*

『AKIRA』 ジャパニメーション黎明期

公開日: : 最終更新日:2021/06/16 アニメ, 映画:ア行,

日本のアニメが凄いと世界に知らしめた
エポックメーキング的作品『AKIRA』。

今更話題にするのも恥ずかしいくらい。
当時のアニメの概念を壊したと言っていい。
善くも悪くもこれ以降、アニメは子ども向けでは
なくなってしまった気がする。

とにかく過去SF作品からのモチーフの
パッチワークがうまかったと思える。

音楽に芸能山城組を起用して、
当時の日本映画は音楽に費用をかけるなんて
考えられなかった時代に、あえて音楽に力を入れた。
ねぶた祭と近未来都市という、
なんともカッコいいビジュアルを見せつけてくれた。

ものすごい情報量で、観客はただただ圧倒させられた。

自分が通っていた映画学校の先生がつぶやいた。
「あれは面白いのかも知れんが、わけがわからん」

当時10代だった自分は、トンガリ盛り。
「なぜ分からない! 先生感性が老いてるよ!!」
と思ったものだが、
今となってはその先生の発言の意味が理解できる。

本作は、カッコいいもののパッチワーク
情報の物量でごまかされたしまうのだが、
実はSFとしてのテーマ性が全くないのです。

本来SFは社会へ対しての警笛や、
社会風刺などがこもっていてシニカルなもの。
SF的なデザインは、そのままの言ってしまうと
生々しすぎる描写をオブラートに包ます役目を持っている。

そのオブラートのためのギミックを集めた『AKIRA』。
SF作品としてはハリボテのスカスカになってしまうのです。
センスの良さだけで突っ走ってしまった作品。

この映画の後からは、
スカスカでもSFが成立すると誤解され、
安直な作品が増えてしまったのも否めない。

本作の舞台は2019年の架空の都市ネオトーキョー。
2020年には東京オリンピックを迎えるという設定。

東京オリンピックなんてあり得ないだろうと
当時の自分は思っていたので、
本作の予言は当ってしまった。

この作品の日本は、軍隊が力を持ち、
テロや暴動、犯罪が乱立して治安が悪い。

この作品の予言が東京オリンピックだけで
それ以外の予言は、
はずれて欲しいと願うばかりです。

関連記事

no image

『アトミック・ブロンド』時代の転機をどう乗り越えるか

シャーリーズ・セロン主演のスパイ・アクション映画『アトミック・ブロンド』。映画の舞台は東西ベルリンの

記事を読む

『トイストーリー4』 人のお節介もほどほどに

大好きなピクサー映画の『トイストーリー』シリーズの最新作『トイストーリー4』。なぜかずいぶん

記事を読む

『アナと雪の女王2』百聞は一見にしかずの旅

コロナ禍で映画館は閉鎖され、映画ファンはストレスを抱えていることだろう。 自分はどうか

記事を読む

『ゴーストバスターズ』ファミリー向け映画求む!

ずっと頓挫し続けてた『ゴーストバスターズ』の新作が、今年の夏公開される。ものごとって決まった

記事を読む

『アベンジャーズ/エンドゲーム』ネタバレは国家を揺るがす

世界中で歴代ヒットの観客数を更新しつつある『アベンジャーズ/エンドゲーム』。マーベル・シネマ

記事を読む

no image

『やさしい本泥棒』子どもも観れる戦争映画

人から勧められた映画『やさしい本泥棒』。DVDのジャケットは、本を抱えた少女のビジュアル。自分は萌え

記事を読む

『永遠の門 ゴッホの見た未来』 ギフテッドとインフルエンサー

東京都美術館で開催されている『ゴッホ展』に行った。収集家のヘレーネ・クレラー=ミュラーのコレ

記事を読む

no image

『一九八四年』大事なことはおばちゃんに聞け!

『一九八四年』はジョージ・オーウェルの1949年に発表された、近未来の完全管理社会を描いたディストピ

記事を読む

『映像研には手を出すな!』好きなことだけしてたい夢

NHKの深夜アニメ『映像研には手を出すな!』をなぜか観始めてしまった。 実のところなん

記事を読む

『高慢と偏見(1995年)』 婚活100年前、イギリスにて

ジェーン・オースティンの恋愛小説の古典『高慢と偏見』をイギリスのBBCテレビが制作したドラマ

記事を読む

『tick, tick… BOOM! 』 焦ってする仕事の出来栄えは?

毎年2月になると、アメリカのアカデミー賞の話が気になる。エンタ

『私ときどきレッサーパンダ』 世間体という呪い

コロナ禍の影響でこの2年間、映画館への足がすっかり遠のいてしま

『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』 マイノリティとエンターテイメント

小学生の息子は『ハリー・ポッター』が好き。これも親からの英才教

『このサイテーな世界の終わり』 老生か老衰か?

Netflixオリジナル・ドラマシリーズ『このサイテーな世界の

『鬼滅の刃 遊郭編』 テレビの未来

2021年の初め、テレビアニメの『鬼滅の刃』の新作の放送が発表

→もっと見る

PAGE TOP ↑