*

現代のプリンセスはタイヘン!!『魔法にかけられて』

公開日: : 最終更新日:2019/06/14 アニメ, 映画:マ行

 

先日テレビで放送していた『魔法にかけられて』。
ディズニーが自社のプリンセスものを
皮肉って作ったのかと思いきや、
王道のラブコメとなっていく、
ウェルメイドな作品。

子ども向けに作られているにも関わらず、
大人もいろいろと考えさせられる。

ファンタジーの世界のプリンセスが、
現実の都会・ニューヨークに表れたら…、
というファンタジー。

とにかく丁寧に作られた映画。
ファンタジーの国の描写は2Dアニメ。
これでもかというくらい上質の作り。
制作者の本気が伝わってくる。
一変してニューヨークの場面は実写。
これもまた丁寧な作り。

ファンタジーの国のプリンセス。
何をみてもポジティブで、歌を歌ったり
動物と話をしたりしている。
都会人からすれば、頭の中はお花畑。

でもこれ、田舎から上京した人が
都会の冷たさに触れる状況にそっくり。

本作は自社のプリンセスものを
皮肉るような視点から始まって、
実は創作物語の素晴らしさを語っている。

都会のしがらみで荒んだ人たちが、
プリンセスと出会う事で、
みんなが忘れていた何かを思い出す。

プリンセスも現実的な社会で、
いろいろと学んで行く。

現実と創作の大切な部分を補っていく。
物語を教訓としてとらえていくことの大切さ。
「面白かった」「つまらなかった」だけでなく、
自分の人生に物語を照らし合わせて、
人生を豊かに過ごすヒントとする事の大切さ。

時にはお花畑も必要だし、
時にはシビアさも必要。
でもどちらかに偏るのはよろしくない。
作品のテーマはここにある。

「私、怒ってる!!」とプリンセスは興奮する。

怒りというネガティブな感情でさえ、
ファンタジーの世界では新鮮。
ポジティブマインドが
ネガティブを打ち負かす瞬間。
怒れることだって嬉しいのです!!

プリンセスを演じるエイミー・アダムス。
恋敵を演じるイディナ・ミンゼル。
昨年のアカデミー賞では
エイミーが『アメリカン・ハッスル』で、
イディナはご存知『アナ雪』主題歌で登壇している。
実は才能あふれるキャスティングなのです。

しかし現代のプリンセスは、
王子をみつけても説得しなきゃ
迎えにきてくれないし、
クライマックスには剣を
持って戦わなくちゃならない。

男がふがいなくなって、
女が自分でなんとか
しなくちゃいけない現代の縮図かも。

これからの時代は
プリンセスですら多難なようです。

関連記事

『コジコジ』カワイイだけじゃダメですよ

漫画家のさくらももこさんが亡くなった。まだ53歳という若さだ。さくらももこさんの代表作といえ

記事を読む

no image

『おおかみこどもの雨と雪』で人生に向き合おう

  『リア充』って良い言葉ではないと思います。 『おおかみこどもの雨と雪』が

記事を読む

no image

『リメンバー・ミー』生と死よりも大事なこと

春休み、ピクサーの最新作『リメンバー・ミー』が日本で劇場公開された。本国アメリカ公開から半年遅れだ。

記事を読む

no image

『2001年宇宙の旅』名作とヒット作は別モノ

映画『2001年宇宙の旅』は、スタンリー・キューブリックの代表作であり、映画史に残る名作と語り継がれ

記事を読む

『SLAM DUNK』クリエイターもケンカに強くないと

うちの子どもたちがバスケットボールを始めた。自分はバスケ未経験なので、すっかり親のスキルを超

記事を読む

『ゲゲゲの女房』本当に怖いマンガとは?

水木しげるさんの奥さんである武良布枝さんの自伝エッセイ『ゲゲゲの女房』。NHKの朝ドラでも有

記事を読む

no image

戦争は嫌い。でも戦争ごっこは好き!! 『THE NEXT GENERATION パトレイバー』

  1980年代にマンガを始めOVA、 テレビシリーズ、劇場版と メディアミック

記事を読む

『インクレディブル・ファミリー』ウェルメイドのネクスト・ステージへ

ピクサー作品にハズレは少ない。新作が出てくるたび、「また面白いんだろうな〜」と期待のハードル

記事を読む

no image

『キングコング 髑髏島の巨神』映画体験と実体験と

なんどもリブートされている『キングコング』。前回は『ロード・オブ・ザ・リング』のピーター・ジャクソン

記事を読む

no image

25年経っても未だ続く『攻殻機動隊 GHOST IN THE SHELL』

  何でも今年は『攻殻機動隊』の25周年記念だそうです。 この1995年発表の

記事を読む

『ブラックパンサー』伝統文化とサブカルチャー、そしてハリウッドの限界?

♪ブラックパンサー、ブラックパンサー、ときどきピンクだよ〜♫

『ベニスに死す』美は身を滅ぼす?

今話題の映画『ミッドサマー』に、老人となったビョルン・アンドレ

『白洲次郎(テレビドラマ)』自分に正直になること、ズルイと妬まれること

白洲次郎・白洲正子夫妻ってどんな人? 東京郊外ではゆかりの人と

『サトラレ』現実と虚構が繋がるとき

昨年、俳優の八千草薫さんが亡くなられた。八千草さんの代表作には

『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』考えずに依存ばかりしてると

クエンティン・タランティーノ監督の最新作『ワンス・アポン・ア・

→もっと見る

PAGE TOP ↑