*

『鉄道員』健さんなら身勝手な男でも許せちゃう?

公開日: : 最終更新日:2019/06/15 映画:ハ行,

 

高倉健さんが亡くなりました。
また一人、昭和の代表の役者さんが逝ってしまいました。

健さんというと、大スターのイメージ。

彼が出演しているだけで、何でも許されてしまうような、
どんな役を演じても「やっぱり健さん」というイメージ。

どう考えてもイヤなヤツだったり、
悪人だったりしても、健さんだとカッコ良く見えてしまう。
みんな寡黙に耐える不器用な男となってしまう。

健さんという名のステレオタイプ。

これって今で言うとキムタクも同じような系譜だと思います。
日本人は定着したイメージで役者を観る傾向が特に強い。

健さん自身もトップスターでありながら、
プライベートは質素で孤独だったと聞きます。

そんな健さん映画。
自分はそれほど得意ではないので、
やはり役者というよりは、監督や作品そのもので
映画を選んでみているみたい。

この浅田次郎氏原作の『鉄道員(ぽっぽや)』。
仕事中心で家庭を一切顧みず、
幼い娘や妻を病気で死なせてしまう、
どうしようもないダメ男の話。

仕事に逃げて、現実と向き合おうとしない
頑固なイヤな男なんだけど、
健さんが演じると許せてしまう。

昭和時代はこんな男ばかりだったのでしょう。

死に際、死なせた娘が成長する姿を見せ、
お迎えにくるという、おセンチな男の身勝手さ。

なにせ健さんなので、
周りの男たちはみんな健さんをたてる。
みんなホモに見えてしまう。

というか、自分の妻と本作を観ているときふと、
同僚の小林稔侍さんとのやりとりが
とてもホモっぽくて気持ち悪いと言い出したら、
映画がコメディにしか見えてこず、
ずっとゲラゲラ笑ってしまった。

とても不謹慎な鑑賞態度。

死んだ娘も広末涼子さんがやっているので、
当時トップアイドルだった彼女の起用に
ズルいあざとさばかり伝わってしまう。

どうも健さん映画を、自分はうがった目で見てしまうので、
相性的には最悪なのでしょうね。

ただ、お涙頂戴の映画としてみると、
自分にとっては不愉快な作品だったのにも関わらず、
女も子どももホントは嫌いな
ホモ老人がイチャついてるだけの映画だと受け止めると、
愛すべきコメディ映画になってしまう。

この映画。主題歌は坂本龍一さん親子だったので、
それにつられてみたところもある。
でも自分には曲ばかりが浮いて飛び込んできた。

きっとこの曲もミスマッチなんだろうね。

関連記事

『コジコジ』カワイイだけじゃダメですよ

漫画家のさくらももこさんが亡くなった。まだ53歳という若さだ。さくらももこさんの代表作といえ

記事を読む

『大長編 タローマン 万博大爆発』 脳がバグる本気の厨二病悪夢

『タローマン』の映画を観に行ってしまった。そもそも『タローマン』とはなんぞやとなる。2022

記事を読む

no image

『モモ』知恵の力はディストピアも越えていく

ドイツの児童作家ミヒャエル・エンデの代表作『モモ』。今の日本にとてもあてはまる童話だ。時間泥棒たちに

記事を読む

no image

『桐島、部活やめるってよ』スクールカーストの最下層にいたあの頃の自分

  原作小説と映画化、 映画公開後もものすごく話題になり、 日本アカデミー賞を総

記事を読む

『三体(Netflix)』 神様はいるの?

Netflix版の『三体』をやっと観た。このドラマが放送開始されたころ、かなり話題になっていたし

記事を読む

no image

『一九八四年』大事なことはおばちゃんに聞け!

『一九八四年』はジョージ・オーウェルの1949年に発表された、近未来の完全管理社会を描いたディストピ

記事を読む

no image

『虹色のトロツキー』男社会だと戦が始まる

  アニメ『機動戦士ガンダム THE ORIGINE』を観た後、作者安彦良和氏の作品

記事を読む

『デザイナー渋井直人の休日』カワイイおじさんという生き方

テレビドラマ『デザイナー渋井直人の休日』が面白い。自分と同業のグラフィックデザイナーの50代

記事を読む

『SLAM DUNK』クリエイターもケンカに強くないと

うちの子どもたちがバスケットボールを始めた。自分はバスケ未経験なので、すっかり親のスキルを超

記事を読む

no image

『スーパーサラリーマン佐江内氏』世界よりも家庭を救え‼︎

日テレの連続ドラマ『スーパーサラリーマン佐江内氏』の番宣予告をはじめて観たとき、スーパーマン姿の堤真

記事を読む

『フランケンシュタイン(2025年)』 生きることを生きること

2025年、ギレルモ・デル・トロ監督によって『フランケンシュタ

『劇場版 呪術廻戦「渋谷事変 特別編集版」×「死滅回游 先行上映」』 イベントムービーの心得

我が家では自分よりも家族の方が『呪術廻戦』が好き。その『呪術廻

『ウィキッド ふたりの魔女』 陰惨な世界を軽やかに歌い上げよう

観るべきかやめるべきか迷っていた映画『ウィキッド ふたりの魔女

『ひらやすみ』 とがって、たたかれ、まるくなり。

2025年の冬、自分のSNSのタイムラインでは『ひらやすみ』と

『プレデター バッドランド』 こんなかわいいSFアクション映画が観たかった

『プレデター』の最新作が公開される。近年日本では洋画が不人気。

→もっと見る

PAGE TOP ↑