*

『ひつじのショーン』おっと、子供騙しじゃないゾ!!

公開日: : 最終更新日:2019/06/14 アニメ

 

ひつじ年を迎え『ひつじのショーン』を
無視する訳にはいかない。

今年はもう生誕20周年らしいです。
夏には映画化もされるとのこと。

そもそも『ショーン』は、
イギリスのアードマンの出世作
『ウォレスとグルミット』に
ゲストで登場したキャラクター。

牧場での日々を綴る独自の展開で
テレビシリーズにしたもの。

子ども向けと侮ってはいけない。
コメディとしての演出は秀逸。

キャラクターに声優さんが
ついてはいるもののセリフは一切なし。
動作とうめき声(?)だけで芝居している。

いかに言葉に頼らずに面白いことをするか。
上質なコント番組でもある。

そもそもアニメーションは動きで楽しませるもの。
日本のように動きをケチって
紙芝居みたいな演出になるなんてもってのほか。
結果的にセリフが多く、理屈っぽくなってしまった。

『ショーン』はスラップスティクコメディ。
イギリス独特のちょっとイジワルな視点も
子どもに媚びてなくていい。

とにかくキャラクターのお芝居が細かく、
その動きや表情で笑いをとる。
ストーリーも毎回工夫がなされており、
素直にワクワクする。

脚本のスタッフも、
アニメ制作のスタッフも
優秀なのが伝わります。

人間に興味がなければこんな作品は出来ない。
人間に興味がない人が作る日本のアニメとは大違い。

ちょっと皮肉っぽいギャグで
自分たち親が笑ったりしている姿を
子どもたちが「?」で観ていたりするのだが、
こういったウィットに富んだセンスを養うには
とても良い。

子どもたちには笑いのセンスがあって欲しい。
このセンスは人生を豊かにさせるだろう。

キャラクターも可愛いので、
自然とグッズも売れるし、
スピンオフ作品もあったりする。

この愛され方は、作品としては理想的。
センス抜群の楽しい作品です。

関連記事

『リメンバー・ミー』 生と死よりも大事なこと

春休み、ピクサーの最新作『リメンバー・ミー』が日本で劇場公開された。本国アメリカ公開から半年

記事を読む

no image

『花とアリス』男が描く少女マンガの世界

  岩井俊二監督作品『花とアリス』が アニメ化されるというニュースが来ましたね。

記事を読む

『シン・エヴァンゲリオン劇場版』 僕だけが知らない

『エヴァンゲリオン』の新劇場版シリーズが完結してしばらく経つ。すっかりブームもおさまって、『

記事を読む

no image

『東京ディズニーランド』お客様第一主義の行方

  自分はディズニーランドは大好きです。 子どもたちも喜ぶし、 自分も子どもみた

記事を読む

『エターナルズ』 モヤモヤする啓蒙超大作娯楽映画

『アベンジャーズ エンドゲーム』で、一度物語に区切りをつけたディズニー・マーベルの連作シリー

記事を読む

『シン・エヴァンゲリオン劇場版』 自分のことだけ考えてちゃダメですね

※このブログはネタバレを含みます。 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズの四作目で完結

記事を読む

『千と千尋の神隠し』子どもが主役だけど、実は大人向け

言わずもがなスタジオジブリの代表作。 フランスのカンヌ映画祭や アメリカのアカデミー賞も

記事を読む

『銀河鉄道999』 永遠の命と拝金主義

『銀河鉄道999』は自分が小学生低学年の頃、 社会現象になるくらいの人気があった。

記事を読む

『誘拐アンナ』高級酒と記憶の美化

知人である佐藤懐智監督の『誘拐アンナ』。60年代のフランス映画のオマージュ・アニメーション。

記事を読む

『パシフィック・リム』 日本サブカル 世界進出への架け橋となるか!?

『ゴジラ』ハリウッドリメイク版や、 トム・クルーズ主演の 『オール・ユー・ニード・イズ・

記事を読む

『侍タイムスリッパー』 日本映画の未来はいずこへ

昨年2024年の夏、自分のSNSは映画『侍タイムスリッパー』の

『ホットスポット』 特殊能力、だから何?

2025年1月、自分のSNSがテレビドラマ『ホットスポット』で

『チ。 ー地球の運動についてー』 夢に殉ずる夢をみる

マンガの『チ。』の存在を知ったのは、電車の吊り広告だった。『チ

『ブータン 山の教室』 世界一幸せな国から、ここではないどこかへ

世の中が殺伐としている。映画やアニメなどの創作作品も、エキセン

『関心領域』 怪物たちの宴、見ない聞かない絶対言わない

昨年のアカデミー賞の外国語映画部門で、国際長編映画優秀賞を獲っ

→もっと見る

PAGE TOP ↑