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『2つ目の窓』死を意識することが、本当に生きること

公開日: : 最終更新日:2015/11/08 メディア, 映画:ハ行

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河瀬直美監督の自信作ということで、
カンヌで受賞を目指した作品。
受賞こそは逃したが、
現地では評判だったよう。

死生観の映画。

奄美の高校生のカップルを中心に、
彼らの家族や周囲の死を通して、
生きる覚悟をみつめいていく。

哲学的なテーマを内包しているが、
映画は静かで寡黙。

奄美の美しい自然と、
土俗信仰に密着した生活感が
空気感を重視した演出で表現している。

会話も脚本よりも、
その場の雰囲気を重視しており、
ストーリーこそあれど、
ドキュメンタリーのよう。

プロの役者さんの演技と
現地の住民達がみごとにとけ込んでいる。
重要なのはその人の存在感。

いちばん感じたのは「風の音」の演出。

主人公の女子高生の母は
霊媒師で死期を迎えている。
彼女は家族たちに囲まれ、
もっとも人間らしい幸せな死を迎えていく。

女子高生は身近な死を経験することにより、
生きることを意識する。
彼との性的つながりを望むが、彼の方が躊躇する。

これって現代的な恋愛の姿だと思う。

女性の方は常に本質的なものはつかんでいるのだが、
男性の方がなかなか向き合おうとしない。

ここまで女性にリードされなくては
男らしくふるまえない男性の象徴。

メメント・モリ。

この作品のテーマすら伝わるかどうか
懸念してしまうほど、
現代社会は人間が人間らしく
生きていないのかもしれない。

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