*

『トップガン』カッコいいと思ってたのに!?

公開日: : 最終更新日:2019/06/13 映画:タ行, 音楽

 

「♪ハーイウェイ・トゥ・ザ・デンジャゾーン」風にのって歌が聴こえてくる。これは……、映画『トップガン』の主題歌ケニー・ロギンスの『デンジャー・ゾーン』じゃないか!! 近所の小学校の運動会のBGMに『トップガン』を使ってる!? 運動会の使用BGMはいつもツッコミどころが満載。ウケを狙ってわざとダサい選曲をしているのか、本当にセンスが固まっていて30年止まったままなのかよくわからない。まあ殆どが後者なのだろうが……。『トップガン』が流行っていたのは80年代。学校教育はその頃から留まったままなのかと危惧してしまう。

映画『トップガン』を観たのは自分もティーンの頃。当時から映画好きだったが、主に観ていたのはアニメ作品や邦画ばかり。字を読むのが遅い自分は、字幕が追いつく自信が無く、なかなか洋画デビューができずにいた。この『トップガン』の予告編を観たとき、さすがに戦闘機がカッコ良く、これは観たいと思って近所の映画館へ。大入りの観客は自分よりも遥かに年上の大人ばかりだった。当時の映画館はいまのように客席の斜行がなく、前の人の頭がジャマで字幕が読みづらかった。前列の人の頭をよけながら映画を観ていたものです。高校生になってアルバイトして『トップガン』のレーザーディスクを買ったっけ。

一度ハリウッド映画を観てしまうと、この軽快で分かりやすい作風に一気にハマってしまった。日本映画は今も昔も暗くて重いものばかり。(逆に極端に軽薄か)テンポよく前向きなストーリー展開や編集、音楽はとても魅力的だった。まさに80年代は、アメリカ文化がパワフルだったと思う。

映画の主題歌『デンジャー・ゾーン』がラジオから聴こえてきたとき、懐かしさよりも笑いがこみ上げてきた。やっぱり80年代の音。独特のダサさがスピーカーから漂ってくる。なにこれ? 当時はこれがカッコいいと思っていたのだから恐ろしいものだ。あんまりハマりすぎてしまうと、冷静さを失って、自分自身が時代遅れになってしまう。あの時はあの時、今は今と割り切っていかなければ、頭の固いつまらない人間になってしまう。当時は良くても今は通用しないものもたくさんある。臨機応変さが必要かと、この一件で感じた。

そういえば『トップガン』にハマり、そのあとで『愛と青春の旅立ち』を観たら、あまりに内容が同じなのでショックを受けた。『フラッシュダンス』も同じか。同じ内容でバリエーションを変えて、何作もヒット作を作ってしまうハリウッドの図々しさ。いま80年代の映画を観るとしたら、カッコいいというよりも、その時代の雰囲気を思い出させる装置としての活用くらいにとどめておいた方がいい。80年代くらいで昔を懐かしむのは、まだまだ早すぎると思う。実際あのころのセンスはダサいしね。80年代ブーム再燃を仕掛けようとするメディアには騙されないゾ。

そういえば劇伴を担当したジョルジオ・モロダーが30年ぶりに新作を発表したとか。御年75歳健在也‼︎

関連記事

『東京オリンピック(1964年)』 壮大なお祭りと貧しさと

コロナ禍拡大の中、2020東京オリンピックが始まってしまった。自分としては、オリンピック自体

記事を読む

『Ryuichi Sakamoto : CODA』やるべきことは冷静さの向こう側にある

坂本龍一さんのドキュメンタリー『Ryuichi Sakamoto : CODA』を観た。劇場

記事を読む

『エターナルズ』 モヤモヤする啓蒙超大作娯楽映画

『アベンジャーズ エンドゲーム』で、一度物語に区切りをつけたディズニー・マーベルの連作シリー

記事を読む

『アメリカン・ユートピア』 歩んできた道は間違いじゃなかった

トーキング・ヘッズのライブ映画『ストップ・メイキング・センス』を初めて観たのは、自分がまだ高

記事を読む

『タクシー運転手』深刻なテーマを軽く触れること

韓国映画の『タクシー運転手』が話題になっている。1980年に起こった光州事件をもとに描いたエ

記事を読む

no image

『SING』万人に響く魂(ソウル)!

「あー楽しかった!」 イルミネーション・エンターテイメントの新作『SING』鑑賞後、ウチの子たちが

記事を読む

no image

『幕が上がる』覚悟の先にある楽しさ

  自分はアイドル文化や萌えとかよくわからない。だから『ももいろクローバーZ』の存在

記事を読む

no image

『ビバリーヒルズ・コップ』映画が商品になるとき

  今年は娘が小学校にあがり、初めての運動会を迎えた。自分は以前少しだけ小中高の学校

記事を読む

no image

『台風クラブ』制服に封じ込まれたもの

このたびの台風により、被害を受けられた皆様に心からお見舞い申し上げます。 台風18号が東日本に

記事を読む

no image

『茶の味』かつてオタクが優しかった頃

もうすぐ桜の季節。桜が出てくる作品で名作はたくさんある。でも桜ってどうしても死のメタファーとして使わ

記事を読む

『裏切りのサーカス』 いちゃいちゃホモソーシャルの言い訳

映画『裏切りのサーカス』が面白いという勧めを知人から受けて、ず

『アデル、ブルーは熱い色』 心の声を聴いてみる

2013年のカンヌ国際映画祭で最優秀賞パルムドールを受賞したフ

『エターナルズ』 モヤモヤする啓蒙超大作娯楽映画

『アベンジャーズ エンドゲーム』で、一度物語に区切りをつけたデ

『永遠の門 ゴッホの見た未来』 ギフテッドとインフルエンサー

東京都美術館で開催されている『ゴッホ展』に行った。収集家のヘレ

『インディ・ジョーンズ 最後の聖戦』 自由恋愛のゆくえ

スティーヴン・スピルバーグ監督の『インディ・ジョーンズ』シリー

→もっと見る

PAGE TOP ↑