人類に子どもが一切生まれなくなった
近未来を描くSF作。

内線、テロ、人権無視、
移民の増加、貧富の格差社会……。

子どもがいなくなると言うだけで、
世の中はこうも殺伐とするのか。

メキシコ出身の
アルフォンソ・キュアロン監督が
長回しの演出を駆使し、
臨場感いっぱいに悪夢世界を創り出す。

この長回し演出は、
次回作『ゼロ・グラビティ』でも
効果的に使われている。

クライマックスの市街地の銃撃戦の場面では
神々しさすら伝わってくる。

SF映画はこうでなくてはいけないというほどの、
現代社会への警告が山ほど詰まっている。

子どもがいない社会……。
いま日本もそうなりつつある。

子どもは幸福をもたらし、
場を清めるパワーがある。
子どもは生命力そのもの。

抹香臭くなくとも、
子どもが身近にいる人ならば
誰もが感じていることでしょう。

実は自分たちは子どもたちの存在に
知らず知らず助けられているのです。

子どもがないがしろにされている今の世の中。
日本人の心もどんどん殺伐と
してしまっていることでしょう。

この映画を観て、
子どもがいない社会とはどういうものなのか
イメージトレーニングしてみるのも
良いかも知れない。

いまどき珍しい、重く暗い映画です。