*

『映画 妖怪ウォッチ2』とその未来

公開日: : 最終更新日:2016/07/22 アニメ, テレビ, メディア, 映画:ヤ行

エンマ大王

映画版『妖怪ウォッチ』の第二弾『映画 妖怪ウォッチ エンマ大王と5つの物語だニャン!』、ウチは親子で観に行きました。今年の正月映画の話題は『スターウォーズ』の一人勝ちのようでいて、なかなかどうして、自分が行った映画館では『妖怪ウォッチ』も当日券は夜まで完売でした。自分は『スターウォーズ』の大ファンなので、ホントは初日に徹夜してでも観たいところ。それをグッと抑えて、『スターウォーズ』に並ぶお客さん達を横目にみつつ、子どもの好み優先で『妖怪ウォッチ』の鑑賞。なんでも土日の興行入場者数は、『スターウォーズ』よりも『妖怪ウォッチ』の方に軍配が上がったとか。自分のようなスタンスの親世代が多かったのでは? ウチの3歳の息子は、今回が映画館デビュー! 本作が思い出の1本になることは間違いなし。

『妖怪ウォッチ』といえば、ゲーム制作会社のレベルファイブが作った、ゲームが原作のアニメ作品。『ドラえもん』や『ポケモン』の要素や、『ゆるキャラ』風のかわいいキャラクターデザインで、子ども達のハートをガッチリキャッチ!! でも親からすると、アニメ作品自体がゲームや関連商品の宣伝中心になっていたり、ギャグアニメのおちゃらけた表現で、生き物の死が描かれているので、倫理的に不謹慎な印象を感じていた。「人気があるから仕方ないか〜」と、あまり感心していなかった親御さんは自分だけではないはず。

でも今回の『妖怪ウォッチ』は、そのような引っかかるようなところはなく、親もほとんど手放しで楽しめる作品となっていた。娘に「パパ、泣いてたね」と指摘されたくらい。物語が、ちゃんと物語として描かれていました。これならパパも納得です!

『妖怪ウォッチ』もキャラクターが増えたため、1本の話にまとめてしまうと、主人公を絞らなければならなくなってしまうので、オムニバス形式にしたのでしょう。「あのキャラが活躍しなかった!」ということはない。しかも実はすべての話が最終話では繋がって、人気キャラが勢揃いするという『アベンジャーズ』的な展開に! 妖怪の世界の描写やら、妖怪の約束事の設定やらが、世界観の深みを増す。今までの『妖怪ウォッチ』作品より見応えがある。

『妖怪ウォッチ』は、当初はマイルドに描くことを主において、つらい現実の描写は避けていた。でもやはりファンタジーは現実と背中合わせ。観客は、関連商品のおもちゃにワクワクするのではなく、主人公達が困難に立ち向かう姿にワクワクする。ちなみにエンマ大王やぬらりひょんが、イケメンのカリスマ・サイコパスなキャラクターになっていて、予想外のデザインなのも興味深い。

『妖怪ウォッチ』に協賛する企業の多さに、当初は呆れていたが、今回の『スターウォーズ』の新作も同じようなこと。自分は『スターウォーズ』が好きなので、世の中には前作を観ていない人が案外多いのに驚いた。それでもキャラクター商品は売れている。作品は未見でも、商品が魅力的なら買ってしまう。とかく『妖怪ウォッチ』のような子ども向け作品は、どうしてもデザイン性は重視されず、キャラクターがプリントされていればいいというものが多い。しかし、なんのなんの、今回の『映画 妖怪ウォッチ2』の関連商品では、出来る限りかわいいものを、子ども達に提供しようと、若干デザイン性がアップしている。

『妖怪ウォッチ』も人気が不動となった今、鼻息荒く関連商品をつくったり、便乗商法をあおったりする時期は終わったのでしょう。これ以上この商法が激化すれば、限界もあるし、ファンの親から倦厭されてしまう。今度は落ち着いて、作品の内容自体を向上させていくのだろうと感じた。

映画の冒頭、『スナックワールド』という、CGの短編アニメが上映されました。なんでもCGアニメでテレビシリーズも予定しているとか。CGというと、すぐに世界進出を視野に入れているのだなと想像できる。今の世界のアニメ業界は、CG表現が主流。手描きの2Dアニメにこだわっているのは日本だけ。レベルファイブは『妖怪ウォッチ』の成功で、こういったCGアニメに挑戦しているのだろう。ピクサー映画のように、短編を本編上映前に流す。実験的なことをするのはとても楽しい。このユルい冒険活劇、世界の評価は如何に!? 少なくともウチの子たちには『スナックワールド』はすこぶる好評だった。

『スターウォーズ』はおあずけになったけど、今回の『妖怪ウォッチ』なら、パパも充分満足。ウチの子達も、「去年の『妖怪ウォッチ』の映画より、今年の方が面白かった」と言っています。子どもはちゃんとわかっているな〜。

関連記事

『コクリコ坂から』横浜はファンタジーの入口

横浜、とても魅力的な場所。都心からも交通が便利で、横浜駅はともかく桜木町へでてしまえば、開放

記事を読む

『ツレがうつになりまして。』鬱を身近に認知させた作品

鬱病を特別な人がなる病気ではなく、 誰をもいつなりうるか分からな事を 世間に広めるきっか

記事を読む

『アトミック・ブロンド』時代の転機をどう乗り越えるか

http://atomic-blonde.jp/[/caption] シャーリーズ・セロン主

記事を読む

『ファインディング・ドリー』マイノリティへの応援歌

映画はひととき、現実から逃避させてくれる夢みたいなもの。いつからか映画というエンターテイメン

記事を読む

『湯殿山麓呪い村』即身仏、ホントになりたいの?

先日テレビを観ていたら、湯殿山の即身仏の特集をしていた。即身仏というのは僧侶が死に至るまでの

記事を読む

『ムヒカ大統領』と『ダライ・ラマ14世』に聞く、経済よりも大事なこと。

http://www.hajimeueno.com/archives/138#.Vh8HHdJRv

記事を読む

おばさまに好評の『ハウルの動く城』

スタジオジブリ作品『ハウルの動く城』。 公開当時、大勢から「わけがわからない」と声があがっ

記事を読む

『ファイト・クラブ』とミニマリスト

http://www.playbuzz.com/thelaststraw10/do-you-rem

記事を読む

はやいことに三代目『いないいないばぁっ!!』『みいつけた!』

小さい子どもがいる家の 朝の定番番組はNHK Eテレ。 ホントは朝はニュースとかみた

記事を読む

『ベイマックス』を起爆剤に日本も!! その2

日本人でエンタメ大国アメリカで、 日本のアニメスタジオ作って、 世界発信すればいいのに。

記事を読む

『チャーリーとチョコレート工場』歪んだ愛情とその傷

映画が公開されてから時間が経って、その時の宣伝や熱狂が冷めたあ

『ドラゴンボール』元気玉の行方

http://www.maniado.jp/community/ne

『THIS IS US』人生の問題は万国共通

http://video.foxjapan.com/tv/this-

『生きる』立派な人は経済の場では探せない

黒澤明監督の代表作『生きる』。黒澤作品といえば、時代劇アクショ

『ヒミズ』闇のスパイラルは想像力で打開せよ!

園子温監督作品の評判は、どこへ行っても聞かされる。自分も園子温

→もっと見る

PAGE TOP ↑