*

『耳をすませば』リア充映画?現実的な作品なのに

公開日: : 最終更新日:2019/06/15 アニメ, 映画:マ行

 

ジブリアニメ『耳をすませば』は
ネット民たちの間では「リア充映画」と
言われているらしい。

そもそも自分は「リア充」という言葉が苦手。
リアル(現実)が充実していると言う意味で、
夢があるとか恋人がいるとかいう人への妬みの言葉。
人を妬んでいるヒマがあったら、
自分の人生と向き合えばいいのに。

実はウチの小さな子どもたちには
この『耳をすませば』は
ジブリ映画ではかなり人気がある。
殆どのジブリ作品はちょっと怖いみたい。

この作品の原作は柊あおいさんによるもの。
少女マンガ雑誌『りぼん』に掲載されていたが
不人気で当時連載中止になっている。

少女マンガと言えば、ホレタハレタの世界。
恋人たちが見つめ合って、
ふたりだけの世界へ没入して行く
閉ざされて行く世界観のものが多い。

柊あおいさんはそれに違和感を感じ、
恋愛だけじゃない、もっと世界には
打ち込むべきものがたくさんあると、
本作の着想していった。

マンガ雑誌の担当者もいぶかり、
マンガファンたちも今までの
ホレタハレタが読みたいと不評だった。

だが宮崎駿監督はこの作品の精神を汲み取り、
映画にしたいと、柊さんにオファーした。

宮崎監督はこの地味だけれども
現実的なテーマに共感した。

主人公の住む家も団地暮らしという、
当時アニメにあったような憧れの家では決してない。

「リア充映画」などと言われるが、
映画自体は静かで、
ほとんど何も起こらないといってもいい。

10代の頃の将来への期待と不安。
思春期の気持ちを丁寧に描いている。

これがリア充映画?
ちょっと人生の忘れ物多すぎない?

いくつになっても青春は出来るはず。
他人のリア充を妬んでるヒマはホントはない筈。
まったく呆れてしまう。

二人だけの世界に埋没していくのではなく、
二人で広い世界をみていこうとする物語。

この映画が発表されたのは1995年。
主人公たちは中学三年生なので、
いま30代半ばになっている。

主人公たちの人生は、
いまどのようなものになっているのだろうか?

関連記事

『機動戦士ガンダム』とホモソーシャル

『ガンダム』といえば、我々アラフォー世代男子には、 小学校の義務教育の一環といってもいいコ

記事を読む

no image

『マザー!』観客はそれほど高尚ではない?

ダーレン・アロノフスキー監督の『マザー!』が日本での劇場公開が中止になったのは、当時ちょっとした騒ぎ

記事を読む

no image

『花とアリス』男が描く少女マンガの世界

  岩井俊二監督作品『花とアリス』が アニメ化されるというニュースが来ましたね。

記事を読む

姫はセレブの国からやってきた『かぐや姫の物語』

先日テレビで放送した『かぐや姫の物語』。 録画しておこうかと自分が提案したら家族が猛反

記事を読む

『なつぞら』自分の人生とは関係ないドラマのはずだったのに……

「アニメーターってなによ?」7歳になる息子が、NHK朝の連続テレビ小説『なつぞら』の番宣での

記事を読む

no image

『ベルサイユのばら』ロックスターとしての自覚

「あ〜い〜、それは〜つよく〜」 自分が幼稚園に入るか入らないかの頃、宝塚歌劇団による『ベルサイユの

記事を読む

『RAW 少女のめざめ』それは有害か無害か? 抑圧の行方

映画鑑賞中に失神者がでたと、煽るキャッチコピーのホラー映画『RAW』。なんだか怖いけど興味を

記事を読む

no image

『ジュブナイル』インスパイア・フロム・ドラえもん

  『ALWAYS』シリーズや『永遠の0』の 山崎貴監督の処女作『ジュブナイル』。

記事を読む

no image

『虹色のトロツキー』男社会だと戦が始まる

  アニメ『機動戦士ガンダム THE ORIGINE』を観た後、作者安彦良和氏の作品

記事を読む

no image

『STAND BY ME ドラえもん』大人は感動。子どもには不要な哀しみ。

  映画『STAND BY ME ドラえもん』を 5歳になる娘と一緒に観に行きまし

記事を読む

『俺の家の話』 普通って何なの?

現在放送中の『俺の家の話』がおもしろい。脚本がクドカンこと宮藤

『ヒックとドラゴン/聖地への冒険』 変わっていく主人公

いまEテレで、テレビシリーズの『ヒックとドラゴン』が放送されて

『チェルノブイリ』 あれ、みんな英語しゃべってる?

先日、福島で震度6強の地震があった。311の東北震災から、もう

『デッド・ドント・ダイ』 思えば遠くへ来たもんだ

エンターテイメント作品でネタに困った時、とりあえずゾンビものを

『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』 たどりつけばフェミニズム

先日、日本の政治家が、国際的な会見で女性蔑視的な発言をした。そ

→もっと見る

PAGE TOP ↑