*

『結婚できない男』 日本産良質コメディ!!

公開日: : 最終更新日:2021/05/30 ドラマ

『結婚できない男』は2006年のドラマ。
もうずいぶん前の作品になります。
当時、自分もまだ独身でした。

このドラマはいまだに忘れられないくらい
ウェルメイドな楽しいコメディ作品です。

阿部寛さん演じる独身の建築家。
仕事も順調だし、ルックスもいい。
だけど結婚もしてなければ、彼女もいない。
悠々自適に独身生活を送る40歳。
でもなんとなくむなしい。

なんで彼は結婚が出来ないのか?

この独身男の生態を、
毎話じっくり掘り下げて行くんですね。

この男、基本的に偏屈で口が悪い。
周囲にとげをまきちらす。
でも悪人ではないので、
なんとなく周りに人は集まってくる。

自分では人との関わりを避けているようでいて、
それでも人の輪の中で生きている。

偏屈男の矛盾いっぱいの完璧主義に、
男なら誰でも共通点は見つけられるはず。

自分も独身時代は、部屋をピカピカに掃除して、
ホコリの一つも許さないくらいの完璧主義でした。
それこそ自室はサンクチュアリでした。

今は結婚もして小さな子どももいるので、
多少散らかっていても気にならなくなりました。
いや、むしろ生活感があってホッとしたりもします。

自分のこだわりなんて結局その程度のもの。

ただどんなに人が状況により
成長したり変わっていっても、
本質の部分はなかなか変われません。

この変われないジレンマというのも
このドラマの面白さのポイントです。

愛情いっぱいに笑える登場人物たちを描いています。
日本でもこんなに素晴らしい
コメディセンスのドラマがつくれたんですね!!

そしてこのドラマは好評だったのにも関わらず、
続編スペシャル版や映画化なんてしませんでした。
当初の構想からブレない潔さぎ良さ!

後に韓国でもリメイクされています。
よその国でも面白いと思う感性は一緒なんですね。

やはりいつの世も、笑いがいちばん大切です。

関連記事

『このサイテーな世界の終わり』 老生か老衰か?

Netflixオリジナル・ドラマシリーズ『このサイテーな世界の終わり』。BTSのテテがこの作

記事を読む

『ロード・オブ・ザ・リング』 ファンタージーがファンタジーのままならば

Amazonのオリジナル・ドラマシリーズ『ロード・オブ・ザ・リング 力の指輪』が配信開始にな

記事を読む

『プライドと偏見』 あのとき君は若かった

これまでに何度も映像化されているジェーン・オースティンの小説の映画化『プライドと偏見』。以前

記事を読む

『三体(Netflix)』 神様はいるの?

Netflix版の『三体』をやっと観た。このドラマが放送開始されたころ、かなり話題になっていたし

記事を読む

no image

『電車男』オタクだって素直に恋愛したかったはず

  草食男子って、 もう悪い意味でしか使われてないですね。 自分も草食系なんで…

記事を読む

no image

『ごめんね青春!』クドカンもああみえて天才なのよね

  話題の新ドラマ『ごめんね青春!』。 脚本はクドカンこと宮藤官九郎さん。

記事を読む

『花束みたいな恋をした』 恋愛映画と思っていたら社会派だった件

菅田将暉さんと有村架純さん主演の恋愛映画『花束みたいな恋をした』。普段なら自分は絶対観ないよ

記事を読む

『ワンダヴィジョン』 おのれの感覚を疑え!

このコロナ禍で映画に接する意識がすっかり変わってしまった。今まで映画は映画館で鑑賞するものと

記事を読む

no image

『まれ』劇伴作曲家の新しい才能・澤野弘之氏

  NHK朝の連続テレビ小説の 春の新番組『まれ』。 はやくも好評ですね。

記事を読む

『マーベルズ』 エンタメ映画のこれから

MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の最新作『マーベルズ』が不振というニュースが流

記事を読む

『たかが世界の終わり』 さらに新しい恐るべき子ども

グザヴィエ・ドラン監督の名前は、よくクリエーターの中で名前が出

『動くな、死ね、甦れ!』 過去の自分と旅をする

ずっと知り合いから勧められていたロシア映画『動くな、死ね、甦れ

『チェンソーマン レゼ編』 いつしかマトモに惹かされて

〈本ブログはネタバレを含みます〉 アニメ版の『チ

『アバウト・タイム 愛おしい時間について』 普通に生きるという特殊能力

リチャード・カーティス監督の『アバウト・タイム』は、ときどき話

『ヒックとドラゴン(2025年)』 自分の居場所をつくる方法

アメリカのアニメスタジオ・ドリームワークス制作の『ヒックとドラ

→もっと見る

PAGE TOP ↑