*

『ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない』ブラックって?

公開日: : 最終更新日:2019/06/15 映画:ハ行,

 

ネット上の電子掲示板『2ちゃんねる』に
たてられたスレッドを書籍化した
『ブラック会社に勤めてるんだが、
もう俺は限界かもしれない』。

『ブラック企業』『ブラック会社』という言葉を
世に定着させた本と言ってもいいでしょう。

この作品ではニートだった青年が、
一念発起しブラック会社に勤めて、
苦労をしながら一人前の
大人になっていく過程が綴られている。

『ブラック企業』を摘発するというよりは、
一つひとつ困難を乗り越えていく、
青春冒険活劇のような爽快感がある。

最近やたらと『ブラック企業』という言葉を耳にする。
そもそもそれを言ったら、
どんな仕事にもブラックの要素は必ずあるもの。

よくわからないのは、
ブラック企業と知りながらなぜ働くのか、ということ。

鬱になる前にSOSはだせなかったのか?
なんで自殺する前に会社を辞めなかったのか?
そんなにしがらみがあるのか?
そもそも『ブラック企業』はなぜブラック経営をするのか?
まっとうな経営ができないくらい、世の中は腐敗してるのか?

過労死の裁判のニュースを聞くたび、
「企業が悪い」というレベルだけでは
片付かない問題ではないかと感じてしまう。

以前、ブラック企業として有名な会社に
勤める人の話を聞くことがあった。

周りの人からそんな会社に
勤めていて大丈夫なのかと、
やはり聞かれるらしいが、
本人は「自分には実感がないから大丈夫」とのこと。

あまりの問題意識のなさに呆れてしまった。

要するに『ブラック企業』に勤める人は
『ブラック社員』でもある可能性が疑わしい。

一般的な考えとしては、
ブラック問題を起こした企業の
サービスや製品にはお金を払いたくないもの。
そんな会社とは関わらないようにするのが普通。

社員も大切に出来ないのだから
客なんて大切にしてくれるわけがない。
目先の儲けばかりが気になっているのでしょう。

まっとうにお金を稼ごうとしないのが
普通となった世の中なら、
そんな社会の方が問題なのだと思えてならない。

企業や個人レベルの話をしていても、
いつまでたっても『ブラック問題』の
ニュースは後をたたない。

きっと問題はもっと大きなところにある。

関連記事

『アン・シャーリー』 相手の話を聴けるようになると

『赤毛のアン』がアニメ化リブートが始まった。今度は『アン・シャーリー』というタイトルになって

記事を読む

『ホームレス ニューヨークと寝た男』華やかさのまやかし

ドキュメンタリー映画『ホームレス ニューヨークと寝た男』。映画公開時もとても気になってい

記事を読む

『ワンダー 君は太陽』親になってわかること

自分はお涙頂戴の映画は苦手だ。この『ワンダー』は、予告編からして涙を誘いそうな予感がする。原

記事を読む

『星の子』 愛情からの歪みについて

今、多くの日本中の人たちが気になるニュース、宗教と政治問題。その中でも宗教二世問題は、今まで

記事を読む

『推しの子』 キレイな嘘と地獄な現実

アニメ『推しの子』が2023年の春期のアニメで話題になっいるのは知っていた。我が子たちの学校

記事を読む

『フロリダ・プロジェクト』パステルカラーの地獄

アメリカで起きていることは、10年もしないうちに日本でも起こる。日本は、政策なり事業なり、成

記事を読む

『バービー』 それらはぜんぶホルモンのせい

グレタ・ガーウィグ監督の新作『バービー』は、バービー人形の媒体を使った社会風刺映画と聞いた。

記事を読む

『カラマーゾフの兄弟(1969年)』 みんな変でみんないい

いまTBSで放送中の連続ドラマ『俺の家の話』の元ネタが、ドストエフスキーの小説『カラマーゾフ

記事を読む

『星の王子さま』 競争社会から逃げたくなったら

テレビでサン=テグジュペリの『星の王子さま』の特集をしていた。子どもたちと一緒にその番組を観

記事を読む

『バーフバリ』 エンタメは国力の証

SNSで話題になっている『バーフバリ』。映画を観たら風邪が治ったとまで言われてる。この映画を

記事を読む

『動くな、死ね、甦れ!』 過去の自分と旅をする

ずっと知り合いから勧められていたロシア映画『動くな、死ね、甦れ

『チェンソーマン レゼ編』 いつしかマトモに惹かされて

〈本ブログはネタバレを含みます〉 アニメ版の『チ

『アバウト・タイム 愛おしい時間について』 普通に生きるという特殊能力

リチャード・カーティス監督の『アバウト・タイム』は、ときどき話

『ヒックとドラゴン(2025年)』 自分の居場所をつくる方法

アメリカのアニメスタジオ・ドリームワークス制作の『ヒックとドラ

『世にも怪奇な物語』 怪奇現象と幻覚

『世にも怪奇な物語』と聞くと、フジテレビで不定期に放送している

→もっと見る

PAGE TOP ↑