*

『勇者ヨシヒコと魔王の城』究極の安っぽさの追求

公開日: : 最終更新日:2019/06/15 ドラマ

 

このドラマの番宣ポスターをはじめてみたとき、
正直、期待してしまいました。
「おっ、とうとう日本のドラマも黒沢映画みたいな
本格的な冒険活劇を本気でやるんだな」と。

でてきたドラマにびっくり!!
良い意味で裏切られた。

想像していたのは真逆。
安っぽさの追求ドラマ。

冒険活劇は確かのその通り。
ゲーム『ドラゴンクエスト』を実写で再現している。
効果音や展開、キャラクターも忠実。

普通、ファンタジーの実写化するにあたっては
いかに豪華にみせるかに工夫を凝らすところを、
いかに素人映画っぽくみせることに力点を置いてる。

『ロード・オブ・ザ・リング』が豪華にみせる
ファンタジーとするなら、本作は真逆。

低予算を逆手にとったバカバカしさの追求。
まあ『モンティパイソン』でも同じような事やっていたので、
そのオマージュもあるでしょう。

深夜枠での放送だったので、
トロんとした頭でみると、ほどよくいい感じ。

プロのスタッフ、プロの役者が、
本気になってくだらないことを追い求める。
こういったバカな精神は今の暗いご時世には必要。

監督は近年コメディ作品を多発している
時の映像作家、福田雄一氏。

もう難しい作品や、凝った作品みるほどの
スタミナが残っていない現代日本で、
これくらいユルくなくては、
みんな物語を追えなくなってしまったのでしょう。

このドラマ、セカンドシーズンもあるし。
いくらでもつくれそう。

ダラダラ気楽に行き(生き)ましょう!!

 

関連記事

『ロード・オブ・ザ・リング』 ファンタージーがファンタジーのままならば

Amazonのオリジナル・ドラマシリーズ『ロード・オブ・ザ・リング 力の指輪』が配信開始にな

記事を読む

no image

『さとうきび畑の唄』こんなことのために生まれたんじゃない

  70年前の6月23日は第二次世界大戦中、日本で最も激しい地上戦となった沖縄戦が終

記事を読む

『フェイクニュース』 拮抗する日本メディア

自分はすっかり日本の最新作は観なくなってしまった。海外作品でも、テレビドラマのようなシリーズ

記事を読む

『コクリコ坂から』 横浜はファンタジーの入口

横浜、とても魅力的な場所。都心からも交通が便利で、横浜駅はともかく桜木町へでてしまえば、開放

記事を読む

『チェルノブイリ』 あれ、みんな英語しゃべってる?

先日、福島で震度6強の地震があった。311の東北震災から、もうすぐ10年が経とうとする矢先の

記事を読む

『グラディエーター』 Are You Not Entertained?

当たり外れの激しいリドリー・スコット監督の作品。この『グラディエーター』はファーストショット

記事を読む

『スカーレット』慣例をくつがえす慣例

NHK朝の連続テレビ小説『スカーレット』がめちゃくちゃおもしろい! 我が家では、朝の支

記事を読む

『Love Letter』 ヨーロッパ映画風日本映画

岩井俊二監督の『Love Letter』。 この映画をリアルタイムで観たときに 「やられ

記事を読む

no image

『反社会学講座』萌えアニメも日本を救う!?

  まじめなことにユーモアをもって切り込んでいくのは大切なことだ。パオロ・マッツァリ

記事を読む

no image

王道、いや黄金の道『荒木飛呂彦の漫画術』

  荒木飛呂彦さんと言えば『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズの漫画家さん。自分は少年ジ

記事を読む

『ウェンズデー』  モノトーンの10代

気になっていたNetflixのドラマシリーズ『ウェンズデー』を

『坂の上の雲』 明治時代から昭和を読み解く

NHKドラマ『坂の上の雲』の再放送が始まった。海外のドラマだと

『ビートルジュース』 ゴシック少女リーパー(R(L)eaper)!

『ビートルジュース』の続編新作が36年ぶりに制作された。正直自

『ボーはおそれている』 被害者意識の加害者

なんじゃこりゃ、と鑑賞後になるトンデモ映画。前作『ミッドサマー

『夜明けのすべて』 嫌な奴の理由

三宅唱監督の『夜明けのすべて』が、自分のSNSのTLでよく話題

→もっと見る

PAGE TOP ↑