*

日本人が巨大ロボットや怪獣が好きなワケ

公開日: : 最終更新日:2019/06/15 アニメ, 映画

 

友人から「日本のサブカルに巨大なものが
多く登場するのはなぜか考えて欲しい」と
リクエストをもらったので、
ちょっと独断で突っ走ります。

日本のサブカルには
『ガンダム』のような巨大ロボットや、
『ゴジラ』のような巨大な怪獣が主役の作品が多い。
最近では『進撃の巨人』なんかもある。

なんで巨大なものが活躍するのか?
それなりに考えてみた。

そもそも巨大ロボットの祖は『鉄人28号』で、
怪獣は『ゴジラ』かと。

何となくロボットと怪獣は
系譜が違うような気がします。

『ゴジラ』はアメリカの『キングコング』をモチーフにして、
戦争や原水爆の破壊のメタファーだと思います。
破壊神ね。

『鉄腕アトム』や『ドラえもん』のような
ロボットは友達っていうのは日本独特の考え方。
技術大国ならではの感性でしょう。

西洋的な考えだと『2001年宇宙の旅』のHALや、
『ターミネーター』みたいに人間にとっては脅威の存在。

それではなんで友達だったロボットが
巨大化しちゃったのか?

そうなると、古くは大仏もなんであんなに
デカいのかってことにも繋がる。

不真面目だと怒られるかもしれないけれど、
大仏は当時の仏師が、
いかに仏さまの荘厳さを伝えようかと、
人々をびっくりさせたいという思いから、
あれだけ大きな物量で表現したのではないかと思います。
かなりロックンロールな精神で。

日本人は小柄なので、そのコンプレックスもあって、
巨大なものへの憧れがあったのかも知れません。

それでその巨大なものに人が入って
操縦することに展開して行くわけです。
操縦ならまだしも、一体化するような感覚ですね。

『ガンダム』は巨大ロボットのことを
「モビルスーツ」と呼びます。
スーツなんです。着るんです。
もう自我の延長上。

そういえば日本刀も自我の延長上の武器。
となると、武士道にもつながっていく。

アニメの主人公は、小柄な少年が多く、
その少年が普段はダメダメなのに、
大きなロボットに乗ると強いという展開が多い。

もうコンプレックスそのものです。

そういった心のコンプレックスの現れが、
サブカルなんだと思います。

ガラパゴス化していく変遷で、
日本人のコンプレックスがみえてきそうです。

最近の流行では、大団円で巨人が大暴れしたり、
都市破壊が行われて終息するストーリー展開が多い。

広げた風呂敷がしまえなくなったときの常套句かな?

とにかく大きなものが出てきたら
ネタにつきたのかな?と疑ってみるのもいいでしょう。

関連記事

『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』 そこに自己治癒力はあるのか?

自分はどストライクのガンダム世代。作家の福井晴敏さんの言葉にもあるが、あの頃の小学生男子にと

記事を読む

no image

『名探偵ホームズ』ストーリー以外の魅力とは?

  最近、ジブリ作品が好きな自分の子どもと一緒に『名探偵ホームズ』を観た。 か

記事を読む

『DUNE デューン 砂の惑星』 時流を超えたオシャレなオタク映画

コロナ禍で何度も公開延期になっていたドゥニ・ヴィルヌーヴ監督のSF超大作『DUNE』がやっと

記事を読む

no image

『誰がこれからのアニメをつくるのか?』さらなる大志を抱けたら

  「日本が世界に誇るアニメ」などという手前味噌な恥ずかしいフレーズも、すっかり世の

記事を読む

no image

『バードマン』あるいはコミック・ヒーローの反乱

  アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督の 新作がコメディと聞いて、ま

記事を読む

no image

『ジュブナイル』インスパイア・フロム・ドラえもん

  『ALWAYS』シリーズや『永遠の0』の 山崎貴監督の処女作『ジュブナイル』。

記事を読む

『リメンバー・ミー』 生と死よりも大事なこと

春休み、ピクサーの最新作『リメンバー・ミー』が日本で劇場公開された。本国アメリカ公開から半年

記事を読む

no image

なぜ日本劇場未公開?『ヒックとドラゴン2』

  とうとう日本では劇場公開はせず ビデオのみの発売となった 米ドリームワークス

記事を読む

『魔女の宅急便』 魔法に頼らないということ

ウチの子どもたちも大好きなジブリアニメ『魔女の宅急便』。 実はウチの子たちはジブリアニ

記事を読む

no image

『ピーターパン』子どもばかりの世界。これって今の日本?

  1953年に制作されたディズニーの アニメ映画『ピーターパン』。 世代を

記事を読む

『ケイコ 目を澄ませて』 死を意識してこそ生きていける

『ケイコ 目を澄ませて』はちょっとすごい映画だった。 最

『SHOGUN 将軍』 アイデンティティを超えていけ

それとなしにチラッと観てしまったドラマ『将軍』。思いのほか面白

『アメリカン・フィクション』 高尚に生きたいだけなのに

日本では劇場公開されず、いきなりアマプラ配信となった『アメリカ

『不適切にもほどがある!』 断罪しちゃダメですか?

クドカンこと宮藤官九郎さん脚本によるドラマ『不適切にもほどがあ

『デューン 砂の惑星 PART2』 お山の大将になりたい!

ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督、ティモシー・シャラメ主演の『デューン

→もっと見る

PAGE TOP ↑