『桐島、部活やめるってよ』スクールカーストの最下層にいたあの頃の自分
原作小説と映画化、
映画公開後もものすごく話題になり、
日本アカデミー賞を総なめにした
『桐島、部活やめるってよ』。
自分は学園モノが基本的に苦手です。
10代の未熟な自分を思い出したくないのと、
あの頃楽しい思い出が特になかったので、
今更振り返りたくもないといったところ。
昨今、日本の作品は学園モノが
圧倒的に多いのが疑問である。
アニメ作品なんてほとんどが学園モノ。
素人の作品公募で真っ先に落とされる理由として、
主人公が女子高生であることがあげられる。
男も女もみんな女子高生を主人公に
物語をつくっているので、審査員も辟易しているという。
そんなに女子高生って魅力あるの?
自分も女子高生が出てくる作品と言うだけで、
ちょっと観るのをためらうところがある。
まあ話題になっているので、本作を観てみたら、
ここの映画にはかつての自分がいた。
作品のテーマは「スクールカースト」。
要するに学校内で「イケテル」「イケテナイ」で
目に見えない壁がある社会の事。
ここでメインにあたる映画小僧の神木竜之介くんの
役柄が高校時代の自分と全く同じであるということ。
高校生の頃の自分は映画に夢中で
まさに本作の神木くんのよう。
オタクなのにさほど女の子から
キモチワルがられていないのも似てる。
当時誰もが自分の事で頭いっぱいで、
自分と趣味が合わない人のことなど
まったく眼中に入らなかった。
この映画を観て、
あの頃「イケテル人たち」の
気持ちがやっとこさなんとなく
わかったような気がする。
カーストの上層部を維持するのって
大変なんだな~。
やっぱり学生時代には
二度と戻りたくないと思うけどな。
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