*

『電車男』オタクだって素直に恋愛したかったはず

公開日: : 最終更新日:2019/06/15 アニメ, ドラマ, 映画:タ行,

 

草食男子って、
もう悪い意味でしか使われてないですね。
自分も草食系なんで……。

良い意味でも悪い意味でも、
この『電車男』のおかげで、
世間から忌み嫌われる
オタクが市民権を得たわけです。

2ちゃんねるに書かれている
スレッドを基にまとめられた書籍。
瞬く間に注目を浴び、映像化もされていく。

ぱっとしないオタクの青年が恋をして、
その女の子に告白するまでの話。
オーソドックスで普遍的な恋愛の物語ではあるが、
ネットのスレッドを通している臨場感が
読者が疑似体験してるようなドライブ感を生む。

この感覚は新しかった。

このコンテンツが話題を呼んだのは、
主人公がオタクだったからではなく、
恋愛のプロセスが感情移入しやすかったから。

オタクも変人ばかりじゃなくて
普通に恋ができるんだって証明してくれた。
勇気づけられ一歩行動に踏み出せた人も多いのでは?

物語の面白さはそこにある。

ダメダメだった主人公が、
ひとつずつステップを踏んで成長していく。
物語と一緒に観客自身も成長して行くように
感じてもらえれば作者冥利につきるでしょう。

作品に勇気づけられた観客は、
物語の主人公のように行動に移そうとする。

物語には人生を後押しする役目もある。
最近はそういった作品が少なくなった。

みんな自分の人生について
あまり考えなくなったのだろう。

実際にやってみて分かることは、
現実は物語のようにはいかないこと。
そこを乗り越えて行く努力が
もう自分の物語の始まり。

机上ではわからない、
ネットにも書いてないこと。

自分の人生が動き出すと、
今までこだわっていたことが
たいしたことではないと分かる。

人は人と関わってこその人生なのだ。
『電車男』は当たり前の事を当たり前に伝えている。

本来なら注目される程の
テーマでないくらい普遍的なもの。

それくらい世の人の行動力が狭まったのか?

関連記事

no image

『王と鳥』パクリじゃなくてインスパイア

  先日テレビで放送された 『ルパン三世・カリオストロの城』(以下『カリ城』)、

記事を読む

『ヴァチカンのエクソシスト』 悪魔は陽キャがお嫌い

SNSで評判だった『ヴァチカンのエクソシスト』を観た。自分は怖がりなので、ホラー映画が大の苦

記事を読む

『ドラゴンボールZ 復活の「F」』 作者にインスパイアさせた曲

正直に言ってしまうと自分は 『ドラゴンボール』はよく知らない。 鳥山明氏の作品は『Dr.

記事を読む

『この世界の片隅に』 逆境でも笑って生きていく勇気

小学生の頃、社会の日本近代史の授業で学校の先生が教えてくれた。「第二次大戦中は、今と教育が違

記事を読む

no image

『「宇宙戦艦ヤマト」をつくった男 西崎義展の狂気』夢を現実にした最低で最高の男

芸能界は怖いところだよ。よく聞く言葉。 本書は『宇宙戦艦ヤマト』のプロデューサーで、実質的な生みの

記事を読む

『私をくいとめて』 繊細さんの人間関係

綿矢りささんの小説『私をくいとめて』は以前に読んでいた。この作品が大九明子監督によって映画化

記事を読む

『日本沈没(1973年)』 そして第2部が始まる

ゴールデンウィークの真っ只中、twitterのトレンドワードに『日本沈没』があがった。NHK

記事を読む

『アーロと少年』 過酷な現実をみせつけられて

く、暗いゾ。笑いの要素がほとんどない……。 日本のポスタービジュアルが、アーロと少年ス

記事を読む

no image

『怪盗グルーのミニオン大脱走』 あれ、毒気が薄まった?

昨年の夏休み期間に公開された『怪盗グルー』シリーズの最新作『怪盗グルーのミニオン大脱走』。ずっとウチ

記事を読む

『MEGザ・モンスター』 映画ビジネスなら世界は協調できるか

現在パート2が公開されている『MEGザ・モンスター』。このシリーズ第1弾を観てみた。それとい

記事を読む

『シビル・ウォー アメリカ最後の日』 戦場のセンチメンタル

アメリカの独立系映画スタジオ・A24の作品で、同社ではかつてな

『1987、ある闘いの真実』 関係ないなんて言えないよ

2024年12月3日の夜、韓国で戒厳令が発令され、すぐさま野党

『三体(Netflix)』 神様はいるの?

Netflix版の『三体』をやっと観た。このドラマが放送開始された

『T・Pぼん』 マンスプレイニングはほどほどに

Netflixで藤子・F・不二雄原作の『T・Pぼん』がアニメ化

『ならず者(1964年)』 無国籍ギリギリ浪漫

話題のアニメ『ダンダダン』で、俳優の高倉健さんについて語ってい

→もっと見る

PAGE TOP ↑