*

キワドいコント番組『リトル・ブリテン』

公開日: : 最終更新日:2019/06/15 ドラマ, 音楽

 

『リトル・ブリテン』という
イギリスのコメディ番組をご存知でしょうか?

イギリスのコメディというと
まず『モンティパイソン』がうかびますが、
こちらはもっと近年の
2003年~2006年にかけて制作されたもの。

正直『モンティパイソン』より毒がある。

マット・ルーカスと
デヴィッド・ウォリアムスの脚本出演作である。

マット・ルーカスはれっきとした舞台俳優で、
『レ・ミゼラブル 25周年コンサート』にも出演していたり
ティム・バートンの『アリス・イン・ワンダーランド』
にも出ていて、驚いたものです。

どうやら二人はゲイでもあるらしく、ゲイネタが多い。

というよりも日本ではタブー視されている、
障害者ネタや老婆に対する偏愛、
スコットランド人へのイジワル描写、
キモチワルイ女子高生……。
キワドいネタのオンパレード。

そりゃあ障害者だって人間。
したたかに計算して生きていて当然。

日本人は「〇〇はこうあるべきだ!」と
ざっくり枠に収めすぎている。
悪い意味でまじめで堅すぎる。

マイノリティの人がメジャリティの人と
同じ感覚を持っていてはいけないような
乱暴な古い考え方。
先進国とは思えないくらい幼稚な考え方である。

『リトル・ブリテン』は、
すぐクレームになる日本の地上波テレビでは
とうてい放送できないくらいシニカルな内容だけれど、
イギリス人はこれくらいのコメディは
問題なく笑い飛ばしているのだろう。

異端者も受け入れ、笑いの対象にしてしまうのは、
いい意味でも悪い意味でも現実的である。

まったくもって日本の文化は如何に幼稚なものか。

関連記事

『ラストナイト・イン・ソーホー』 ハイセンスなおもちゃ箱

前作『ベイビー・ドライバー』がめちゃめちゃ面白かったエドガー・ライト監督の新作『ラストナイト

記事を読む

『アドレセンス』 凶悪犯罪・ザ・ライド

Netflixの連続シリーズ『アドレセンス』の公開開始時、にわかにSNSがざわめいた。Net

記事を読む

『透明なゆりかご』 優しい誤解を選んでいく

NHKで放送していたドラマ『透明なゆりかご』。産婦人科が舞台の医療もの。これは御涙頂戴の典型

記事を読む

『ボヘミアン・ラプソディ』 共感性と流行と

昨年はロックバンド・クイーンの伝記映画『ボヘミアン・ラプソディ』の大ヒットが社会現象となった

記事を読む

『コジコジ』カワイイだけじゃダメですよ

漫画家のさくらももこさんが亡くなった。まだ53歳という若さだ。さくらももこさんの代表作といえ

記事を読む

『トップガン』カッコいいと思ってたけど?

「♪ハーイウェイ・トゥ・ザ・デンジャゾーン」風にのって歌が聴こえてくる。これは……、映画『ト

記事を読む

『フェイクニュース』 拮抗する日本メディア

自分はすっかり日本の最新作は観なくなってしまった。海外作品でも、テレビドラマのようなシリーズ

記事を読む

『ゲゲゲの女房』本当に怖いマンガとは?

水木しげるさんの奥さんである武良布枝さんの自伝エッセイ『ゲゲゲの女房』。NHKの朝ドラでも有

記事を読む

『パリ、テキサス』 ダメなときはダメなとき

ヴィム・ヴェンダースの1984年の映画『パリ、テキサス』を観た。この映画を観るのは数十年ぶり

記事を読む

『男はつらいよ お帰り 寅さん』 渡世ばかりが悪いのか

パンデミック直前の2019年12月に、シリーズ50周年50作目にあたる『男はつらいよ』の新作

記事を読む

『大長編 タローマン 万博大爆発』 脳がバグる本気の厨二病悪夢

『タローマン』の映画を観に行ってしまった。そもそも『タローマン

『cocoon』 くだらなくてかわいくてきれいなもの

自分は電子音楽が好き。最近では牛尾憲輔さんの音楽をよく聴いてい

『僕らの世界が交わるまで』 自分の正しいは誰のもの

SNSで話題になっていた『僕らの世界が交わるまで』。ハートウォ

『アフリカン・カンフー・ナチス』 世界を股にかけた厨二病

2025年の今年は第二次世界大戦から終戦80周年で節目の年。そ

『トクサツガガガ』 みんなで普通の人のフリをする

ずっと気になっていたNHKドラマ『トクサツガガガ』を観た。今や

→もっと見る

PAGE TOP ↑