は危険だからと、娘を塔の上に幽閉する。
ラプンツェルの魔法の髪が治癒力を持っているので、
その力を独占したいためだ。

親の都合で子どもを
自立させまいとする親がたまにいる。

どんな理由があれど、
子どもはいつか親元を巣立つのが自然。
子どもを外に出すまいとする親は、
なにがしかの問題があると思う。

親の言っていることが
必ずしも正しいとは限らない。

子どもはいつか気づくのです。
絶対的であった親の存在も、
実は大したことはないのだと。

自分も親の過干渉に耐えきれず
家出をするように出て来た身。

あのとき家を出てなかったら、
今、結婚して自分の家庭など
持てていなかったと思います。

時として理解のない親に対して、
厳しい決断をしなければならない時もあります。
自分自身の人生をまもるために。

親離れができない子ども。
子離れができない親。
どちらも自然の摂理からはズレているのです。

自分の人生に責任を取れるのは
誰よりも自分自身しかいないのですから。

 

関連記事

『ターミネーター/ニュー・フェイト』 老人も闘わなければならない時代

『ターミネーター』シリーズ最新作の『ニュー・フェイト』。なんでもシリーズの生みの親であるジェ

記事を読む

『耳をすませば』 リアリティのあるリア充アニメ

ジブリアニメ『耳をすませば』は ネット民たちの間では「リア充映画」と 言われているらしい

記事を読む

『ボス・ベイビー』新しい家族なんていらないよ!

近年のドリームワークス・アニメーションの作品が日本では劇場公開されなくなっていた。『ヒックと

記事を読む

no image

『ベルサイユのばら』ロックスターとしての自覚

「あ〜い〜、それは〜つよく〜」 自分が幼稚園に入るか入らないかの頃、宝塚歌劇団による『ベルサイユの

記事を読む

no image

『ひつじのショーン』おっと、子供騙しじゃないゾ!!

  ひつじ年を迎え『ひつじのショーン』を 無視する訳にはいかない。 今年はも

記事を読む

『ホドロフスキーのDUNE』 伝説の穴

アレハンドロ・ホドロフスキー監督がSF小説の『DUNE 砂の惑星』の映画化に失敗したというの

記事を読む

『SLAM DUNK』クリエイターもケンカに強くないと

うちの子どもたちがバスケットボールを始めた。自分はバスケ未経験なので、すっかり親のスキルを超

記事を読む

『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』 長い話は聞いちゃダメ‼︎

2024年2月11日、Amazonプライム・ビデオで『うる星やつら2 ビューティフル・ドリー

記事を読む

『太陽』 アートかコメディか? ロシア人が見た昭和天皇

今日は終戦記念日。 この作品はロシアの アレクサンドル・ソクーロフ監督が描く、 第

記事を読む

『インクレディブル・ファミリー』ウェルメイドのネクスト・ステージへ

ピクサー作品にハズレは少ない。新作が出てくるたび、「また面白いんだろうな〜」と期待のハードル

記事を読む

『ウェンズデー』  モノトーンの10代

気になっていたNetflixのドラマシリーズ『ウェンズデー』を

『坂の上の雲』 明治時代から昭和を読み解く

NHKドラマ『坂の上の雲』の再放送が始まった。海外のドラマだと

『ビートルジュース』 ゴシック少女リーパー(R(L)eaper)!

『ビートルジュース』の続編新作が36年ぶりに制作された。正直自

『ボーはおそれている』 被害者意識の加害者

なんじゃこりゃ、と鑑賞後になるトンデモ映画。前作『ミッドサマー

『夜明けのすべて』 嫌な奴の理由

三宅唱監督の『夜明けのすべて』が、自分のSNSのTLでよく話題

→もっと見る

PAGE TOP ↑