*

宇多田ヒカル Meets 三島由紀夫『春の雪』

公開日: : 最終更新日:2015/11/08 映画:ハ行, , 音楽

t02200105_0525025113220903817

昨日は4月になったにもかかわらず、
東京でも雪が降りました。
ということで『春の雪』。

三島由紀夫氏作の『春の雪』の映画化。
原作は『豊穣の月』4部作の1作目にあたり、
最終章では死に別れた恋人達が
生まれ変わるという作品。
もうSFじゃん!!

三島由紀夫氏はこの4部作の
完結編を書き終えたあと、
市ヶ谷の陸上自衛隊で割腹自殺をします。
遺作というわけです。

この映画版は行貞勲監督で、
妻夫木聡さんと竹内結子さん主演。
映画はちっとも話題にならなかった。

映画は映像美ばかり気なる
普通の日本の文芸作品だった。
画面からもとくに若いスタッフの
エネルギーも感じず、凡作だった。

とにかく宇多田ヒカルさんが歌う
主題歌が良かった。

歌詞は意地悪なくらい現代的な言葉を使い、
英語も配し、タイトルも英語。
『Be My Last』。

けれども三島文学の遺伝子は
きちんと汲み取っているし、
曲を聴いただけで、
三島作品を読んだような気分にさせる。
脚色とは本来そういったもの。
根幹はつかんだままで、
アレンジは二次発展させる者に委ねられるべき。

宇多田ヒカルさんの主題歌は
三島由紀夫の世界観を描いてはいるものの、
残念ながら映画のエンドロールで
かかったときには違和感があった。
映画本編の制作意図と温度差を感じた。

宇多田さんが主題歌を担当した作品はいつもそう。

作品の根幹は彼女はしっかり掴んで、
作品で描ききれなかった部分を
補完しようとしているにもかかわらず、
大事な本編がそこまで表現しきれていない。
この原作解釈はカッコいい。

やっぱり宇多田ヒカルという人は
天才肌なのでしょうが、
それじゃあ今の日本では
アウェイにもなるだろう。

とにかく映画のラストにかかったとき、
違和感を感じるのでは失敗なんでしょう。

関連記事

『フラガール』生きるための仕事

史実に基づいた作品。町おこしのために常磐ハワイアンセンターを設立せんとする側、新しいものを拒

記事を読む

『ツレがうつになりまして。』鬱を身近に認知させた作品

鬱病を特別な人がなる病気ではなく、 誰をもいつなりうるか分からな事を 世間に広めるきっか

記事を読む

『村上さんのところ』村上春樹の人間力

人気小説家の村上春樹さんと 読者の交流サイト『村上さんのところ』が 話題になっている。

記事を読む

『ダメなときほど運はたまる』欽ちゃん流自己啓発

欽ちゃんこと萩本欽一さん。自分が小さい頃は欽ちゃんのテレビ番組全盛期で、なんでも30%は視聴

記事を読む

『ベイマックス』を起爆剤に日本も!! その1

エンタメ産業はアメリカが世界一。 あまり知られていないが、日本は第二位。 この冬休み

記事を読む

『君たちはどう生きるか』誇り高く生きるには

今、吉野源三郎著作の児童文学『君たちはどう生きるか』が話題になっている。 引退撤回宣言

記事を読む

90年代サブカルのカタログ的存在『スワロウテイル』

岩井俊二監督の『スワロウテイル』。この劇中の架空のバンド『YEN TOWN BAND』が再結

記事を読む

『バッファロー’66』シネクイントに思いを寄せて

渋谷パルコが立て替えとなることで、パルコパート3の中にあった映画館シネクイントも休館となるそ

記事を読む

『野火』人が人でなくなるところ

http://www.tsukamotoshinya.net/[/caption] 塚本晋也

記事を読む

女性が生きづらい世の中じゃね……『ブリジット・ジョーンズの日記』

日本の都会でマナーが悪いワーストワンは ついこの間まではおじさんがダントツでしたが、 最

記事を読む

PAGE TOP ↑