『境界のRINNE』やっぱり昔の漫画家はていねい
ウチでは小さな子がいるので
Eテレがかかっていることが多い。
でも土日の夕方の、青年向けアニメになると
子どもたちは嫌がって、ニュースの方がマシと言う。
日本のアニメは怖いらしい。
この春の土曜日のそのアニメ枠で
『境界のRINNE』というのが始まった。
高橋留美子さんの原作の新シリーズとのこと。
自分は『うる星やつら』や『めぞん一刻』で
育った世代なので、懐かしくなって
子どもたちと見入ってしまった。
正直子ども時代からの刷り込みもあるだろうけど、
やっぱり『るーみっくわーるど』は面白かった。
絵も今風にアレンジはされてはいるものの、
テイストはあの頃と同じ、
暗い世界観を明るくコメディタッチで描いている。
霊が見える少女と、死神のハーフの少年が、
学校の怪談のような、成仏できない霊を
二人で協力して除霊していくという内容。
物事のトラブルの原因は
目に見えないものの存在のせい。
それを納得させて、事件を解決させる。
基本的には『妖怪ウォッチ』も同じ。
でも『妖怪ウォッチ』はつまらない。
『妖怪ウォッチ』は楽屋落ちのような
ナアナアな甘さが感じられるから。
せいぜい考えてるのは金儲け。
きちんと伝説や古典、宗教などを
調べて作っているように感じない。
世の中には古くから伝えられている
確固たる強い物語が受け継がれている。
古いものを尊重する心で描かれている作品は
子どもの心にも何かしら
制作者の敬意の念が伝わるはず。
この『境界のRINNE』は、
そういった古い伝承への敬意が感じられる。
死霊という暗いテーマにもきちんと向き合っている。
それをコメディとして描いているのだから、
なおイイ!
だって主人公の少年の名前が『六道りんね』だもん。
そのまんまじゃん!!
やはり自分が子どもの頃に観ていた
漫画家の表現は、
子どもたちにマンガを通して
視野を拡げ欲しいという願いを感じる。
マンガやアニメが好きなだけで、
それ以外のものになにも興味がない人間が
表現者となってしまう今とは
ぜんぜん違うのだろう。
関連記事
-
-
『映画から見える世界 上野千鶴子著』ジェンダーを意識した未来を
図書館の映画コーナーをフラついていたら、社会学者の上野千鶴子さんが書いた映画評集を見つけた。
-
-
『千と千尋の神隠し』子どもが主役だけど、実は大人向け
言わずもがなスタジオジブリの代表作。 フランスのカンヌ映画祭や アメリカのアカデミー賞も
-
-
『STAND BY ME ドラえもん』 大人は感動、子どもには不要な哀しみ?
映画『STAND BY ME ドラえもん』を 5歳になる娘と一緒に観に行きました。
-
-
『キングスマン』 威風堂々 大人のわるふざけ
作品選びに慎重なコリン・ファースがバイオレンス・アクションに主演。もうそのミスマッチ感だけで
-
-
『ダンジョンズ&ドラゴンズ アウトローたちの誇り』 ファンタジーみたいな旅の夢
近年の映画の予告編は、映画選びにちっとも役立たない。この『ダンジョンズ&ドラゴンズ』も、まっ
-
-
『三体(Netflix)』 神様はいるの?
Netflix版の『三体』をやっと観た。このドラマが放送開始されたころ、かなり話題になっていたし
-
-
『鬼滅の刃 遊郭編』 テレビの未来
2021年の初め、テレビアニメの『鬼滅の刃』の新作の放送が発表された。我が家では家族みんなで
-
-
『メッセージ』 ひとりが幸せを感じることが宇宙を変える
ずっと気になっていた映画『メッセージ』をやっと観た。人類が宇宙人とファースト・コンタクトを取
-
-
『機動戦士ガンダムUC』 小説から始まり遂に完結!!
2010年スタートで完結まで4年かかった。 福井晴敏氏の原作小説は、遡る事2007年から。
-
-
『坂の上の雲』 明治時代から昭和を読み解く
NHKドラマ『坂の上の雲』の再放送が始まった。海外のドラマだと、ひとつの作品をシーズンごとに
