*

日本アニメを世界的評価に繋げた『AKIRA』

公開日: : 最終更新日:2019/06/15 アニメ, 映画:ア行

 

日本のアニメが凄いと世界に知らしめた
エポックメーキング的作品『AKIRA』。

今更話題にするのも恥ずかしいくらい。
当時のアニメの概念を壊したと言っていい。
善くも悪くもこれ以降、アニメは子ども向けでは
なくなってしまった気がする。

とにかく過去SF作品からのモチーフの
パッチワークがうまかったと思える。

音楽に芸能山城組を起用して、
当時の日本映画は音楽に費用をかけるなんて
考えられなかった時代に、あえて音楽に力を入れた。
ねぶた祭と近未来都市という、
なんともカッコいいビジュアルを見せつけてくれた。

ものすごい情報量で、観客はただただ圧倒させられた。

自分が通っていた映画学校の先生がつぶやいた。
「あれは面白いのかも知れんが、わけがわからん」

当時10代だった自分は、トンガリ盛り。
「なぜ分からない! 先生感性が老いてるよ!!」
と思ったものだが、
今となってはその先生の発言の意味が理解できる。

本作は、カッコいいもののパッチワーク
情報の物量でごまかされたしまうのだが、
実はSFとしてのテーマ性が全くないのです。

本来SFは社会へ対しての警笛や、
社会風刺などがこもっていてシニカルなもの。
SF的なデザインは、そのままの言ってしまうと
生々しすぎる描写をオブラートに包ます役目を持っている。

そのオブラートのためのギミックを集めた『AKIRA』。
SF作品としてはハリボテのスカスカになってしまうのです。
センスの良さだけで突っ走ってしまった作品。

この映画の後からは、
スカスカでもSFが成立すると誤解され、
安直な作品が増えてしまったのも否めない。

本作の舞台は2019年の架空の都市ネオトーキョー。
2020年には東京オリンピックを迎えるという設定。

東京オリンピックなんてあり得ないだろうと
当時の自分は思っていたので、
本作の予言は当ってしまった。

この作品の日本は、軍隊が力を持ち、
テロや暴動、犯罪が乱立して治安が悪い。

この作品の予言が東京オリンピックだけで
それ以外の予言は、
はずれて欲しいと願うばかりです。

関連記事

no image

大人になれない中年男のメタファー『テッド』

  大ヒットした喋るテディベアが主人公の映画『テッド』。 熊のぬいぐるみとマーク・

記事を読む

no image

『スノーマン』ファンタジーは死の匂いと共に

4歳になる息子が観たいと選んだのが、レイモンド・ブリッグスの絵本が原作の短編アニメーション『スノーマ

記事を読む

no image

『オール・ユー・ニード・イズ・キル 』日本原作、萌え要素を捨てれば世界標準

  じつに面白いSF映画。 トム・クルーズのSF映画では 最高傑作でしょう。

記事を読む

no image

『アニー(1982年版)』子どもから見た大人たちの世界

  かつてタレントのタモリさんが、テレビでさんざっぱら自身のミュージカル嫌いを語って

記事を読む

no image

『ベイマックス』涙なんて明るく吹き飛ばせ!!

お正月に観るにふさわしい 明るく楽しい映画『ベイマックス』。 日本での宣伝のされかた

記事を読む

no image

『マイマイ新子と千年の魔法』真のインテリジェンスとは?

  近年のお気に入り映画に『この世界の片隅に』はどうしも外せない。自分は最近の日本の

記事を読む

『斉木楠雄のΨ難』生きづらさと早口と

ネット広告でやたらと『斉木楠雄のΨ難』というアニメを推してくる。Netflix独占で新シーズ

記事を読む

no image

『バンカー・パレス・ホテル』フランス人と日本人の文化的嗜好は似てる

  ダメよ~、ダメダメ。 日本エレキテル連合という 女性二人の芸人さんがいます。

記事を読む

no image

『この世界の片隅に』逆境でも笑って生きていく勇気

小学生の頃、社会の日本近代史の授業で学校の先生が教えてくれた。「第二次大戦中は、今と教育が違っていて

記事を読む

no image

『バードマン』あるいはコミック・ヒーローの反乱

  アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督の 新作がコメディと聞いて、ま

記事を読む

『天気の子』 祝福されない子どもたち

実は自分は晴れ男。大事な用事がある日は、たいてい晴れる。天気予

『逃げるは恥だが役に立つ ガンバレ人類! 新春スペシャル!!』結束のチーム夫婦も前途多難⁉︎

2016年に人気だった『逃げるは恥だが役に立つ』、通称『逃げ恥

『JUNO ジュノ』ピンクじゃなくてオレンジな

ジェイソン・ライトマン監督の『JUNO ジュノ』は、エリオット

『トイストーリー4』人のお節介もほどほどに

大好きなピクサー映画の『トイストーリー』シリーズの最新作『トイ

『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』言わぬが花というもので

大好きな映画『この世界の片隅に』の長尺版『この世界の(さらにい

→もっと見る

PAGE TOP ↑