*

なぜ日本劇場未公開?『ヒックとドラゴン2』

公開日: : 最終更新日:2015/11/08 アニメ, メディア, 映画:ハ行

t02200327_0303045013233948786

とうとう日本では劇場公開はせず
ビデオのみの発売となった
米ドリームワークスの『ヒックとドラゴン2』。

7月の発売まで待ちきれず、
輸入版Blu-rayを購入。
ドイツ版とフランス版は
日本版キャストによる吹き替え版も
入っているので、子どもたちと楽しく観れた。

ドリームワークスの作品は、
なかなか日本ではヒットせず、
権利の問題もあって、
最近作は日本では
劇場公開される事がなくなった。
萌えアニメやゆるキャラが全盛の日本では、
毛色が合わない作風なのかもしれない。
ただ子どもたちは同社の『マダガスカル』、
大好きだけどね。
(すっきすっき~!)

海外で観た人たちが口をそろえて
「良かった」と言っていた本作。
期待しただけあった!!

冒頭、飛行マスクを外したヒックの
凛々しい表情の成長ぶりにハッとする。
前作のナヨっとした雰囲気はなく、
自信にあふれた男らしい青年になっている。

ガールフレンドのアスティとも
うまくいっており、その様子をセリフではなく、
お芝居でふたりの親密感が伝わる。
なかなか日本のアニメではない演出。

でも日本のアニメ、特に宮崎駿監督の作品の
遺伝子はいろんなところで引き継いでいる。
美術のデザインなんかもそうだが、
ヒックの母親なんかは、
まさに宮崎アニメの戦う少女が
そのまま中年になったよう。

ヒックは族長としての資質を持っている。
それは誰もが認めているのだが、
彼自身は自分はふさわしくないと思っている。

バイキングの世界は戦争が耐えない。
武力や腕力がモノを言う世界で、
ヒックは交渉と対話を重んじている。
彼のマッチョな父の姿とは異なる道を進んでいる。

現実の世界でも、
武力での争いが主となる昨今。
まず話し合いからというのは理想の姿。
本編でも、理解を示す者もいれば、
争いの姿勢を変えない者もいる。

ヒックは今までのバイキングにはない姿の首魁。
本当のリーダーは、己の無力さも自覚している。
リーダーの資質がある者は
覚悟を決めなければいけない。

これは継承の物語。

このたくましい物語が、
日本ではヒットしないと判断されてしまう
今の国内のエンタメ業界。
日本人が本当に弱っているのだな、と感じる。

関連記事

百年の恋も冷めた。映画版『超時空要塞マクロス』

1980年代、自分が10代はじめの頃流行った 『超時空要塞マクロス』が ハリウッドで実写

記事を読む

夢物語じゃないリサーチ力『マイノリティ・リポート』

未来描写でディストピアとも ユートピアともとれる不思議な映画、 スピルバーグ監督の『マイ

記事を読む

『シング・ストリート』海の向こう、おなじ年代おなじ時代

映画『シング・ストリート』は、事前にかなりの評判を耳にしていた。「はやくも今年ナンバーワンの

記事を読む

デジタルデトックスのススメ『めがね』

荻上直子監督の前作『かもめ食堂』のヒットを受け継いで、ほとんどキャストも同じのこの映画『めが

記事を読む

『ドラえもん のび太の宇宙英雄記』映画監督がロボットになる日

http://www.oricon.co.jp/news/2049911/full/[/capti

記事を読む

『おおかみこどもの雨と雪』で人生に向き合おう

『リア充』って良い言葉ではないと思います。 『おおかみこどもの雨と雪』が テレビ放映

記事を読む

『ゴジラ(1954年)』戦争の傷跡の貴重な記録

今年はゴジラの60周年記念で、 ハリウッドリメイク版ももうすぐ日本公開。 なにかと話題多

記事を読む

『サマーウォーズ』ひとりぼっちにならないこと

昨日15時頃、Facebookが一時的にダウンした。 なんでもハッカー集団によるものだった

記事を読む

『華氏911』アメリカは日本が進む反面教師?

世界のパワーバランスが崩れ始めている。 平和ボケしている日本人にも とうとう現実が伸し掛

記事を読む

『METAFIVE』アンドロイド化する東京人

自分は音楽ではテクノが好き。整理整頓された無機質な音にテンションがあがる。ロックなのに汗ひと

記事を読む

『風と共に去りぬ』時代を凌駕した人生観

小学生の娘が突然、映画『風と共に去りぬ』が観たいと言い出した。

『光とともに…』誰もが生きやすい世の中になるために

©戸部けいこ・秋田書店[/caption] 小学生の娘が、学校

『ゲゲゲの女房』本当に怖いマンガとは?

水木しげるさんの奥さんである武良布枝さんの自伝エッセイ『ゲゲゲ

『チャーリーとチョコレート工場』歪んだ愛情とその傷

映画が公開されてから時間が経って、その時の宣伝や熱狂が冷めたあ

『ドラゴンボール』元気玉の行方

http://www.maniado.jp/community/ne

→もっと見る

PAGE TOP ↑