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『ゴジラ(1954年)』戦争の傷跡の貴重な記録

公開日: : 最終更新日:2015/11/08 メディア, 映画:カ行

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今年はゴジラの60周年記念で、
ハリウッドリメイク版ももうすぐ日本公開。
なにかと話題多き作品です。

あらためて第一作を観直します。
いちばん最初に画面に出てくるのは
「賛助 海上保安庁」の文字。

自衛隊、海上保安庁の全面協力を得ての撮影。
本物とミニチュアが混合する編集は見事。

当時の特撮技術では限界があるのですが、
この編集方法からして、
「本物をつくってやる」
という制作者の意気込みを感じる。

戦後10年経っていない作品。
本作は大人向けに大まじめに作っている。

戦争の傷跡が、町並みや日本人の心のなかに
まだ鮮明と残っているのが
作品を通して伝わってきます。

前半はゴジラという破壊の象徴が現れたときの
社会情勢の姿をシミュレーションしている。

国会でヒステリックに
正論を言っている議員は、若き菅井きん。
やはりいつの時代も女性のほうが正しい事をいう。

後半はドラマ部分となる。
以前は余計な感じがしていた。

しかし、ここで核についてや、
オッペンハイマーやキューリー夫人に通じる
マッドサイエンティストにされてしまう科学者の苦悩や
未来に対しての警告が込められている。
SF作品としては最も重要なポイント。

中盤に見せるゴジラの東京破壊。
これは戦争そのもののイメージ。
圧倒的な破壊。

以前聞いた空襲で生き延びた人のお話しで、
命からがら逃げ延びて、
燃えている町を見た時、思ったそうです。
「全部焼けてしまえ! その方が清々する!!」

そういった気分の象徴がゴジラ。
後の続編は、子ども向けになっていき、
そういった哀しみの度合いは
薄れていったように感じます。

多くのゴジラ作品を手がけた大森一樹監督は
「ゴジラは決まり事が多くて、実は作りづらい」
とぼやいていたそうです。

本来のテーマがどんどん薄れていった『ゴジラ』。
もともとは暗く重い問題提起作品だったのです。

ゴジラという存在もそうでしょうが、
当時としては、都市の破壊がまだ生々しく
ものすごいショックを観客に
与えたのではないでしょうか。

SFは戦慄がはしってなんぼのもの。
ハリウッドの新作はどうなっているのか、期待大!!


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