*

育児ママを励ます詩『今日』

公開日: : 最終更新日:2019/06/15

 

今SNSで拡散されている
今日』という詩をご存知でしょうか。

10年程前、ニュージーランドでの
読み人知らずの詩なのです。
育児ママの一日を綴った詩。
今まさに育児中のママさんたちの共感を得て、
SNSで拡散されています。

妻もママ友から紹介されたと、教えてくれました。

育児ママの苦労を表現しているので、
該当するママさんたちは泣けてきちゃいます。

でもなぜか、自分と妻は憤りを感じました。
それはこの詩そのものではなく、
この詩が生まれた土壌にです。

ここまで育児は世間的に低く、
社会的に理解されない労働なのかと。

育児というのは重労働。

日本では昔から家事は低く扱われていました。
実際に経済に関わらない労働は
労働でないという考え方。

自分も子どもたちと一日中
対峙することがたまにあるが、
育児は本当にたいへん。

赤ん坊と一日過ごすなんて、本当にストレスフル。
孤独だし、恐怖だし、自分に自信がなくなる。

日本が育児や介護、
家事全般を低くみているのは
昔からわかっていたことだが、
同じ先進国であるニュージーランドでも
このような詩がうまれてくるくらい
育児ママにこれほど理解がないのかと思うと、
とても嘆かわしい。

この詩を読んで救われなければならないくらい、
育児ママたちは縁の下で苦労しているのです。

日本の社会、日本の男性たちは、
今まであまりにも家事を軽視しすぎた。
そりゃあ少子化になっても当然。

育児がママさんだけの自己責任、
個人解決のレベルで耐えなければならない
システムはおかしい。

子どもを育てることは、
とても大事な労働だと思うのですけどね。

関連記事

no image

『風が吹くとき』こうして戦争が始まる

  レイモンド・ブリッグズの絵本が原作の映画『風が吹くとき』。レイモンド・ブリッグズ

記事を読む

『愛がなんだ』 さらば自己肯定感

2019年の日本映画『愛がなんだ』が、若い女性を中心にヒットしていたという噂は、よく耳にして

記事を読む

『イニシェリン島の精霊』 人間関係の適切な距離感とは?

『イニシェリン島の精霊』という映画が、自分のSNSで話題になっていた。中年男性の友人同士、突

記事を読む

『太陽がいっぱい』 付き合う相手に気をつけろ

アラン・ドロンが亡くなった。訃報の数日前、『太陽がいっぱい』を観たばかりだった。観るきっかけは、

記事を読む

『嫌われ松子の一生』 道から逸れると人生終わり?

中島哲也監督の名作である。映画公開当時、とかく中島監督と主演の中谷美紀さんとが喧嘩しながら作

記事を読む

『黒い雨』 エロスとタナトス、ガラパゴス

映画『黒い雨』。 夏休みになると読書感想文の候補作となる 井伏鱒二氏の原作を今村昌平監督

記事を読む

『IT(2017年)』 それが見えても終わらないために

スティーヴン・キングの有名小説で映像化は2回目になる『IT』。邦題には『“それ”が見えたら、

記事を読む

『LAMB ラム』 愛情ってなんだ?

なんとも不穏な映画。アイスランドの映画の日本配給も珍しい。とにかくポスタービジュアルが奇妙。

記事を読む

no image

『火花』又吉直樹の飄々とした才能

  お笑いコンビ・ピースの又吉直樹さんの処女小説『火花』が芥川賞を受賞しました。おめ

記事を読む

『ハイキュー‼︎』 勝ち負けよりも大事なこと

アニメ『ハイキュー‼︎』の存在を初めて意識したのは、くら寿司で食事していたとき。くら寿司と『

記事を読む

『夜明けのすべて』 嫌な奴の理由

三宅唱監督の『夜明けのすべて』が、自分のSNSのTLでよく話題

『きみの色』 それぞれの神さま

山田尚子監督の新作アニメ映画『きみの色』。自分は山田尚子監督の

『ベルサイユのばら(1979年)』 歴史はくり返す?

『ベルサイユのばら』のアニメ版がリブートされるとのこと。どうし

『窓ぎわのトットちゃん』 他を思うとき自由になれる

黒柳徹子さんの自伝小説『窓ぎわのトットちゃん』がアニメ化される

『チャレンジャーズ』 重要なのは結果よりプロセス!

ゼンデイヤ主演のテニス映画『チャレンジャーズ』が面白いとネット

→もっと見る

PAGE TOP ↑