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東京テロリズムのシミュレーション映画『機動警察パトレイバー the movie2』

公開日: : 最終更新日:2019/06/15 アニメ, 映画:カ行

 

今実写版も制作されている
アニメ版『パトレイバー』の第二弾。

後に『踊る大走査線』や
『ダークナイト・ライジング』などに
多大に影響させる本作。

東京でももしテロが起こったらの
完全なるシミュレーションを映画でやってみせる。
アニメとは思えないリアリティある考察の表現。

本作の発表は1993年。
自衛隊のPKO派遣で、第二次大戦後はじめて
日本人が戦争に巻き込まれるのではと、
不安感がこの映画の冒頭で描かれている。

海外へ派遣された自衛隊は
攻撃され撃たれない限り、
戦争行為を絶対にしてはならない。
反撃の許可がおりずに部下を全滅させられた
元自衛官が東京でおこすクーデターと言う名のテロ。

これはかつて軍部が政府にクーデターを起こした
『226事件』のイメージ。

自衛隊が海外で戦争に巻き込まれたら?
自衛官や警官がもし日本でクーデターを起こしたら?
日本政府が責任逃れのたらい回しをはじめたら?
日本の警察や自衛隊が機能しなくなったら?

数々の恐ろしいシミュレーション。

そしてかつて軍人が起こした
政府へのクーデター『226事件』をきっかけに
日本は軍国主義へと進み、
世界大戦へと流れ込んで行きました。

戦争とはなんぞや?
平和ボケの日本人に問題提起していきます。
ちょっとアニメの域、超えてます。

周知の通り1995年には
東京で『地下鉄サリン事件』が発生し、
我々は現実にテロリズムと遭遇します。

この映画で伝える報道や東京の混乱が
まさに本作で描かれたものと
そのもの同じだったと記憶してます。

オウム真理教の連中も、
オタクなので本作を観ていた事でしょう。

模倣犯だったのか? 偶然だったのか?
この映画のシミュレーションが正確だったのか?

閉塞感漂う現代社会。
想像上恐ろしいと思って描いたフィクションが、
それよりも酷い状況になったりしている。

ただずっと言われているのが、
作者が警笛のつもりで放った作品に対し、
観客が自分ごとととらえられる
想像力が欠如しすぎているということ。

本作でスタッフとして参加していた
『ももへの手紙』の沖浦啓之監督が、
お忍びで劇場で『パトレイバー1』を観たとき、
上映終了後ファンの放った開口一番の感想が
「メカはいいけど、キャラがね」だったそうです。

映画を観てこの程度の感想しか出てこない
ファンの低能さに愕然としたと聞きます。

作者が命を削って描いた警告が
誰にも届かないという無力感。

作品を観るのも、想像力が必要なのです。

たとえ娯楽作品でも、
制作者がそれなりに心血注いだ作品には、
メッセージがあります。
生きるためのヒントも隠されています。

制作者は芸術家肌だったり天才肌だったりする人が多い。
凡人には見えないもを伝えていたりするのです。

現代の日本人は相手を思いやったり、
物事を見定めて行く想像力が
イマイチ足りなくなってしまったようです。

たかがアニメ、されどアニメ。

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