*

『クレヨンしんちゃん』 子どもが怖がりながらも見てる

公開日: : 最終更新日:2021/08/17 アニメ, 映画, 映画:カ行

かつて『クレヨンしんちゃん』は
子どもにみせたくないアニメワースト1でした。

とにかく「ぞーさん」とか、すぐお尻をだすとか、
プチ下ネタを子どもたちがまねをするので、
親から嫌われていたのです。

でも映画版の、
子どもは笑って大人は泣ける作風になってから、
毎年ゴールデンウィーク映画として定番となった。

普段映画を観ない人ですら、
子どもと一緒に観た『クレヨンしんちゃん』が
良かったと言い出すくらい。

この親にもウケる作風を定着させたのは原恵一監督。
『嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲』と
『嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦』は名作。

『~戦国大合戦』は後に
『ALWAYS』シリーズの山崎貴監督によって
『BALLAD 名もなき恋のうた』として実写化された。

戦国時代の新たな時代考証や、
黒澤明監督作品『乱』へのオマージュも交えている。
戦国映画としても新境地を拓いている。

原恵一監督の作風は大人目線で、
正直言って子どもたちには難しい。
でも子どもたちは、細かくは理解していなくても
物事の本質や根幹はきちんとつかめる。
その絶妙な塩梅を表現している。

ただやっぱりウチの子たちは
ちょっとセンシティブ過ぎてしまって、
『しんちゃん』作品は
冒頭部分こそは笑って観ているのだが、
途中で「やめてくれ!!」のオンパレードになる。

やっぱりここまでシリアスで厳しい世界は、
子どもたちには怖いみたい。

『しんちゃん』の最近のテレビシリーズも
なんだかシュールな
プチホラータッチなストーリーが多い。
大人は奇想天外な展開に笑えるのだけれど、
子どもにはただただシャレにならない怖さらしい。

自分を含め、ウチの家族はみんな
御涙頂戴作品が苦手。
基本的には笑いがなければ観てられない。

『クレヨンしんちゃん』は
親に認めてもらうため、親世代目線の作風へと
進んでいったのでしょう。

これで肝心の子どもが
おいてけぼりでは本末転倒。
この微妙なかけひきが難しいところですが、
やはりアニメは子どもたちのもので
あって欲しいものです。

関連記事

『グレイテスト・ショーマン』 奴らは獣と共に迫り来る!

映画『グレイテスト・ショーマン』の予告編を初めて観たとき、自分は真っ先に「ケッ!」となった。

記事を読む

no image

『作家主義』の是非はあまり関係ないかも

  NHKでやっていたディズニーの 舞台裏を描いたドキュメンタリー『魔法の映画はこ

記事を読む

『コンテイジョン』映画は世界を救えるか?

知らないうちに引退宣言をしていて、いつの間に再び監督業に復帰していたスティーブン・ソダーバー

記事を読む

『まだ結婚できない男』おひとりさまエンジョイライフ!

今期のテレビドラマは、10年以上前の作品の続編が多い。この『結婚できない男』や『時効警察』な

記事を読む

『ゴールデンカムイ』 集え、奇人たちの宴ッ‼︎

『ゴールデンカムイ』の記事を書く前に大きな問題があった。作中でアイヌ文化を紹介している『ゴー

記事を読む

『アナと雪の女王』からみる未来のエンターテイメント

『アナと雪の女王』は老若男女に受け入れられる 大ヒット作となりました。 でもディズニ

記事を読む

no image

『ガンダム Gのレコンギスタ』がわからない!?

  「これ、ずっと観てるんだけど、話も分からないし、 セリフも何言ってるか分からな

記事を読む

no image

『カールじいさんの空飛ぶ家』憐憫の情を脱せなければ、ドラマは始まらない。

  ディズニーアニメの最新作『ベイマックス』が 予告編とあまりに内容が違うと話題に

記事を読む

no image

『トロールズ』これって文化的鎖国の始まり?

  配信チャンネルの目玉コーナーから、うちの子どもたちが『トロールズ』を選んできた。

記事を読む

『ドラゴンボールZ 復活の「F」』 作者にインスパイアさせた曲

正直に言ってしまうと自分は 『ドラゴンボール』はよく知らない。 鳥山明氏の作品は『Dr.

記事を読む

『たかが世界の終わり』 さらに新しい恐るべき子ども

グザヴィエ・ドラン監督の名前は、よくクリエーターの中で名前が出

『動くな、死ね、甦れ!』 過去の自分と旅をする

ずっと知り合いから勧められていたロシア映画『動くな、死ね、甦れ

『チェンソーマン レゼ編』 いつしかマトモに惹かされて

〈本ブログはネタバレを含みます〉 アニメ版の『チ

『アバウト・タイム 愛おしい時間について』 普通に生きるという特殊能力

リチャード・カーティス監督の『アバウト・タイム』は、ときどき話

『ヒックとドラゴン(2025年)』 自分の居場所をつくる方法

アメリカのアニメスタジオ・ドリームワークス制作の『ヒックとドラ

→もっと見る

PAGE TOP ↑