*

『ローレライ』今なら右傾エンタメかな?

公開日: : 最終更新日:2016/04/11 アニメ, メディア, 映画:ラ行,

f0094632_138878

今年の夏『進撃の巨人』の実写版のメガホンもとっている特撮畑出身の樋口真嗣監督の長編デビュー作品『ローレライ』。福井晴敏氏の原作『終戦のローレライ』の映像化。舞台は第二次世界大戦末期、広島に原爆が落とされ、劇中では長崎の日もむかえ、第三の原爆投下を阻止する任務に就いた潜水艦の話。もちろんフィクション。ただ舞台は現実にあった戦争だし、主人公の青年は海の特攻隊・回天の隊員。映画は2005年公開だが、もし2015年の今の公開だったら、戦争を美化していると右傾エンタメ扱いになるだろう。

物語はリアリティよりも、歴史物の体裁をしながら、有名アニメ作品のアイディアのパッチワークと言ったところ。樋口真嗣監督が特撮やアニメ出身の人というのもあるが、サンライズアニメ『装甲騎兵ボトムズ』や『機動戦士Zガンダム』にでてくる強化人間の少女がでてきたり、乗組員達が自己犠牲でバタバタ死んでいく姿、はたまた潜水艦ものは名作ぞろいなので様々な作品のパロディというかオマージュというかパクリのオンパレード。映画ファンならニヤニヤしっぱなし。

ただ2005年のこの頃、戦争を題材にした映画というのは、偏った思想のものでなければそこそこヒットした。観客が戦争について好奇心があった現れだと思う。でこの『ローレライ』も、役所広司さんはじめ豪華キャストなので、まじめな戦争映画と勘違いして来てしまったお客さんが多かったと思う。蓋を開けてみて「なんじゃこりゃ?」ってなった観客も多かっただろうに。自分はもうコスプレ的にきゃあきゃあ笑いながら観ていた。

実際に合った戦争を舞台に面白おかしく描いた作品を笑いながら観れたのはとても幸せなことだと思う。これは平和で豊かな世の中が前提で成り立つこと。さていま日本の作品で、戦争を扱った映画を観たいかといったら即答で「NO」。なんだかプロパガンダの臭いを感じずにはいられない。せいぜい10年前では気にならなかったことが、今の世ではうさんくささがしてしょうがない。

これは自分が色眼鏡でものを判断するようになってしまったからなのか? それとも日本の世の中が変わってしまったのか? よくわからないところだ。

関連記事

女による女のためのR18『ふがいない僕は空を見た』

デンマークの監督ラース・フォン・トリアーは ノルウェーでポルノの合法化の活動の際、発言して

記事を読む

『電車男』オタクだって素直に恋愛したかったはず

草食男子って、 もう悪い意味でしか使われてないですね。 自分も草食系なんで……。

記事を読む

『耳をすませば』リア充映画?現実的な作品なのに

ジブリアニメ『耳をすませば』は ネット民たちの間では「リア充映画」と 言われているらしい

記事を読む

『エリン・ブロコビッチ』シングルマザーに将来はないのか?

日本の6人に1人が貧困家庭の子どもだそうです。 先日テレビで特集が再放送されていました。

記事を読む

『アイ・アム・サム』ハンディがある人と共に働ける社会

映画『アイ・アム・サム』は公開当時、びっくりするくらい女性客でいっぱいだった。満席の劇場には

記事を読む

『GODZILLA』破壊神というより守護神だったハリウッドリブート版

早くも2018年にパート2をやると 発表されたハリウッド版『ゴジラ』。 近年、アメリ

記事を読む

夢は必ず叶う!!『THE WINDS OF GOD』

俳優の今井雅之さんが5月28日に亡くなりました。 ご自身の作演出主演のライフワークでも

記事を読む

『トイ・ストーリー・オブ・テラー』続々発表の新作短編、実は大人向け?

BSのDlifeで『トイストーリー』の 新作短編が放送された。 なんでも本邦初公開とのこ

記事を読む

『ターミネーター:新起動/ジェニシス』は諸刃の刃

ジェイムズ・キャメロン監督が放った愛すべきキャラクター『ターミネーター』。何度も続編やらテレ

記事を読む

作者を逆感化させた『ドラゴンボールZ 復活の「F」』

正直に言ってしまうと自分は 『ドラゴンボール』はよく知らない。 鳥山明氏の作品は『Dr.

記事を読む

『チョコレートドーナツ』ホントの幸せってなんだろう?

http://bitters.co.jp/choco/[/capti

『プロジェクトA』ジャッキー映画でちょっと強くなった気になる

ジャッキー・チェンの映画を観たあとは、観るまえよりちょっとだけ

『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』映画監督がアイドルになるとき

『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズの監督ジェームズ・ガ

『わたしは、ダニエル・ブレイク』世の中をより良くするために

http://www.longride.jp/danielblake

『マザー!』観客はそれほど高尚ではない?

http://paramount.nbcuni.co.jp/moth

→もっと見る

PAGE TOP ↑