*

ピースの1つじゃない『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』

公開日: : 最終更新日:2019/06/13 映画:カ行

 

『アベンジャーズ2』にあたる『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』の公開を前にこれは押さえておかないとと大急ぎで観た。『アベンジャーズ』シリーズはマーベル社の複数のヒーローが集結するオールスターキャストのアクション映画。1作目の時自分は『アイアンマン』しか観ておらず、脇役や敵も他の作品から集結しており、当然知っているだろうの前提で混在してくるので、冒頭部分では設定が把握できず寂しい思いをしてしまった。もうあんな雪辱はあじあうまいと焦って観てしまった。

これじゃあ映画を観るにしてはあまり健康的ではない。純粋に観たいと興味をもっているのではなく、パズルのピースを埋めるがために作品を観ていくのだから、ハズレも覚悟の上。2時間半もある上映時間、ピースにしては大作なので、飽きないかどうか不安も募る。ふたを開けてみると派手なアクションに次ぐアクションで、退屈するどころかお腹いっぱいになるくらい。アメリカの国旗を模した全身タイツに身を包んだマッチョなキャプテン・アメリカは、冷静に考えればこの出で立ちはドへンタイそのもの。そんなところにひっかかってニヤニヤする間も与えず、スリリングな展開。メインキャラクターが途中で撃たれて死ぬが、次回作のポスターには彼はいる。またぞろどうやって生き返るのかと、そんな理屈っぽい見方はまったくもって邪道。純粋にアクションに身を任せるべし。久しぶりに頭空っぽに楽しめた。

なんとか『アベンジャーズ2』公開前に本作を消化した達成感もあり、充実した映画鑑賞。さあどのキャラクターがでてきてももう大丈夫!!
こういったシリーズものの見せ方はとても珍しく、関連作どれも手を抜く事がないという徹底ぶり。マーベルもディズニー傘下になって、作風が派手になった。アベンジャーズプロジェクトが、はじめから世界で大ヒットさせるという結果ありきでのビッグバジェットで作っているその自信がすごい。何があっても儲かるぞという攻めの姿勢。この『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』だって『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』に帰結するまでのパズルのピースにしてはとても豪華な作品に仕上がっている。でもこのシリーズ、毎回次回へ続くで終わるので、なんとなくスッキリしない観賞後感は否めない。

しかしロバート・レッドフォード、年をとったなぁ〜。

関連記事

『鑑定士と顔のない依頼人』 人生の忘れものは少ない方がいい

映画音楽家で有名なエンニオ・モリコーネが、先日引退表明した。御歳89歳。セルジオ・レオーネや

記事を読む

『ゴーストバスターズ アフターライフ』 天才の顛末、天才の未来

コロナ禍真っ只中に『ゴーストバスターズ』シリーズの最新作『アフターライフ』が公開された。ネッ

記事を読む

no image

社会風刺が効いてる『グエムル ー漢江の怪物ー』

  韓国でまたMERSが猛威を振るっていると日々の報道で伝わってきます。このMERS

記事を読む

『機動戦士ガンダム』とホモソーシャル

『ガンダム』といえば、我々アラフォー世代男子には、 小学校の義務教育の一環といってもいいコ

記事を読む

『鬼滅の刃 無限列車編』 映画が日本を変えた。世界はどうみてる?

『鬼滅の刃』の存在を初めて知ったのは仕事先。同年代のお子さんがいる方から、いま子どもたちの間

記事を読む

no image

『ゲット・アウト』社会派ホラーの意図は、観客に届くか⁉︎

  自分はホラー映画が苦手。単純に脅かされるのが嫌い。あんまり驚かされてばかりいると

記事を読む

『かぐや姫の物語』 この不気味さはなぜ?

なんとも不気味な気分で劇場を後にした映画。 日本人なら、昔話で誰もが知っている 『

記事を読む

no image

古いセンスがカッコイイぜ!!『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』

  パッチワークのイノベーション。そのセンスが抜群の娯楽映画。 マーベルコミッ

記事を読む

『ゴジラvsコング』 趣味嗜好は世代とともに

小学生になる我が息子はなぜかゴジラが好き。日本版の最近作『シン・ゴジラ』も、幼稚園の頃にリア

記事を読む

『グラン・ブルー』 ジワジワきた社会現象

スカーレット・ヨハンソン主演で リュック・ベッソン監督の最新作『LUCY』。 ベッソン映

記事を読む

『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』 長い話は聞いちゃダメ‼︎

2024年2月11日、Amazonプライム・ビデオで『うる星や

『ケイコ 目を澄ませて』 死を意識してこそ生きていける

『ケイコ 目を澄ませて』はちょっとすごい映画だった。 最

『SHOGUN 将軍』 アイデンティティを超えていけ

それとなしにチラッと観てしまったドラマ『将軍』。思いのほか面白

『アメリカン・フィクション』 高尚に生きたいだけなのに

日本では劇場公開されず、いきなりアマプラ配信となった『アメリカ

『不適切にもほどがある!』 断罪しちゃダメですか?

クドカンこと宮藤官九郎さん脚本によるドラマ『不適切にもほどがあ

→もっと見る

PAGE TOP ↑