*

姫はセレブの国からやってきた『かぐや姫の物語』

公開日: : 最終更新日:2020/03/10 アニメ, 映画:カ行

先日テレビで放送した『かぐや姫の物語』。

録画しておこうかと自分が提案したら家族が猛反対。でも実際かけてみるとこれが家族みんなから好評。ジブリ作品では『トトロ』や『魔女の宅急便』に次ぐ好評ぶり。

CMの雰囲気では暗い御涙頂戴作品の印象だったらしい。

実際の映画はコメディ要素が多く、日本のアニメは動かないのが特徴にも関わらず、この作品はキャラクターが良いお芝居をするので、小さな子どもでも飽きる事なく観ることができるみたい。

作中からは権力や金、美の追求の無意味さが伝わってくる。男がつくった社会の虚栄の空虚さ。

もし女性がつくる世の中なら、美味しいものをみんなで食べられ、子どもが育てやすい環境にすることを重視する事でしょう。翁はひとたび財を手にすると、どん欲に権力に惹かされて行く。これは翁が貧乏に苦しんだからこそ、金や力に執着するのであろう。

身分の高い人たちもこの映画では愚かしいつまらない人々として描かれている。

さもオリジナルキャラクターの捨丸がいちばん理想的な生き方なのではとさえ思えてしまう。貧乏だけど家族がいて、そこそこ幸せ。夢を見る事もなく、日々過ごすのがやっと。

作中からは共産主義的な「みんな平等が幸せ」という声が聞こえてくる。

かぐや姫も、貧乏暮らしでも実感のある生き方を望む。そこで迎えにきた月上人たちが不可解な顔をする。こんな汚れた地にいてもしょうがないじゃないって。

かぐや姫が貧乏暮らしでもいいよって簡単にいえるのは、彼女が本当の貧困生活を経験していないから。豊かな生活をしていると、原始的な生活に憧れる。

ロハスもスローライフもセレブから誕生した文化。

本当に貧しい人は、原始的な生活から脱しようと奮闘する。捨丸がそこそこの生活で、それ以上の欲をみせず、がんばってもしょうがないとそのまま静かに一生を終える事を良しとしているかにみえる。

でもみんなこの考え方では、人類が衰退してしまう。いきすぎる欲は身を滅ぼすが、やはりがんばったらがんばっただけの成果が得られる資本主義的な考え方だって必要。

一生のうち、いちども頑張る事なかったらなんのために生きてるのってことにもなる。

草食というか無気力の言い訳を、無意識のうちにこの映画がしてしまっているようにも感じる。
さて、本当に幸せな人生って、なんだろう?

関連記事

no image

『リメンバー・ミー』生と死よりも大事なこと

春休み、ピクサーの最新作『リメンバー・ミー』が日本で劇場公開された。本国アメリカ公開から半年遅れだ。

記事を読む

no image

ピースの1つじゃない『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』

  『アベンジャーズ2』にあたる『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』の公開を

記事を読む

no image

『藤子・F・不二雄ミュージアム』仕事の奴隷になること

先日、『藤子・F・不二雄ミュージアム』へ子どもたちと一緒に行った。子どもの誕生日記念の我が家のイベン

記事を読む

『鬼滅の刃』親公認!道徳的な残虐マンガ‼︎

いま、巷の小学生の間で流行っているメディアミックス作品『鬼滅の刃』。我が家では年頃の子どもが

記事を読む

no image

大人になれない中年男のメタファー『テッド』

  大ヒットした喋るテディベアが主人公の映画『テッド』。 熊のぬいぐるみとマーク・

記事を読む

no image

『async/坂本龍一』アートもカジュアルに

  人の趣味嗜好はそうそう変わらない。 どんなに年月を経ても、若い頃に影響を受

記事を読む

no image

逆境も笑い飛ばせ! 日本人のユーモアセンスは!?『団地ともお』

  『団地ともお』は小学生。 母親と中学生になる姉と 三人で団地暮らし。 父親

記事を読む

no image

『ジャングル大帝』受け継がれる精神 〜冨田勲さんを偲んで

  作曲家の冨田勲さんが亡くなられた。今年は音楽関係の大御所が立て続けに亡くなってい

記事を読む

no image

『銀河鉄道999』永遠の命、それは拝金主義の象徴。

  『銀河鉄道999』は自分が小学生低学年の頃、 社会現象になるくらいの人気があっ

記事を読む

no image

『きゃりーぱみゅぱみゅ』という国際現象

  泣く子も黙るきゃりーぱみゅぱみゅさん。 ウチの子も大好き。 先日発売され

記事を読む

『ハンナ・アーレント』考える人考えない人

ブラック企業という悪い言葉も、すっかり世の中に浸透してきた。致

『鬼滅の刃』親公認!道徳的な残虐マンガ‼︎

いま、巷の小学生の間で流行っているメディアミックス作品『鬼滅の

『名探偵ピカチュウ』日本サブカル、これからどうなる?

日本のメディアミックス作品『ポケットモンスター』を原作に、ハリ

『グッド・ドクター』明るい未来は、多様性を受け入れること

コロナ禍において、あらゆる産業がストップした。エンターテイメン

『アナと雪の女王2』百聞は一見にしかずの旅

コロナ禍で映画館は閉鎖され、映画ファンはストレスを抱えているこ

→もっと見る

PAGE TOP ↑