*

『トゥモロー・ワールド』少子化未来の黙示録

公開日: : 最終更新日:2019/06/15 映画:タ行

 

人類に子どもが一切生まれなくなった
近未来を描くSF作。

内線、テロ、人権無視、
移民の増加、貧富の格差社会……。

子どもがいなくなると言うだけで、
世の中はこうも殺伐とするのか。

メキシコ出身の
アルフォンソ・キュアロン監督が
長回しの演出を駆使し、
臨場感いっぱいに悪夢世界を創り出す。

この長回し演出は、
次回作『ゼロ・グラビティ』でも
効果的に使われている。

クライマックスの市街地の銃撃戦の場面では
神々しさすら伝わってくる。

SF映画はこうでなくてはいけないというほどの、
現代社会への警告が山ほど詰まっている。

子どもがいない社会……。
いま日本もそうなりつつある。

子どもは幸福をもたらし、
場を清めるパワーがある。
子どもは生命力そのもの。

抹香臭くなくとも、
子どもが身近にいる人ならば
誰もが感じていることでしょう。

実は自分たちは子どもたちの存在に
知らず知らず助けられているのです。

子どもがないがしろにされている今の世の中。
日本人の心もどんどん殺伐と
してしまっていることでしょう。

この映画を観て、
子どもがいない社会とはどういうものなのか
イメージトレーニングしてみるのも
良いかも知れない。

いまどき珍しい、重く暗い映画です。


関連記事

『チャーリーとチョコレート工場』 歪んだ愛情とその傷

映画が公開されてから時間が経って、その時の宣伝や熱狂が冷めたあと、あらためてその映画を観直す

記事を読む

no image

『トンマッコルへようこそ』国は反目してても心は通じるはず

国同士が争うと、個人が見えなくなってしまう。もしかしたら友達になれるかもしれない人とも傷つけ合わなけ

記事を読む

no image

『トレインスポッティング』はミニシアターの立位置を変えた!!

  スコットランドの独立の 是非を問う投票が終わり、 独立はなしということで決着

記事を読む

no image

『鉄コン筋クリート』ヤンキーマインド+バンドデシネ

アニメ映画『鉄コン筋クリート』が公開されて今年が10周年だそうです。いろいろ記念イベントやら関連書籍

記事を読む

『デッドプール2』 おバカな振りした反骨精神

映画の続編は大抵つまらなくなってしまうもの。ヒット作でまた儲けたい企業の商魂が先に立つ。同じ

記事を読む

『デューン/砂の惑星(1984年)』 呪われた作品か失敗作か?

コロナ禍で映画業界は、すっかり先行きが見えなくなってしまった。ハリウッド映画の公開は延期に次

記事を読む

『ドラゴンボール』 元気玉の行方

実は自分は最近まで『ドラゴンボール』をちゃんと観たことがなかった。 鳥山明さんの前作『

記事を読む

no image

『天使のたまご』アート映画をアニメでやった押井守監督の意欲作

  最新作の実写版『パトレイバー』も話題の世界的評価の高い押井守監督の異色作『天使の

記事を読む

no image

鳥肌実のアヤシい存在感と、まっとうな人生観の映画『タナカヒロシのすべて』

  昨日は8月15日。終戦記念日。 この日で自分がすぐ イメージするのは靖国

記事を読む

no image

『THIS IS US』人生の問題は万国共通

アメリカのテレビドラマ『THIS IS US』を勧められて観た。ゴールデングローブ賞やエミー賞を獲っ

記事を読む

『パブリック 図書館の奇跡』 それは「騒ぎを起こしている」のではなく、「声をあげている」ということ

自分は読書が好き。かつて本を読むときは、書店へ行って、平積みさ

『トーチソング・トリロジー』 ただ幸せになりたいだけなのにね

最近日本でもようやく意識が高まりつつあるジェンダー問題。オリン

『健康で文化的な最低限度の生活』 貧しさが先か、病が先か?

「なんか該当しそうな給付制度ありました?」 これは最近パパ友と

『シン・エヴァンゲリオン劇場版』 自分のことだけ考えてちゃダメですね

※このブログはネタバレを含みます。 『ヱヴァンゲリヲン新

『カラマーゾフの兄弟(1969年)』 みんな変でみんないい

いまTBSで放送中の連続ドラマ『俺の家の話』の元ネタが、ドスト

→もっと見る

PAGE TOP ↑