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『007 スペクター』シリアスとギャグの狭間で

公開日: : 最終更新日:2019/06/12 映画:サ行, 映画:タ行, 音楽

 

評判の良かった『007 スペクター』をやっと観た。

前作『スカイフォール』から監督は続投で映像派のサム・メンデス。007シリーズにアカデミー受賞監督が抜擢されるのも意外だし、なにより同じ監督が二作連続でメガホンをとるのも珍しい。二作目ということもあってか、今回はとても安定した演出。画面ではスゴいことが起こっているのに、サラリと肩を張らずに観れてしまう。果たしてそれがいいのかどうかは趣味が別れるけど、自分はこれくらいラフな方が観やすいかな。

007シリーズが始まった当時は、このキザでクールでゴージャス、平気で人殺しができて、女にモテモテの超肉食系のジェームズ・ボンドは、誰もが憧れるヒーローだった。

時代が変わって、一般の人もなんとなく心理学に詳しくなってしまうと、ここまで新奇探査傾向が強すぎると、この人ビョーキだなと冷静に感じてしまう。『オースティン・パワーズ』なんかでも、さんざおちょくられてしまったので、そのままの演出だとギャグ映画になってしまう。

それを知ってか知らずか、今回のメンデスの演出はコメディセンスも冴えてる。それもマジメな観客や、マニアには不愉快にさせない程度の絶妙なさじ加減。どんなにひどい目にあっても、死なないどころかピンピンしてるボンドに、笑いをとらせる余裕すらある。

そういえばロジャー・ムーアの頃、ジョーズっていうライバルとの闘いのやりとりがコテコテのコントみたいだったっけ。それが許されるなら、ユーモアのセンス、良くなりました。

ホントは人殺しなんてしたくないんだよって、ブルーアイズの哀しい目をした、アヒル口のダニエル・クレイグのジェームズ・ボンドは結構好き。ここはシリアス色が強まったところ。クレイグ版007は今回が最後と噂されてる。エンドロールに「007 will return」とでていたけど、次は新生ボンドで戻ってくるのかも知れない。

始め、サム・スミスの主題歌が憂いすぎだろうと思ったけど、これくらい向こうで泣いてくれれば、観客のこちらは素直に笑う準備をしてしまう。これは確信犯なのか、天然なのか?

長寿シリーズは熱烈なファンが多いから、独走したら総スカンになるし、冒涜は絶対NG。いままでの作品のオマージュもまじえているようなので、なかなかの手練れの演出。オスカー監督さすがです!

クレイグの007シリーズはすべて連作なのも新鮮。

ベン・ウィショーのQが、理系オタク少年みたいで楽しい。MI6のメンバーが普通に通勤してる生活感も笑えた。案外スキだらけなのね。

ボンドガールも豪華。前半はイタリアのモニカ・ベルッチ、セクシー女優もすっかり熟女になってお久しぶりです。

そして中盤から後半出ずっぱりの、フランスのレア・セドゥがカワイイ! まだあどけない感じだし、他の作品では学生の役をしていたので、23〜24歳くらいかと思ってましたが、もう31だとか。自分はダニエル・クレイグが50歳過ぎてると思っていたので、親子ぐらい歳の離れたカップルでヤラシイな〜と誤解してしまった。クレイグまだ40代なのね。老けてる。哀しみ背負いすぎ!

ダニエル・クレイグとレア・セドゥが高価な身なりで並ぶツーショットがゴージャス過ぎる。あまりにキマリ過ぎで、やっぱり笑えてしまうのは、自分の感性もかなりゆがんでる。

とにかくMI6の仲間たちを背にして、ボンドガールと去ってしまうのなら、ジェームズ・ボンドもやっと帰るべき場所をみつけたのだろうか? それはそれでなによりだが。さて次回はいかに⁉︎

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