少子化だっていいじゃない!?『40歳の童貞男』
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最終更新日:2019/06/13
映画:ヤ行
2005年のこの映画『40歳の童貞男』。ふわーっと遠くを見つめるスティーヴ・カレルのポスターにうわ〜っとなった。これは観なくてはという気分にさせる。公開当時の感覚では40歳まで童貞をこじらせるなんてレアケースだろうと思っていたが、2015年の今では『童貞中年』なる言葉も発生するほどだから、時代の先見の明があったというところ。
主人公は人のいいオタク。家にはフィギアやゲームが山ほど。独身ならではのサンクチュアリを築いている。やっぱり恋愛に奥手なのはオタクなのね。で、彼の同僚達は半分おもしろがりながら恋愛テクニックを伝授するのだけれど、こいつらもモテるようにはみえない。主人公は恋をして変わっていく過程も面白い。現実の世界で生き始めると、コレクションのフィギアも興味がなくなり、売りさばいていくと結構な財産になる。
そうそう、恋愛なんか始まると、今までのこだわりなんて大した事なくなる。でも趣味は変わらないから、恋愛も安定し始めるとやっぱりフィギアとか欲しくなってくるもの。パートナーにはそれなりに理解がないと、破たんしちゃう。
で、この映画では全面的にセックスの素晴らしさを描いているのだけれど、昨今の『中年童貞』然り、バーチャルな性の世界へ入り込んでいる人が多くなっているのは確か。結婚どころか恋愛もしなくなっている。あたかもこれが人間性欠落のようなことを言われがちだが、果たしてそうなのだろうか?
現代は情報過多で仕事も忙しく、めまぐるしく翻弄されてしまう世の中。そのなかで自分を見失わずに人生を歩むのも至難の業。生涯未婚者も、選んでいる人もいれば、本人が望んでいない場合もあり、事情は様々。「結婚していない=負け組」みたいな風潮はどうしたものか?
家族を作るのも人生の選択肢のひとつだが、結婚しないのも選択肢のひとつ。自分は子どもを持つ道を選んだけれど、家庭を持つことはそれなりに拘束される覚悟がいる。もう都会では子どもは完全にアウェイで、ベビーカー問題等が顕著。
家族を持たない、子どもを持たない事を悪い事のように演出しているのは、偏った政治家目線の話のようにすら感じる。人口が減ると経済状況がどうなるか想像もつかないから、少子化が危惧されているのだろう。
また問題発言しちゃうけど、少子化は悪いことばかりじゃないと思います。
人間が多いとどうしても地球環境を破壊してしまう。これから人口が減るのなら、地球にとっては良い事だと思うし、自分の子どもたちが大人になる頃は、都会もこんなにギュウギュウ詰めではなくなるのかと思うと、ちょっと羨ましい。
ただ天才的な才能を持つ人が、仕事に夢中になり子孫を残さずに、その才能の血が絶えてしまうのはいささか残念でもあるが、テクノロジーの行きつく先は人間が減る事へと至るのではないだろうか?
まあ中年童貞問題と少子化問題、生涯未婚者問題は一緒くたにするのはおおざっぱすぎるんですけどね。ただ、人が少ない未来の都会なんて、想像するとちょっと面白い。
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