*

モラトリアム中年の悲哀喜劇『俺はまだ本気出してないだけ』

公開日: : 最終更新日:2015/11/08 映画:ア行,

t02200120_0640035013068330328

『俺はまだ本気出してないだけ』とは
何とも悲しいタイトルの映画。

42歳の中年男が突如自分探しで、
会社を辞め漫画家になる事を決意する。

しかしながらなかなか芽がでそうにない。
日々ダラダラとゲームをしたり、
ファーストフードでバイトして
年下たちとふざけあって、
年下の上司に叱られたりしてる。
何とも情けない。

いちばん楽しかった場面は、
出版社に作品を持ち込んだとき、
担当者がボツを告げる時のやり取り。

担当者は言葉を選んで、相手を怒らせず、
むしろいい気分にさせて追い返す。
これはコミュニケーションの勉強しなりますね~。

安定した収入だったサラリーマン生活とは?
いま人生と仕事との関係について
悩んでいない人はいないと思います。

主人公は節々で自問自答しています。
「一生サラリーマンの方が良かったのだろうか」と。

この主人公はダメダメなんだけど、
もしかしたらサラリーマン時代は
メチャクチャ仕事ができたかも知れない。

どこかで電池が切れて、
無気力になってしまったのかもと思うと、
人生を豊かにしようと思って
がむしゃらに働いていたにも関わらず、
本末転倒な結果へと向かってしまった事になる。
悲しい。

映画ではこれといった答えは出していません。
これから現実の時代が
この答えを出して行く事でしょう。

この作品はドラマ『アオイホノオ』や
『勇者ヨシヒコ』を手がけた福田雄一監督。
ニートの心を描くのがうまい監督さんですね。

「自分の事ばっかり考えてるからこうなるんだよ!」
そう自問する言葉は辛い。

自分中心で言動していると、
世界はどんどん閉じて行くものなのです。

関連記事

『TOMORROW 明日』忘れがちな長崎のこと

本日8月9日は長崎の原爆の日。 とかく原爆といえば広島ばかりが とりざたされますが、

記事を読む

『反社会学講座』萌えアニメも日本を救う!?

まじめなことにユーモアをもって切り込んでいくのは大切なことだ。パオロ・マッツァリーノ氏の考え

記事を読む

一見水と油かと思いきや。寂聴さんとホリエモンの対談集『死ぬってどういうことですか?』

尊敬する瀬戸内寂聴さんと、 自分はちょっとニガテな ホリエモンこと堀江貴文さんの対談集

記事を読む

日本アニメを世界的評価に繋げた『AKIRA』

日本のアニメが凄いと世界に知らしめた エポックメーキング的作品『AKIRA』。 今更

記事を読む

『インサイド・ヘッド』むずかしいことをゆかいに!!

ピクサーの2015年作品『インサイド・ヘッド』。ものすごい脚本だな〜、と感心してしまう映画。

記事を読む

『東京物語』実は激しい小津作品

今年は松竹映画創業120周年とか。松竹映画というと、寅さん(『男はつらいよ』シリーズ)や小津

記事を読む

『やさしい本泥棒』子どもも観れる戦争映画

http://video.foxjapan.com/release/bookthief/[/cap

記事を読む

『スノーマン』ファンタジーは死の匂いと共に

http://co-trip.jp/article/36020/[/caption] 4歳に

記事を読む

『エイリアン』とブラック企業

去る4月26日はなんでもエイリアンの日だったそうで。どうしてエイリアンの日だったかと調べてみ

記事を読む

『コクリコ坂から』横浜はファンタジーの入口

横浜、とても魅力的な場所。都心からも交通が便利で、横浜駅はともかく桜木町へでてしまえば、開放

記事を読む

『風と共に去りぬ』時代を凌駕した人生観

小学生の娘が突然、映画『風と共に去りぬ』が観たいと言い出した。

『光とともに…』誰もが生きやすい世の中になるために

©戸部けいこ・秋田書店[/caption] 小学生の娘が、学校

『ゲゲゲの女房』本当に怖いマンガとは?

水木しげるさんの奥さんである武良布枝さんの自伝エッセイ『ゲゲゲ

『チャーリーとチョコレート工場』歪んだ愛情とその傷

映画が公開されてから時間が経って、その時の宣伝や熱狂が冷めたあ

『ドラゴンボール』元気玉の行方

http://www.maniado.jp/community/ne

→もっと見る

PAGE TOP ↑