『NHKニッポン戦後サブカルチャー史』90年代以降から日本文化は鎖国ガラパゴス化しはじめた!!
公開日:
:
最終更新日:2019/06/15
本
NHKで放送していた
『ニッポン戦後サブカルチャー史』の書籍版。
テレビの放送もとても面白く、
まじめにサブカルチャーを分析していくという
ありそうでなかった番組。
こういった番組が組まれるというのも
国策クールジャパンの一環なのでしょう。
こうして戦後のサブカルチャーを冷静にみていくと、
戦後間もなくは欧米など海外の影響を大きく受け、
意識されてきた日本文化。
80年代から下品になっていき、
バブルの崩壊で完全に文化の鎖国化へと
進んでいったように感じます。
もう海外の文化なんて無視して
独自の世界へ暴走していく感じ。
ガラパゴス化まっしぐら!!
これがきっと海外では奇異な文化に見え、
「おもしろい!」と評価されたのでしょうね。
好奇な視点で。
エンタメ産業大国としては
日本は世界的にみてアメリカに次ぐ第二位。
そりゃあ政府も国を代表する産業に
持っていきたいでしょう。
日本のサブカルチャーは90年代から
暗く閉じたものとなっていきました。
中二病という言葉がありますが、
本文でもあるよう、
そうした反抗的なエネルギーを
浄化するためにもサブカルチャーの
存在は必要だと思います。
毒をもって毒を制す。
サブカルチャーは毒なのです。
その毒にどっぷりハマれば、
マズいことになるのは当然。
サブカルチャーに夢中になる海外の人たちも、
けっして明るい人たちとは思えません。
こうした毒を吐き捨てるためのサブカルチャー。
処方薬ではないと本編でも語るように、
道を決めて行くのは結局は自分自身なのです。
関連記事
-
-
『逃げるは恥だが役に立つ』 シアワセはめんどくさい?
「恋愛なんてめんどくさい」とは、最近よく聞く言葉。 日本は少子化が進むだけでなく、生涯
-
-
『湯殿山麓呪い村』即身仏、ホントになりたいの?
先日テレビを観ていたら、湯殿山の即身仏の特集をしていた。即身仏というのは僧侶が死
-
-
『リップヴァンウィンクルの花嫁』カワイくて陰惨、もしかしたら幸福も?
岩井俊二監督の新作『リップヴァンウィンクルの花嫁』。なんともややこしいタイトル。
-
-
『ローガン』どーんと落ち込むスーパーヒーロー映画
映画製作時、どんな方向性でその作品を作るのか、事前に綿密に打ち合わせがされる。制作費が高けれ
-
-
『ワンダー 君は太陽』親になってわかること
自分はお涙頂戴の映画は苦手だ。この『ワンダー』は、予告編からして涙を誘いそうな予感がする。原
-
-
『ドラゴンボール』 元気玉の行方
実は自分は最近まで『ドラゴンボール』をちゃんと観たことがなかった。 鳥山明さんの前作『
-
-
『龍の歯医者』 坂の上のエヴァ
コロナ禍緊急事態宣言中、ゴールデンウィーク中の昼間、NHK総合でアニメ『龍の歯医者』が放送さ
-
-
『レディ・プレイヤー1』やり残しの多い賢者
御歳71歳になるスティーブン・スピルバーグ監督の最新作『レディ・プレイヤー1』は、日本公開時
-
-
『このサイテーな世界の終わり』 老生か老衰か?
Netflixオリジナル・ドラマシリーズ『このサイテーな世界の終わり』。BTSのテテがこの作
-
-
『IT(2017年)』 それが見えても終わらないために
スティーヴン・キングの有名小説で映像化は2回目になる『IT』。邦題には『“それ”が見えたら、