*

『ロスト・イン・トランスレーション』幸せなはずなのに……。

公開日: : 最終更新日:2019/06/14 映画:ラ行

 

日本のアニメ作品『Ghost in the Shell』が
スカーレット・ヨハンソン主演で
ハリウッドリメイクされるらしいけど、大丈夫かな~?

スカーレット・ヨハンソンと言えば
自分にとっては日本で撮影された
ソフィア・コッポラ監督作品
『ロスト・イン・トランスレーション』。

(スカレート・ヨハンソンのことを
「スカジョ」と愛称で呼びますが、
本人が嫌がっているみたいなので
スカーレットと書いていきます。)

スカーレットのゲロカワイさ目当てで
映画を観たような気がします。

オシャレ番長・
ソフィアコッポラ作品での
共通したテーマは
「幸せなはずなのに、なぜか寂しい」。

ファッションやカルチャー、
手に入るものはすぐ手に入るのに、
なぜか心は空っぽ。
現代人の心のあり方でしょう。

このシーンにこの雑貨を使うから
切ない気持ちを象徴してるとか、
モノやオシャレに疎い自分には
さっぱりわからない演出。

でも女子の心にはグッと突き刺さるらしい。
いつも女性目線の通訳が必要な
ソフィア作品だが、本作はよく理解できた。

だってオジさんと若い女の子の恋愛ものだもの。

そのオジさんをビル・マーレーが演じてるから、
もうコメディセンスがバツグン!
多分ソフィアの意図より、
もっと面白い場面に仕上がっているでしょう。

ソフィアはガンガン支持を出すような
監督さんじゃないらしいです。
なんか周りの人が、この人を助けてあげなきゃと
思わせる人らしいです。
そんなカリスマ性もあるんですね。

日本が舞台なので日本人も大勢出てます。

藤井隆さんが当時やっていた
ハイテンションアイドル番組をそのまま再現したり、
最近すっかりイクメンでいい人になってしまった
ダイヤモンド・ユカイさんのイヤな感じのディレクター。

NIGOとかHIROMIXとか
当時の日本のオシャレ番長がいっぱい出てて、
なんかイヤミな感じさえする。

サントラにははっぴいえんどの
『風をあつめて』を使ったりしたので、
この名曲が再評価されたっけ。

とにかく自分の中には全くない
ガーリーなセンス。
この感覚は観ていて楽しいので、
けっして苦手ではないのだろう。

下着姿のスカーレットのおしりも
エロ目線ではなく、
カワイイものと感じるのが不意義。

どうやら自分のようなオッサンでも
カワイイものはカワイイと感じるらしいです。

この感覚に触れたくて
またソフィア・コッポラ作品を観たいなと
感じるのかも知れません。

関連記事

no image

『ラ・ラ・ランド』夢をみること、叶えること

ミュージカル映画『ラ・ラ・ランド』の評判は昨年末から日本にも届いていた。たまたま自分は日本公開初日の

記事を読む

『レオン』 美少女は殺し屋も殺す

リュック・ベッソン監督作品、ジャン・レノ主演のフランス映画のスタッフ・キャストがハリウッド進

記事を読む

『ラストエンペラー オリジナル全長版」 渡る世間はカネ次第

『ラストエンペラー』の長尺版が配信されていた。この映画は坂本龍一さんの有名なテーマ曲の方が先

記事を読む

『レディ・バード』先生だって不器用なひとりの人間

アメリカの独立系制作会社A24の『レディ・バード』。近年、評判のいいインディペンド映画は、み

記事を読む

『ラースと、その彼女』 心の病に真摯に向き合ったコメディ

いまや飛ぶ鳥を落とす勢いの人気者になったライアン・ゴズリング。彼の魅力は、そこはかとなく漂う

記事を読む

no image

『ロッキー』ここぞという瞬間はそう度々訪れない

『ロッキー』のジョン・G・アヴィルドセン監督が亡くなった。人生長く生きていると、かつて自分が影響を受

記事を読む

『RAW 少女のめざめ』それは有害か無害か? 抑圧の行方

映画鑑賞中に失神者がでたと、煽るキャッチコピーのホラー映画『RAW』。なんだか怖いけど興味を

記事を読む

『レディ・プレイヤー1』やり残しの多い賢者

御歳71歳になるスティーブン・スピルバーグ監督の最新作『レディ・プレイヤー1』は、日本公開時

記事を読む

no image

愛すべき頑固ジジイ『ロボジー』

  2015年のゴールデンウィーク映画で『龍三と7人の子分たち』という映画があって、

記事を読む

『リリイ・シュシュのすべて』 きれいな地獄

川崎の中学生殺害事件で、 真っ先に連想したのがこの映画、 岩井俊二監督の2001年作品

記事を読む

『cocoon』 くだらなくてかわいくてきれいなもの

自分は電子音楽が好き。最近では牛尾憲輔さんの音楽をよく聴いてい

『僕らの世界が交わるまで』 自分の正しいは誰のもの

SNSで話題になっていた『僕らの世界が交わるまで』。ハートウォ

『アフリカン・カンフー・ナチス』 世界を股にかけた厨二病

2025年の今年は第二次世界大戦から終戦80周年で節目の年。そ

『トクサツガガガ』 みんなで普通の人のフリをする

ずっと気になっていたNHKドラマ『トクサツガガガ』を観た。今や

『I Like Movies アイ・ライク・ムービーズ』 黒歴史を乗り越えて

カナダ映画の『アイ・ライク・ムービーズ』がSNSで話題になって

→もっと見る

PAGE TOP ↑